毎週金曜午後10時から放送中の金曜ドラマ『インビジブル』(TBS系)。警察すら存在を知らない凶悪犯を捕まえるため刑事・志村貴文(演:高橋一生)と裏社会を牛耳り、あらゆる凶悪犯罪者たちの取引を仲介する犯罪コーディネーター・キリコ (演:柴咲コウ)が異色のペアを組むオリジナル作品だ。
事件解決のために行き過ぎた行動に走る志村を厳しく監視する、警察庁から警視庁へ出向してきた寡黙で冷静なキャリア監察官・猿渡紳一郎を演じる桐谷健太にインタビュー。
取材・文/編集部
【Profile】
桐谷健太(きりたに・けんた)
●1980年2月4日生まれ、大阪府出身。ドラマ『ROOKIES』、『JIN-仁-』(ともにTBS系)、映画『クローズZERO』、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』など出演作多数。
──『インビジブル』は完全オリジナル脚本の連続ドラマですね。オファーを受けて、台本を読んだときの印象はいかがですか?
桐谷健太(以下、桐谷):原作がないので先が読めない面白さがあるのはやはりオリジナル脚本の良さだと思いました。演じる側が全て分かって作品をつくっていく作品とはまた違った面白さがありますね。
──今作が放送される「金曜ドラマ」で言えばそのほかにも『流星の絆』『俺の家の話』など多数ご出演されていますが、印象的な作品はありますか?
桐谷:正直に言えば、元々曜日感覚がないので「どれが火曜だったかな、どれが金曜だったかな?」というくらいなんですよね(笑)。ただ『ROOKIES』は土曜だったなとは覚えてるんですけどね。ただ、どのテレビ局もそうですが、TBSさんはドラマへの強い想いを感じられますし、僕もすごくそこを信頼しているのでいろんな形でオファーをいただけるのはありがたいと思いますね。
──桐谷さんはこれまで様々な役を演じる中でも、ドラマやCMで演じるキャラクターなどコミカルな役柄の印象が強いのですが、今作で演じるのは冷静沈着でシリアスな役柄です。このようなクールな役を演じる時は、どんなことを意識していますか?
桐谷:僕は「これはシリアスな役だな」とか「明るい役だな」ということを意識して演じることはないです。例えば『タイガー&ドラゴン』や『ROOKIES』の「平っち」(平塚平)は大きな引き出しで分けてしまうといわゆるコメディリリーフに捉えられてしまうと思いますが、実際はどちらも全く違う人間。この作品で言えば、単純に脚本を読んで猿渡のインスピレーションで演じています。
──演じる役は一人の人間として向き合っている、ということですね。
桐谷:本当にそれに尽きると思います。その中でも作品を客観的に見て、例えば「このシーンでは笑いが欲しい」という想いが脚本から見えたり、僕自身がそういう要素があったらいいなと思ったらそういう部分を出していくこともありますが、役としての範囲で演じないとズレてしまうんですよね。
「俺自身の視点」が舵を切ってやりすぎると、気の衒いが作品に出てしまうというか。そうではなく「この役がこう動くから、滑稽に見えて面白い」とか「この役がこう動くから、より冷徹に見える」というように役自身であることが大切で、無意識に演じる役が物語に与える役割は感じていると思います。
──猿渡という役を演じるにあたり意識していることはなんでしょうか?
桐谷:猿渡は本当に掴みどころがないキャラクターで、冷静沈着で情を介さない、犯罪者にとっても脅威となる人物なのでその雰囲気や醸し出すオーラが出るべきだなと思って演じています。猿渡も自分自身のことがあまり分かっていないところがあって。人間誰しもそういった部分はあると思いますが、この猿渡においては周囲の人も彼のことを分かっていないし、猿渡自身も自分のことをあまり理解できていないような部分を感じたので、そこは役作りでも意識しました。
──猿渡と高橋一生さん演じる主人公・志村は、監視する側と監視される側という立場で、どこか心配しながら見守っているような感じがする不思議な関係性ですよね。撮影現場での高橋一生さんはどんな印象ですか?
桐谷:一生とは他の作品で一緒になったことがあるんですけど、今作はオリジナル作品ということもあって、一生が演じる志村という人間がどんな人間なのか、どのようにセリフを発すべきなのか、すごく綿密にスタッフの方々と切磋琢磨して話し合っているのを見ていて。だから今作で演じる姿はもちろん、志村になるまでの準備段階の様子がすごく印象的ですね。
──犯罪コーディネーター・インビジブルを演じる柴咲コウさんとは『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』以来の共演ですが、撮影現場での印象はいかがですか?
まだコウちゃんとはそこまで現場で一緒のシーンは少ないのですが、一生とコウちゃんと3人一緒になると、しっかりとこの作品をブラッシュアップさせたい想いがあるので、そこに関してのコミニケーションもすごく楽しいです。 コウちゃんが演じるのはインビジブルという何を考えているか分からない謎の女性ですが、自分の感覚で選んできたあの金髪やビジュアルも相まって、その雰囲気が彼女が元々持っている凛とした部分にすごくハマっていますよね。物語が進むにつれて、違った一面も見えてくるかもしれないのでそこはすごく楽しみですね。
──最後に『インビジブル』の見どころを教えてください。
桐谷:オリジナル作品なので、先が読めない犯罪エンターテインメントドラマを金曜の夜にご覧いただいた後、土日はゆっくり休んでいただいて。そしてまた「次はどうなるんだろう?」と思ってくださればいいなと思いますね。
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【番組情報】
金曜ドラマ『インビジブル』
TBS系にて、毎週金曜日 22:00~22:54放送中
出演:高橋一生、柴咲コウ、有岡大貴、堀田茜、原田泰造、桐谷健太ほか
脚本:いずみ吉紘
プロデュース:佐藤敦司、浅野敦也
演出: 竹村謙太郎、棚澤孝義、泉正英
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト 公式Twitter 公式Instagram
写真提供:©TBS
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