細田佳央太が明かした同世代への想い「一緒に作品をつくる人が本気で向かってくる姿を見ると嬉しくなる」【『もしイケ』インタビュー】

毎週土曜午後11時から放送中の土曜ナイトドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系)でイケメンだらけの高校になぜか入学してしまった朴訥な主人公・池田龍馬を演じる細田佳央太

      

昨年はドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系)に出演し、多くの視聴者を魅了。映画では大ヒット作『花束みたいな恋をした』に出演し、菅田将暉、有村架純、清原果耶とともに物語の最も重要なシーンに登場したほか、沖田修一監督の最新作『子供はわかってあげない』にも出演するなど、話題作への出演が続いている若手実力派だ。

      

今作で地上波ドラマ初主演となる細田にインタビュー。柔和な雰囲気をまとう彼に、秘めた芝居への想いを語ってもらった。

撮影/倉持アユミ
取材・文/編集部

【番組情報】
土曜ナイトドラマもしも、イケメンだけの高校があったら
テレビ朝日系
毎週土曜 午後11:00〜11:30
公式サイト

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「皆川猿時さんとのシーンで
笑いそうになることがダントツで多い」


──物語も終盤ですが、改めてコメディ作品で役を演じる難しさについて、どのように感じていますか?

細田:いかにお芝居の基礎があるかが大事な気がしていて、テンポや間(ま)、イントネーション、細かいことの積み重ねで、できあがっている感じがします。コメディは、いわゆる「お笑い」とも違う気がして、いかに「コメディ作品を観ているか」が問われると思っていて。

この作品をやっていると皆川猿時さんとのシーンで笑いそうになることがダントツで多いので、一緒にお芝居をやらせていただくことでどういう風にセリフを言うべきか、どのテンションでどんな声の出し方なのか、撮影現場で学ぶことも多いです。

──では今作で演じるにあたり、参考にしたコメディ作品はありますか?

細田:今回の作品に入る前に見たというより、普段からコメディ作品を見ることが多いんですよ。感動ストーリーや恋愛ものもいいですが、やっぱり楽しいものを見たいなって思うんです。

自分がコメディを演じるにあたって、今まで見てきたコメディ作品の中でも『今日から俺は!!』のようなずば抜けたテンションで魅せる作品なのか、『セトウツミ』のようなセリフのテンポで魅せる作品なのか、作品によって変わってくるのでコメディ作品の中でもバランス良く見るようにしています。

──普段からご覧になられている中でも好きなコメディ作品を一つ挙げるとすれば?

細田:やっぱり映画『セトウツミ』ですかね。高校生がしそうな普通の会話をすごく気持ちのいいテンポで池松壮亮さんと菅田将暉さんがお芝居で魅せているのがすごく好きなんです。

                      

「幸せに育ててもらった
自覚があるんです」


──今作『もしイケ』で細田さんが演じる主人公・池田龍馬くんは、細田さんの主演映画『町田くんの世界』で演じられていた「町田くん」と通ずるところがあると感じておりまして。思いやりや優しさを持つ主人公の行動が周囲に良い影響を与えるという点が共通していると思うのですが、また3年の時を経てそんな役を演じているというのは、細田さんにそういうキャラクターをイメージさせる何かがあるのかなと思ったのですが、ご自身はどのように考えられていますか?

細田:僕自身が周りに良い影響を与えているという実感は正直ないんですけど、これまで生きてきた家庭環境や学生生活、全てのことが今の自分に繋がっていると僕は考えていて。

小さなことが一つでも欠けたら今の自分になっていないと思っているので、今作もその積み重ねがあって、いただいたオファーなのかなと思っています。『町田くんの世界』の町田くんも『もしイケ』の池田くんも、人に良い影響を与えるという部分が変わっていないということは、質問していただいて初めて気づいたので、それは嬉しいですね(笑)。

──池田くんと細田さんの共通点はありますか?

細田:池田くんとの共通点という意味で、オファーをいただけた理由で思い当たるものとして一つ挙げるとすれば、家庭環境ですかね。僕は母子家庭で育ったんですけど、けっこう幸せに育ててもらった自覚があるんです。龍馬くんも素敵なお父さんとお母さんと妹がいて、良い関係を築けていたからああいう優しい子に育ったんだと思います。

──皆川猿時さん演じるお父さんが登場する池田家のシーンはコミカルでありながら家族がコミュニケーションをしっかり取っていて温かい家庭ですよね。細田さんはこれまでどんな人に優しさや愛情をもらったか、具体的なエピソードはありますか?

細田:誰、という1人に絞るのは難しいですが…今まで出会った皆さんからいただいたと思っています。僕は今まで生きてきて「この人、すごい悪人だな…」と思った人にはまだ出会ったことがないんです。例えば100人、人がいて、そのうちの99人が悪人であったとしても、僕は優しさを与えてくれる1人に出会い続けていると思っているので。色んな人から優しさをいただいたと思います。

──『もしイケ』の池田くんも周囲のイケメン生徒の内面の良さに気づいて、それをはっきりと伝えられるところが素晴らしいと思うのですが、細田さんも周りから愛情をもらったと気づいていて今のようにお話ししていただけるところが素敵だなと思いました。自分に与えられた優しさや愛情に無自覚でいる方も少なくないと思うのですが、細田さんが周りの優しさを受けたことを自覚されているのは何か理由があるのでしょうか?

細田:そう思えるようになれたのはやっぱり『町田くんの世界』がきっかけだったと思います。あの作品で人に優しさを与え、また誰かに優しさを与えられる「町田」という役を演じたことで、僕自身も変わったような気がします。撮影で石井(裕也)監督とお話ししているときに「お母さん、大事にしなよ」とか色んなことを言われた気がするんですよね。それまでは僕も誰かが自分にやってくれたことが当たり前だと思っていたかもしれないです。

──やはり『町田くんの世界』での経験は大きかったんですね。

細田:そうですね。役者としての考え方やお芝居への向き合い方だけでなく自分自身の考え方も変えてくれた作品でした。

   

一緒に作品をつくる人が本気で向かってくる姿を
見ると安心するし嬉しくなるんです


──今作『もしイケ』を含め、『ドラゴン桜』(TBS系)など同世代の俳優との共演が増えましたよね以前、ある俳優の方が「上の世代が頑張っているから俺たちの世代も頑張らなければいけない」とインタビューでお話しされていて。細田さんは同世代の俳優について、どのように意識されていますか?

細田:大前提として、僕も「上の世代の先輩たちが頑張っているから僕らも頑張って引き継がないといけないよね」というマインドでやっていて。だから所属している事務所は違っても、その想いは共有したいです。同じ作品を作っているチームなのでもちろん対立とかはしたくないですけど、同世代の中でいえば、僕も負けず嫌いなところはあります。

役者全体で言えばライバル意識よりもチームワークの意識が強いんですけど、その中の個人対個人になれば関係性がライバルに変わるんです。だから、この『もしイケ』もそうですけど同世代の俳優には負けたくないという想いがどこかあります。

──同世代の俳優の存在が刺激になったり、あるいはプレッシャーになったりすることはありますか?

細田:プレッシャーはないですね。今この瞬間にも俳優を始める方がいると考えると「ライバルがまた増えてしまう!!」と思っちゃうこともあるんですけど(笑)。

でも、一緒に作品をつくる人が本気で向かってくる姿を見ると安心するし嬉しくなるんですよ。僕ら世代の18〜22歳ぐらいの年齢だと、その年齢から役者を始める方も多くて、ノウハウや現場のことが分からないという方もいるんですけど、その一方で現場のことも分かっているけどどこか流しながらやっている人を見ると僕は悲しい気持ちになって。だからこそ、本気で挑んでくれる同世代の方を見ると触発されますね。

──同世代で刺激になる存在はどなたですか?

細田:間違いなく刺激になるのは一緒に作品をつくった鈴鹿央士くんですね。他には清原果耶ちゃん、加藤清史郎くん、田辺桃子さん、西垣匠くん、西山潤くん。今一緒に作品をやっている(宮世)琉弥や(藤原)大祐、(水沢)林太郎とか、全員頼もしいですね。頼もしくもあるからこそ、負けられないなと思います。

──細田さんは穏やかで落ち着いた雰囲気があるので、そういう想いをお話ししていただけたのは貴重だと思います。

細田:確かに人に怒ることはないんですけど、言えない分、熱量で見せないとなと思います。イラっとすることはもちろんありますけど、それを誰かに向けるのではなく、自分のエネルギーに変えてやろうと思っていますね。

 

【Profile】
細田佳央太(ほそだ・かなた)
●2001年12月12日生まれ、東京都出身。4歳から活動をスタート。’19年、映画『町田くんの世界』の主役に抜擢される。同作品で、第29回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。’21年には、映画『花束みたいな恋をした』『子供はわかってあげない』、ドラマ『ドラゴン桜』『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』など多数出演。映画『女子高生に殺されたい』が2022年4月1日より全国公開される。


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