全部自腹!だけどラジオにあって配信にはない“地上波の色気”『スーパー・ササダンゴ・マシンのチェ・ジバラ』(BSN新潟放送)【2021年9月号ラジオ特集】

今年7月にスタートした『スーパー・ササダンゴ・マシンのチェ・ジバラ』(BSN新潟放送)は、放送枠も製作費も自腹で、音声素材を放送局に納品するというユニークな番組だ。

パーソナリティーのスーパー・ササダンゴ・マシンは、試合前にパワポを駆使して戦いの構図や対戦相手の弱点を分析・プレゼンする異色のプロレスラーとしての顔だけでなく、新潟やキー局のテレビ・ラジオ番組などでも活躍するタレントとしての顔を持ち、どちらの界隈でも人気を博している。そんなアイディアマンが新たなチャレンジを行う、ラジオの可能性を探る番組として今、注目を集めている。

今回は、スーパー・ササダンゴ・マシンに、番組制作のきっかけや、今後の目論見を大いに語っていただいた。

取材・文/やきそばかおる 撮影/ツダヒロキ

 

『スーパー・ササダンゴ・マシンのチェ・ジバラ』
新潟・BSN新潟放送 毎週日曜深夜1・00~1・30
出演 スーパー・ササダンゴ・マシン
スーパー・ササダンゴ・マシンが大きな自腹でお届けする、忖度少なめの自主制作完パケ納品型ラジオ。近況などのトークのほか、将来のマネタイズを目指し、奇抜な一手を考案していく。

https://twitter.com/ssmchejibara

<プロフィール>
スーパー・ササダンゴ・マシン●生年不明。DDTなどで活動する覆面プロレスラー。得意技はパワポを駆使したプレゼン。新潟県の金型工場・坂井精機(株)の三代目という顔も持つ。『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ)などにも出演中。かつてTV Bros.の企画でインタビューを行った際、インタビューの出来栄えに満足しすぎて、キャラクター上、割と大事なパソコンを取材現場に置き忘れて帰ったことがある。

 

深夜1・00は「エンタメ業界の空き家」

――『スーパー・ササダンゴ・マシンのチェ・ジバラ』スタートおめでとうございます。トークはもちろんのこと、自腹で放送枠を買って放送するという試みは面白いですね。

ラジオって選ばれた人がやるものだと思ってたんです。僕でも番組を持てるんだったら、もっと早くやればよかったです。10年遅かったですね(笑)。ラジオのトークでは素を出しているつもりですが、プロレスラーらしくいたいとは思っています。技はかけられたらかけ返すのがエチケットだから、やられたらちゃんとやりかえすぞ、といった具合に。

――ここだけでしか聞けないような仕事の裏話をされていますが、「どこまでなら話しても大丈夫か」と考えながら話していますか?

嘘を付かずに正直に喋るのは深夜ラジオのエチケットだと思っていて、ここまでなら怒られないだろうという、ギリギリのラインを狙っています。夕方の時間には夕方の言葉遣いの装いがあるように、深夜には深夜の装いがあるんです。と言っても、radikoのタイムフリーで朝に聴いてる人が、圧倒的に多いんですけどね(笑)。

――8月には開始当初の放送を聴き逃した人のために、初回から4回分の放送を日曜の深夜に一気に再放送しましたが、これは非常に珍しいことですよね。

日曜の深夜は放送している番組がないから、あたかも人気アニメのシーズン2が始まる直前のように、まとめて再放送をしたら面白いんじゃないかと思って一気に再放送しました。諸事情により途中で放送が途切れるアクシデントはあったものの、新しいチャレンジを許してくれるBSN新潟放送は凄い会社だと思っています。BSNは新潟の民間の放送局のなかで最も歴史があるんですけど、自分たちの悪ふざけに付き合ってくれるのが嬉しいです。

 

――先日は新潟日報のラジオ欄の番組紹介文に『チェ・ジバラ』のことが載っていて「自腹制作も限界に。次の一手とは」と書いてありましたね(笑)。

BSNの偉い人、通称“レディオヘッド”の中でも特に偉いと言われているレディオヘッドが、僕らが番組を納品する前に勝手に内容を推測して載せてるんです(笑)。最近は僕らの方が書かれてある内容に寄せることもあります。ただ、こうした紹介文は載せてほしいからといって載るようなものではないし、ありがたいことです。ここだけの話ですが、レディオヘッドはいろんな番組にお手頃価格のシュークリームを差し入れしていて“シュークリームおじさん”と呼ばれてるらしいです(笑)。BSNの方々も我々の遊びに合わせてくれて、ちょっとずつ軸が面白い方向にブレていく感じ。最近のラジオ用語でいえば「フォームが崩れて」いく感じで、その雰囲気がとても面白くて良いんです。

――BSN新潟放送といえば、スーパー・ササダンゴ・マシンさんは遠藤麻理さんの番組『四畳半スタジオ』(毎週月〜金曜 午後1・00~3・00)で代理を務めたことがありましたよね。

その時は僕がやっていいものなのかと思ったんですけど、リスナーの皆さんがめちゃくちゃ優しかったです。あと、僕の近所の方もたくさん投稿してくれていることを知って、すごく親近感が湧きました。しかも下ネタだったりして、なんとも頼もしいというか、新潟も捨てたもんじゃないなと思いました(笑)。あの放送があったから『チェ・ジバラ』を始められたんだと思います。新潟だけではないかもしれませんが、地元の番組はリスナーとの距離感がすごく近いです。『四畳半スタジオ』では遠藤さんがリスナーの悩み事にアドバイスするんですが、遠藤さんの心の中にはジェーン・スーさんが潜んでいるから聴いていてためになるし、それを聴いているリスナーもアドバイスしますからね。ひょっとするとパーソナリティーもリスナーもおせっかいなのかもしれません(笑)。その関係がすごく素敵なんです。

――以前、遠藤さんの著書『ラジオを止めるな!』(新潟日報)で対談をされたことがありましたよね。

そうなんですよ。遠藤さんはあれだけ正直に喋っているのに、ものすごく丁寧な方ですし、気遣いもされますし、嫌いになる理由がひとつもないんです。ラジオパーソナリティーの仕事に全てを捧げていると思います。そもそも、BSNには『近藤丈靖の独占!ごきげんアワー』(毎週月〜木曜 午前9・00〜11・50)や『高橋なんぐの金曜天国』(毎週金曜 午前9・00〜11・50)をはじめ、素晴らしい番組がたくさんあるんですよ。そんななかで、『チェ・ジバラ』は恐れ多くも1週間の大トリに放送される番組ですからね(笑)。ラジオって日曜日は深夜0・00か1・00あたりで放送が終わってしまうラジオ局が多いから深夜1・00は「エンタメ業界の空き家」なんです。radikoで全国の人に聴いてもらうのも夢じゃないと思っています。

 

ラジオ局が閉局する今こそ、ラジオを盛り上げたい

『チェ・ジバラ』では8月に県内と県外リスナー対抗で大喜利の面白さを競う「大喜利インターハイ」の企画が行われ、面白いネタで溢れました。

――新潟県内リスナーVS県外リスナーの構図は面白かったですね。

こういう遊びができるのもいいですよね。ただ、できればもっとradikoのプレミアム会員がもっと増えて県外のリスナーも増えてほしいです。新潟はローカルのコンテンツがしっかりとしているから、タイムテーブル(番組表)を見せたいくらいなんですよ。朝から夕方までは自社制作の番組が並んでいて、夜はTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の面白い番組が並んでます。見事な「いいとこどり」なんです。だからもっと他の地域の人も『チェ・ジバラ』を聴いてくれると嬉しいです。

――確かに(笑)。

東京では『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)と『東京ポッド許可局』(TBSラジオ)の放送時間が被っているけど、新潟では『オールナイトニッポン』のあとの深夜3・00から『東京ポッド許可局』が流れるんです。BSNは平和なんですよ(笑)。僕は極力、BSNで聴くようにしています。

――「自腹でもいいからやってみよう」と思い始めたのはいつ頃からですか?

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