今夜放送のコント番組『LIFE!夏』(NHK総合)カウントダウン企画最終回。インタビュー第五弾には木村多江さんにご登場いただきます。ドラマでは猟奇的な役柄がSNSで話題になる一方、CMではコミカルな演技を披露するなど、幅広い役柄を演じ分ける木村さん。収録の合間にお話を伺いました。
取材・文/井上佳子
▼『LIFE!夏』カウントダウン5日連続インタビュー
第1弾 西野七瀬『LIFE!夏』インタビュー
第2弾 山田裕貴『LIFE!夏』インタビュー
第3弾 シソンヌ『LIFE!夏』インタビュー
第4弾 吉住『LIFE!夏』インタビュー
第5弾 木村多江『LIFE!夏』インタビュー
幼い頃は弟とよく漫才をしていたんです
──近年はCMなどでコミカルな演技を披露する木村さんを見る機会が増えました。『LIFE!』に出演されてみての感想はいかがですか?
木村 私、周りの人にはずっとコメディがやりたいと言っていて、内村光良さんとお仕事をご一緒したときも「『LIFE!』に出たいなあ…」と、ブツブツ呟いていたんです。なので、それが実現したのがすごく嬉しかったです。
──思いがけずコメディのオファーがくるというより、望んで手繰り寄せたということだったんですね。
木村 そうですね。いろんなところで、人を楽しませるお芝居をしたいと言ってきましたけど、なかなか実現しなかったのが、ようやく望んだ方向に向かっていると思っています。その中でもやはり『LIFE!』の存在は大きいですね。
(C)NHK
──内村さんとは、舞台『ボクの妻と結婚してください。』や映画『金メダル男』などでも共演されていましたね。内村さんの印象はいかがですか?
木村 映像で内村さんのコントを見ていて感じていたのは、他人に嫌な思いをさせない笑いを作る方だな、そこがすごいなということ。共演させていただいて知ったのは、何事にも真摯に取り組む方だということですね。コントでもお芝居でも、取り組み方を分け隔てている感じがしないので、私も同じように、お芝居の延長にコントがあるというつもりでやればいいのかなと思いましたね。
──内村さんからコントに取り組む上でアドバイスはありましたか?
木村 特にはなかったんですけど、映画でご一緒したとき、私は出演者として監督である内村さんから、笑いの“間”を指導していただいたことがあって。「今の台詞をあと0.5秒遅く!」など、とても細かく刻んで指示されながら何パターンも撮って、最終的にその中から一番良かったものを決めるという撮影だったんです。「コメディって楽しそう…」なんて単純に思っていた私は、笑いの間ってこんなにも難しいんだと驚きました。
──お笑い番組の演技と女優としての演技はやはり違うものだと感じますか?
木村 根本は変わらないんですけど、お笑いはリズム感がとても大事な気がします。ドラマや映画でも、リズム感はもちろん意識しますが、そういう作品は笑わせることだけが目的ではないから、笑わせるためだけではない表現も入れますけど、コントは第一に笑ってもらいたいという思いがありますよね。そのためにどうすればいいのか、試行錯誤しています。
──ますますコメディエンヌとしてのイメージも強まるかもしれませんが、それについて周囲から何かコメントはありましたか?
木村 最近は「路線変更したの?」とはよく言われます(笑)。でも、シリアスな役ばかり演じるのも自分が苦しくなるし、もともとやりたかったお仕事なので。そもそも私、幼い頃は弟とよく漫才をしていたんです。
──えっ! ちょっと想像できないです。
木村 長く入院生活を送っていた叔母を楽しませてあげようと思い、少しでも笑って元気になってもらいたくて。私にとっての「表現」は、そういう想いが原点にある気がします。だから、お笑いのプロの方たちとご一緒して、その空気を学ぼうと、今は一生懸命頑張っている感覚ですね。とはいえ、まだまだ1年生。入学したばかりみたいなものです。
──ちなみに、弟さんとの漫才ではどのようなネタを披露されていたんですか?
木村 あまり覚えてないんですけど、たぶん時事ネタみたいなことをしていた気がします。ネタ合わせをするでもなく、その場で話しただけでしょうけどね(笑)。
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──今回の放送では、木村さんが複数の男性に何股もかける魔性の女を演じるコント「ゲーム性の高い修羅場」が放送されますね。
木村 演じてみて、すごく楽しかったですね。こんなに緊張するのは久しぶりだったんですけど、コントは普通のお芝居では出来ないほど、ある瞬間からガラッとキャラクターが豹変したり弾けたり出来るので、そこはぜひ皆さんにも見て頂きたいですね。
【番組情報】
『LIFE!夏』 NHK総合
2021年7月9日(金)午後10:00〜10:45
【プロフィール】
木村多江(きむら・たえ)
●1971年生まれ。東京都出身。
映画・ドラマ等多方面で活躍中。公開待機作に映画「あなたの番です 劇場版」12月公開予定。日英合作映画「Cottontail」(公開日未定)が控える。
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