yonawoがみんなでサウナに入りながら考えてみたこと【福岡出身の注目バンド・yonawoインタビュー】

前回は先日リリースした2ndアルバム『遙かいま』について語ってくれたyonawo。2回目となる今回は、「両国湯屋 江戸遊」に場所を移し、4人のパーソナルな部分を紐解いていく。4人のいま好きなものや、共通の趣味であるサウナについてなど、等身大の彼らの魅力をぜひ感じていただきたい。ということで、まずは前回載せきれなかった音楽についての話からスタート。

取材&文/笹谷淳介 撮影/横山マサト

――10月から『遙かいま』のリリースワンマンツアーが開催されますが、コロナ禍でのツアーということで、思うことはありますか?

斉藤雄哉 とりあえず、早くコロナが収束してほしいって思いますよ。お客さんの笑顔が見たいし、打ち上げでお酒も飲みたいし……。

野元喬文 確かに。打ち上げはしたいよね!

――そうか、ライブが終わってもみんなで打ち上げができる状況ではないですもんね。

斉藤 そうなんです。だからいつもホテルで粛々と缶ビール飲んでますよ(笑)。

荒谷翔大 まあ、こればっかりはみんな共通する部分だからね。

斉藤 そうだね。早くみんなが何も気にせず楽しめる状況が戻ってきてほしいなって思う。

――そんな少し厳しい状況でのツアーですが、どんなツアーにしたいですか?

斉藤 去年のツアーは、同期を使ってわりと音源に近づけよう、再現しようという思いがあったんですけど、最近のライブからそういうことは止めて4人だけで成立するアレンジで曲をやろうという方向へシフトしたんですよ。だから今回のツアーも音源とは違うライブアレンジを追求していきたいですね。

――シフトするきっかけは何だったんですか?

斉藤 ライブに来てくれるお客さんって音源を聴きに来ているわけじゃないし、ライブを観に来ているので。イレギュラーなリズムじゃないけど、そういうものがあったほうが面白いって思うようになったんです。

荒谷 もともとやりたかったことだしね。

斉藤 そうやね。ファーストのときはバンドにたくさん人を呼んで、ステージの人数を増やして音源を再現したかったんですけど、それが難しいからやむをえず同期を使う、という選択だったんです。でも今回のツアーはサポートを入れるつもりもないし、同期も止めようということになった。

荒谷 同期を使うライブはもうやったし、今回は違う形を追求したかったんです。

斉藤 クリックを聴いてライブをすると、決まったことしかできないから。軸からたまに脱線しちゃう感じのほうが、ライブでは面白いかなって。

野元 僕は、あくまで理想だけど今回のツアーはどの会場でもステージに絨毯を敷いたりとか、後ろに映像が流れていたりだとか、ステージの演出もこだわれたらいいなって思います。前回は東京公演だけ照明とかグラフィックとかがすごかったから、今回は全公演クオリティー高くやっていきたい。

――なるほど。今後バンドとしてやっていきたいことはありますか?

斉藤 個人的にやりたいのは、アレンジ面でのコンセプトアルバムじゃないけど、こういうものを作ろうと決めて制作してみたいですね。

荒谷 それは面白そうだね。僕は、yonawo×誰かっていうコラボは一度やってみたいなって思います。アーティスト同士の絡みというか。でも無理くりお願いするというお仕事っぽいものじゃなくて、前回言ったみたいに自然発生みたいな感じであったらいいなって。

田中慧 僕はまだ、言葉に表せないかな。やりたいことはたくさんあるし、アイディアソースとなるものを集めたりはしているけど、表現するのが難しい。でも例えばドラムは電子的な打ち込み系の音だけどトラックの上でめちゃくちゃ手触りのある温かみのあるような音の感じに乗っかるみたいな、そういうサウンドをyonawoでやれたら面白いかなと思います。

野元 みんなの意見に賛成ですね。コンセプトありきのものも面白そうだし、打ち込み系のビートというのも面白そう。

荒谷 あっ! のもっちゃんのイラストをソースに曲作りするのはどう?

野元 それは面白いかも。いちばん思うのはセッションじゃないけど、4人で遊び感覚で作ったものというか、楽しさを軸に音楽を作っていけたらなって思う。遊びメインなんだけど、すごく作り込まれているものができたらいいなって。

――それでは、話題をガラリと変えてここからは4人の好きなものについてお聞きしようと思います。まずは、斉藤さんはカメラがお好きだとか。

斉藤 そうですね。もともと親もカメラが好きで家にけっこうカメラがあって。そこからハマっていったんですけど、飽きてしまって少し離れていた時期があって。でも、ツアー中に同行してくれたフォトグラファーさんにカメラを借りてメンバーみんなを撮り合うということをしたら、また気持ちが再燃しました(笑)。高校のときに使っていたカメラを引っ張り出して、たくさん撮ってますね。

――なるほど。荒谷さんはどうですか?

荒谷 僕は、本が好きですね。最近読んでるのは、量子力学をわかりやすく解説してる本があって、それはすごく面白い。物理学の基本となるのが量子力学なんですけど、解説が数式だけではなく、詩を交えて解説してくれてるんですよ。だから意外と言葉の影響もあるなと思っていて。

――そういうところから歌詞が浮かぶこともある?

荒谷 歌詞というよりかは、言葉の組み立て方だったり、歌詞を書くときの頭の中というか、マインドに影響があるのかなって思います。

――野元さんの好きなものは、温泉や神社、狛犬だったりとすごく渋いですよね?

野元 日本ならではの雰囲気が好きなんですよね。神社でいえば、場所によって装飾も違いますし、狛犬も神社によって全然顔が違ったりするんですよ! そういう日本的な自然の空気感、古き良き文化や歴史を感じるのが好きなんです。音楽も日本的なものを聴いたりしますね。

――なるほど。田中さんはお笑いが好きだとか。

田中 お笑いは好きですね。昔からテレビっ子でテレビでお笑い番組をたくさん観てました。小さい頃は生活の一部というか、そんな感じだったんです。中学生くらいのときに天竺鼠さんにハマって、その辺りから芸人さん単体を追うようになりましたね。

――最近、イチオシの芸人さんはいますか?

田中 最近は、マセキ芸能の銀兵衛さんが気になってます。あとは、かが屋さん。ここ2,3年はお笑いから離れていたんですけど、かが屋さんを観てから再熱してしまって。初めて観たネタが、さらば青春の光さんとのコラボネタだったんですけど、それが電撃が走るほど面白くて(笑)。そこからまたいろんな芸人さんをディグるようになりました。

――そして、4人の共通の好きなものがサウナということで、今日は「両国湯屋 江戸遊」にお邪魔しました。先ほど、お風呂とサウナにも入られましたけどどうでした?

荒谷 いやあ、サウナよかったですよ! 最高でした!

野元 正直、もっと入りたかったです。

荒谷 お風呂もみんな好きだから、あれだけ湯船があると楽しいですよね。だって、薬湯もあって、ぬるいとこもあって、熱いのもあってさ。

田中 寝湯があるのも最高だった。

斉藤 炭酸泉もあったよ?

野元 しかも、上のフロアには岩盤浴もあるんでしょ? サウナもあるし、ここ最高やん!

――満足してもらえてよかったです。4人で調べてサウナにも行ったりするんですよね?

荒谷 野元さんがすごくストイックですね。

野元 はい。昨日も行きました(笑)。

荒谷 いつも、東京に着く直前くらいから、宿の近くにサウナがないか調べてるもんね?

斉藤 東京に限らず、どこへ行ってもだよ。地方でも、現地に着く前には車の中でサウナ調べてるよ(笑)。

――本物のサウナ好きですね。皆さんにとってサウナの魅力って?

斉藤 無心になれることかな。

荒谷 そうだね、強制的にぼーっとできるとこ。

野元 次の日、調子がよくなるんですよね。

田中 とにかく最高なんだよね。

――なるほど。ちなみに皆さんは”ととのい“を経験したことはありますか?

荒谷 正直、僕はよく分からないんですよね。

斉藤 これかな?って気持ちよくなる瞬間はあるけど、それがととのうなのか分からないよね。プロの人に聞いてみたいですもん。「ととのうとは、なんぞや?」って(笑)。

荒谷 じゃあ、ここは野元先生に聞いてみる?

――野元さん、教えてください!

野元 僕にとっての、ととのうとは、いろいろと忘れて、無の境地に入るというか。いろんなことに感謝する感じ。そういう気持ちになりますね。

――それが“ととのう”ということ?

野元 一周回って、「ありがたい」と思いますね。無になると頭がプラスの方向に回転していくんですよ。それは、全てマイナスイオンのおかげなんです。

荒谷 ゼロになるってこと?

野元 ゼロから生まれる感じ。音楽やいいものはゼロから生まれるってことやね(笑)。

荒谷・斉藤・田中 なんだそれ(笑)。

yonawo●荒谷翔大(Vo)、田中慧(Ba)、斉藤雄哉(Gt)、野元喬文(Dr)による福岡で結成されたバンド。2018年に自主制作した2枚のEP「ijo」「SHRIMP」はCDパッケージが入荷即完売。地元のカレッジチャートにもランクインし、早耳リスナーの間で謎の新アーティストとして話題に。2019年11月にAtlantic Japanよりメジャーデビュー。2020年4月に初の全国流通盤となる6曲入りのミニアルバム「LOBSTER」をリリース。そして、11 月には、Paraviオリジナルドラマ「love⇄distance」主題歌オープニング曲「トキメキ」や、史上初となる福岡FM3局で同時パワープレイを獲得した「天神」を収録した待望のファーストフルアルバム「明日は当然来ないでしょ」をリリース、全国5都市で開催された初のワンマンツアーは全公演チケット即完売。2021年1月に配信シングル「ごきげんよう さようなら」、3月に配信シングル「浪漫」、5月28日(金)に冨田恵一(冨田ラボ)プロデュースによる配信シングル「哀してる」をリリース。そして、8月11日(水)には2ndフルアルバム「遙かいま」を発表。

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