西野七瀬『恋は光』バナー

西野七瀬『恋は光』インタビュー 雨の日でも「傘を持たないから、いつも友達の傘にいれてもらいます(笑)」

ドラマ『あなたの番です』『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』などヒット作への出演が続くなか、映画『孤狼の血 Level 2』での演技が高く評価され、第45回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞・新人俳優賞を受賞した女優・西野七瀬。サイコキラーに刑事、ホステスや専業主婦…ジャンルの異なる作品で役柄に縛られず様々な役を巧みに演じる彼女の最新出演映画『恋は光』は一風変わった恋愛映画だ。

           

映画『恋は光』予告

今作は恋をしている女性が「(比喩ではなく文字通り)光輝いて視える」という特異体質を持った文系男子大学生・西条(演:神尾楓珠)と彼を取り巻く3人の女子大学生がそれぞれの「恋」に悩む物語。あらゆる恋愛映画にありがちな展開を排し、個性豊かな登場人物たちが「恋」についてひたすら議論に議論を重ね、思考を深めながら物語は展開していく。西野が演じる北代は、西条の小学生からの幼馴染で、男女問わず誰にでも気さくに接する女子大学生だ。

       

TV Bros.WEBでは今作を2日連続で特集。前編の1日目は主人公・西条を演じる神尾楓珠へのインタビュー、後編となる2日目の今回は西野七瀬への単独インタビューを公開。1ヶ月間の岡山オールロケで撮影された今作の制作秘話に加え、6月17日という梅雨時期に公開される今作にちなんで「雨」にまつわるエピソードを語ってくれた。 

撮影/倉持アユミ
取材・文/編集部

■映画『恋は光』特集

前編 神尾楓珠インタビュー
後編 西野七瀬インタビュー

【Profile】
西野七瀬(にしの・ななせ)
1994年5月25日生まれ、大阪府出身。2011年に乃木坂46の第1期メンバーのオーディションに合格し、デビュー。17年に映画『あさひなぐ』(英勉監督)で主人公を演じ、18年末に同グループを卒業。以降、数々の作品に出演。主な出演作にドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」、「あなたの番です」、「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」、「ホットママ」、「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」、「言霊荘」、「恋なんて、本気でやってどうするの?」、映画出演作に、『一度死んでみた』、『鳩の撃退法』、『あなたの番です 劇場版』などがある。『孤狼の血 LEVEL2』(21/白石和彌監督)では、日本アカデミー賞の優秀助演女優賞および新人俳優賞を受賞した。

      

初挑戦の「地声」の演技


──今作で西野さんが演じる北代は、恋愛相談も親身に聞いてくれて、釣りなどのレジャーにも楽しんで参加する、西条にとって最高の「友達」ですよね。そんな気さくな北代をとてもナチュラルに演じられているので、西野さんに北代の部分がそもそもあるのかなと感じたのですが、どんなアプローチで演じられたんですか?

西野七瀬(以下、西野):嬉しい。でも台本が届いて読んだ時点では全然分からなかったんです。独特な言葉遣いだし、癖のある喋り方をしているので「どうやって演じよう?」と思って、最初は割と不安が大きくて。


映画『恋は光』キャラクター動画
〈西条の幼なじみ・北代〉

                                       

──特に西条と会話しているときは男友達同士で話しているような口調ですよね。

西野:そうなんです。現場に入る前の本読みの段階でも、監督のイメージと合わなくて私も「どうしよう…」と思っていて。撮影に入って間もないころ、神尾くんと雑談しているのを聞いていた監督が「その感じのままで、北代を演じてみてほしい」とおっしゃったんです。私の地声は低いし、普段の声を出してお芝居することなんて、これまでやってこなかったから自分の中では少し違和感があったんですけど、やってみたら監督の中で「それがいい!」ってなったみたいで。そのきっかけのおかげで私も「なるほど!」と思い、それからの撮影は割と安心してできました。だから自分が北代に近づいたというより、北代を自分側に近づけるというやり方で演じてみたら私もやりやすかったし、監督もしっくりきたんです。

──西野さんが演じる北代だけではなく、西条や東雲(演:平祐奈)も喋り方が独特です。カメラが回っていないとき、出演者の皆さんはそれぞれの役の話し方に引っ張られませんでしたか?

西野:それはなくて、みんなも普通に雑談していましたけど、神尾くんはカメラが回ってない時もずっと「西条」でしたね。神尾くんとは初共演で、私は普段の神尾くんを知らないから、カメラが回ってない時との違いがあまり分からなくて。「めちゃくちゃ西条だけどね〜」と思っていたんですけど、本人は「いや、全然違うでしょ!」って言ってましたね(笑)。

──撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

西野:現場はすごく楽しかったです。普段、映画やドラマをやっているとたくさんのスタッフさんがいることに慣れていたんですけど、今作の撮影には照明部とか録音部がいなくて、みんなでやるんです。監督が基本的に自然光を使って撮影されるということもあったんですけど、たまに照明を焚きたい時はみんなでやって、照明の中に入ってしまったセミを取ったり(笑)。すごくミニマムなチームで、録音部もワンマン、衣装部もワンマンだったのでスタッフさんはきっと大変だったと思うんですけど、それが私にとって新鮮でした。

──西野さんは普段から恋愛映画をご覧になりますか?

西野:私、あまり観ないんです(笑)。

──私もあまり自分から観ることがないんですけど、今作は恋愛映画でありがちな展開がなくて、すごく楽しめましたし、面白かったです。

西野:私も試写で観て「すごく面白い!」と思って。いわゆる「胸キュン映画」とはまた違って、登場人物がひたすらテンポよく話し合っているのがすごくいいなと思いましたし、多くの人に観てほしいですね。

──それに一つ一つのシーンの画がすごく綺麗なんですよね。

西野:そうなんですよ〜。岡山県ですべて撮ったんですけど本当に素晴らしくて! 撮影がない休みの日でも私は岡山に残って過ごしていました。素晴らしいロケーションで撮ったので毎シーン、綺麗なんです。

                        

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