“柔様”というニックネームの通り、貴公子のように気品のあるビジュアルを持ち、衣装面でもM!LKに携わり始めるなど、グループの中でも独自の存在感を示している山中柔太朗。一見クールな彼が内面に抱える情熱とは。
取材&文/吉田可奈 撮影/飯田エリカ
ヘア&メイク/中島愛貴(do:t)、車谷結(do:t)
――山中さんのM!LKでの立ち位置はどんなものだと思いますか?
“影のバランサー”ですね。少し前に、佐野(勇斗)くんから突然“柔太朗のいいところ”っていうメッセージが送られてきたんですよ。そこには、優しさや、良くも悪くも自己犠牲なところなど、いろいろ書いてあったんですが、バランサーという言葉もあったんです。それは僕自身すごく心掛けているところだったのでうれしかったですね。
――それはもともとの性格ですか?
そうだと思います。小学生の頃は、八方美人だったんですよ。みんなに嫌われないように、嫌われないようにと考えるタイプだったんです。その名残があるんじゃないかなと思うんですが、メンバーに“もっと自分を出していいんだよ”と言ってもらえてからは、徐々に自分を表現できるようになってきた気がします。
――先日のZepp Tokyoでのライブでは、初期メンバーの3人に「M!LKを選んでくれてありがとう」と言われて号泣していましたよね。
あの瞬間は、“こっちのセリフだよ!”って思いましたよ。だって、僕と(曽野)舜太はM!LKに入りたくてオーディションを受けたんです。本来であれば僕らが“選んでくれてありがとう”って言うべきなんですよね。でも、そう言ってくれるメンバーがいる場所で活動できているのは、すごく幸せだなと思うんです。そう思っていたら涙が出ちゃって…。
――こらえきれなくなって、涙が出ちゃったんですね。
はい。佐野くん、すごく良い感じに言うじゃないですか(笑)。熱いし!
――あはは。ちなみに山中さん自身は、M!LKに入ってから、どう変化したと思いますか?
僕はM!LKに入ったときは、周りに比べてダンス、歌、トーク、立ち振る舞いなど、すべてにおいてレベルの差をめちゃくちゃ痛感したんです。そのときに、新メンバー同士で“本当に頑張らないといけないよな”って話をよくしていて。そこで頑張った結果がいまに繋がっていると思うので、レベルアップは出来たのかなと思っています。M!LKは、僕のすべてを変えてくれました。
――一緒に加入した曽野(舜太)さんの存在も大きかったのではないでしょうか。
もちろんです。舜太は、僕にないものを全て持っているんです。たとえば、ポジティブなところもそうですし、頭もすごくいいんですよ。さらに、楽観主義なので“できるっしょ”と背中を押してくれるんです。僕は考えすぎちゃうし、頭もそんなにいいわけではないので、すごく尊敬できるんですよね。ルックスも、タイプがまったく違うからこそ、お互い憧れているところが多いんです。僕よりも1才年下なのですが、そう思っていないですし、すごく頼りがいがあるんですよ。舜太と一緒にいたからこそ、切磋琢磨してデビューまで来られたと思っています。
――すごくいい関係性なんですね。
はい。天然で抜けているところもいっぱいあるんですけどね(笑)。でもそれはお互い様ですし、僕らなりに先輩方に迷惑をかけないようにやっていこうと話していました。いまはかなり頑張らないといけないタイミングだよねって話すこともありますし、家に帰ったら一緒にゲームをしていますし(笑)。いい関係だなと思っています。
――曽野さんがこの春に上京してくれたおかげでより仲が深まったんですね。
そうですね。本当にそう思います。
――山中さんだから知っている、曽野さんの意外な一面はありますか?
みんなの前では元気キャラだと思うんですが、たまに妙にドライなときがあるんですよ! これは以前ファンのみなさんには話したことがあったんですが、前にカプセルトイをみんなでやったときに、舜太が当てたキャラクターをすごく喜んで、写真に撮ってSNSにも載せていたんです。それなのに、その後すぐに事務所のゴミ箱に捨ててあったんですよ!
――それは衝撃の(笑)。
そのときだけ楽しかったらいいの?って、ビックリしました(笑)。僕は逆に捨てられなくて溜まっちゃうタイプなので、その発想自体がおもしろかったですね。そういう予測できない一面があるんですよ。
――あはは。さて、これからM!LKが大きくなっていく中で、さらにグループではどんな立ち位置になっていたいですか?
なんだろう…。佐野くんがLINEでくれた言葉の中に、“センス”という言葉があったんです。パフォーマンスもファッションもそうなのですが、自分の感性を褒めてもらったことが大きな自信になっているので、そこは伸ばしていくべきかなと思っています。
――最近ではライブでの衣装のプロデュースもされていますよね。
はい。それはすごく楽しいので、これからも続けていきたいですね。あとは、もっとアーティスティックな部分にも関わっていきたいなと思っていて。そのきっかけとして、いまは写真の方向性を決めたりする会議にも入らせてもらったりしているんです。制作面にもどんどん関わっていきたいなと思っています。
――ライブの演出を塩﨑さんが手掛けていたり、山中さんが衣装を手掛けたりと、メンバーにそういったことを挑戦させてくれる環境はすごく素敵ですよね。
本当にそう思います。衣装を手掛けていると言っても、最初にデザインをしているだけで、それをちゃんとリアルに作ってくれる方がいるんです。そうやって僕たちの描いているものを形にしてくれるスタッフさんたちがいる環境も、すごくありがたいなと思っています。
――M!LKは結成から7年、山中さんが加入して3年が経ちましたが、この間に、何を乗り越えたからこそいまがあると思いますか?
僕は歌ですね。以前は高い声がまったく出なかったんです。いまもまだ高い声あまり出ないのですが、最初はもっと苦手だったんです……。とはいえ、M!LKの歌はキーが高いので、裏声にしたり、ワンオクターブ下で歌ったりしていたんですよね。それがすごく悔しくて。なので、STAY HOME期間に毎日歌う習慣をつけ、自分なりに特訓をしたんです。そしたら以前よりも声量が上がり、キーも少し高くなったんですよ。いままで難しかったことが出来るようになる瞬間って、最高に楽しいし、うれしいので、諦めずに練習をし続けてよかったなと思っています。もちろん、まだまだなのでこれからも努力し続けていきたいです。
――悔しさがバネになったんですね。
はい。吉田さんはめちゃくちゃ歌がうまいんですよ。なので。コツを教えてもらったりして、かなり助かりました。
――先輩3人に引っ張ってもらっている感じがありますが、3人は山中さんにとってどんな存在ですか?
お兄ちゃんってわけでもないんですよね。3人とも、つねに同じ場所にいてくれている気がするんです。でも、やっぱり存在としては、お兄ちゃんなんですよ(笑)。うまく説明できないんですが、尊敬している先輩が留年して、同じクラスにいる感じで…。
――あはは。分かりやすい気がします。一緒にいてくれているんですよね。
はい(笑)。もちろん芸能界でのお仕事歴も違いますし経験値も高いので尊敬していますが、いつも同じ目線でいてくれて、一緒に戦おうとしてくれるんです。僕たちはその背中を見て、精一杯ついて行くだけでここまで来ることができた感覚なんです。ただ、これからは5人が横1列になってグループ全体を引っ張っていかないと、と感じているので、どんどん追いついて、なんなら追い抜かしていかなくちゃいけないなと思っています。
――追い抜きたいと思わせてくれる存在は素敵ですよね。
はい! いつまでもみんなで走り続けていきたいなと思っています。
山中柔太朗●2001年12月23日生まれ、栃木県出身。趣味は衣装製作、動画鑑賞。特技はサッカー、コーディネート。BATTLEBOYS 1st 全国選抜を経て2018年8月に加入。M!LKでの担当カラーは「クリスタルホワイト」。ファッションについて人一倍関心があり、M!LKの衣装制作にも携わっている。
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