お笑い芸人たちのルームシェアという“青春” / 平井まさあき(男性ブランコ)×仁木恭平(ケビンス)【TV Bros.2023年10月号】

若手時代に家賃の出費を抑えるため、芸人同士で同居するのは今やおなじみの光景。最近ではルームシェアする芸人たちがYouTubeなどで同居生活を発信するのがトレンドになっているが、なかでも渋谷区のマンション「カサグランデ」で暮らしていた芸人たちが今、賞レースで輝かしい成績を収めるなど目覚ましい活躍ぶりを見せている。そんな「カサグランデ」出身の男性ブランコ·平井とケビンス·仁木に、共に暮らした“青春”とも言える日々について語ってもらった。

取材· 文/釣木文恵 撮影/向後真孝


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ドラマ『きのう何食べた?season2』特集を中心に、今号では「同居のカタチ」をテーマにした様々な企画を展開。寮、同棲、同居、ルームシェア、高齢者向け住居事情といった現代の二人以上の暮らしに迫ります!
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コロナ禍にシェアハウスから
173時間ぶっ続けの生配信

──まずは、お2人の「カサグランデ」入居の経緯を教えてください。

仁木 僕は2018年に、ひわちゃん(ママタルト・檜原洋平)から「明日から一緒に住まん?」と優しく誘ってもらって入居しました。
平井 僕はもともと笑い飯の哲夫さんの家に住まわせてもらっていたんですけど、哲夫さんに申し訳ないのでいい加減出ようと思っていた2019年に、ZAZYに声をかけられて。立地がいいのに「家賃2万でいいの!?」と飛びつきました。
仁木 当時は、家賃22万円のうち10万を出してくれていた(テレビディレクターの)寒川(拓郎)が出て行って、ZAZY、ひわちゃん、僕の3人で22万を割っていたので、かなりキツい状況だったんですよ。だから、同居人を詰め込めるだけ詰め込もうと。
平井 同時期にラドリック(サンシャイン・坂田光)が入って、DEAK(仁木)とひわちゃんが一緒の部屋になったんよな。
仁木 僕は正直、1人部屋の頃はまだちょっと距離があったんですけど、ひわちゃんと同部屋になってから、みんなともだんだん仲良くなっていきました。
平井 DEAK、最初は敬語でしたからね。タメ口になった時は嬉しかったですよ。

──平井さんの家賃2万円は破格ですが、部屋ではなくリビングに住んでいたとか。

平井 リビングの奥を仕切った2畳くらいのスペースでしたね。僕はそれで全然大丈夫でした。ただ、173時間配信(※コロナ禍で劇場が閉まった2020年3月に、「カサグランデ」で行われた1週間ぶっ続けの生配信)はだいぶキツかったですね。カメラがずっとこっちを向いてたから。
仁木 あれは地獄だったよなぁ。
平井 マンションの管理人さんがすごく優しくて、173時間配信の時も「頑張ってるね、配信見てるよ」と声をかけてくれたんですけど、いやいや、住所を公開されてますよっていう(笑)。
仁木 僕ら、平気で住所を公開してたんで。夜中もずっと配信して、芸人が次から次へとやってくるのに、管理人さんは本当に優しかった。今でもたまにライブに来てくれますよ。

──カサグランデでの生配信は、芸人としての活動に影響しましたか?

仁木 生配信自体は2018年からやっていたけど、あの頃はまだお互いにちょっと距離があって、“芸人同士”って感じだったな。
平井 そうなんや。僕は173時間配信で素の部分とか、人となりがどこかしら出てしまって、隠せなくなったなとは思いますね。
仁木 確かに、芸人スイッチが入り切らない状態をファンの人に知ってもらえたのは、案外よかったのかもしれない。


カサグランデがきっかけで
誕生したコンビ・ケビンス

──芸人同士のルームシェアのいい点は?

仁木 お笑いのことを考える時間は、1人でいるよりは多いと思います。とくにうちは、ZAZYが話しかけてくるんで。
平井 何の用もないのにリビングにすっと出てきて、キョロキョロしてる。野生の鹿みたいに。
仁木 で、『進撃の巨人』みたいにこっちを覗いてきてな。

――お仕事のことについて、お互いに話したりもしましたか?

仁木 相談はよくしました。特に男性ブランコに関しては、ZAZYがいろいろ言ってたよね。
平井 「賞レースは全然勝てないから諦めて、自信のある単独ライブだけでお客さんを増やそうとしたけど増えない」と話したら、ZAZYが「そら来るわけない、男性ブランコなんて誰も知らんもん」とか言ってくるんですよ。
仁木 「なんやそれ! 今に見とけよ」と平井が言ったら「見いひんよ」って(笑)。
平井 そんなに言うならせめて見てくれよ(笑)。

──その平井さんは、カサグランデを離れた翌年(2021年)に『キングオブコント』の決勝に行かれましたね。

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