「いきなり本読み!」でいったい何が起こるのか?【岩井秀人 連載 2020年8月号】

岩井秀人がワークショップ参加者や劇団員に「ひどい目に遭った体験を教えてほしい」と取材して聞いたエピソードを、体験者自らが脚本化し、自ら演じる「ワレワレのモロモロ」という企画がある。この連載は、岩井がライフワークとしているその企画の番外編として、岩井が経験または収集したエピソードを、岩井のフィルターを通して文章化したもの……ですが、今回は先日行われた「いきなり本読み!」についてのモロモロをお届けします。

「集められた俳優がそれまで読んだこともない台本を、お客さんの前で読み合わせする」企画、「いきなり本読み!」の第3回が終了した。

本多劇場さんが万全のコロナ対策をしてくれて、「客席3つにお客さん1人」という超贅沢仕様によって、お客さんも我々も安心して本読みに集中できた。今年の2月に初回を終え、3月に第2回、その後皆さんご存知のコロナ期に入ったことで、4、5月に予定していた劇団の公演が跡形もなく吹っ飛び、劇団と我が社「WARE(われ)」はまあまあ意気消沈気味だったのだが、実はその水面下で、男岩井は泥水をすすりながらほくそ笑んでいたのだ。

「この感じ……ザ・チャンス!」と。

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