愛猫5匹をうまく撮るために昨秋、ミラーレスデジタルカメラを購入したミキ・亜生によるカメラ連載。第7回は写真1枚に色味で表現を加えるホワイトバランスと色温度について学びました。
編集/藤本あき
取材・文/高本亜紀
撮影・撮影指導/大槻志穂
モデル/Tくん
連載「感度ゼロからのスタート」過去記事はこちらから
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さまざまな光に合わせて色味で雰囲気を足す
亜生 今日もよろしくお願いします!
大槻 お願いします。連載のスタートから50mmのレンズを使って寄って撮ること、ボケ感を出せるF値、グリッド機能を使った画角の作り方、光量を調整する露出、動く被写体の見せ方を決められるシャッタースピードという順に、カメラで撮影するための基礎を学んできました。
亜生 露出では、光量を低く設定したほうが好きなんやなっていう自分なりの気づきがありましたね。
大槻 そうでしたね。で、今日は基礎の最後として「ホワイトバランス」と「色温度」を学んでもらおうと思います。
亜生 うわあ、出たっ! ホワイトバランスってマジでわからへん。今まで気にしたこともなかったですし。
大槻 わかりやすく言うなら……記者会見が始まる前、スタッフさんが白い紙を持って舞台に立っていることってありますよね?
亜生 あります、あります。
大槻 あれは会場の後ろに並んでいるムービーのカメラマンさんが、会場の明かりに合わせてホワイトバランスを調整しているんです。今、亜生さんのカメラでの設定は「AWB(オートホワイトバランス)」になっていると思うんですけど。
例えば、人の目で亜生さんを見ようとした時。人間の目は勝手に色補正してくれるので、蛍光灯の下であろうが日光の下であろうが同じ見え方をするんですよ。そんなふうに、カメラが色味を自動で補正してくれるのが「AWB」という設定なんです。
で、ホワイトバランスと一緒に必ず出てくるのが「色温度」。これは、ケルビン(略称でK)という光の色を数値化した単位を使って表されています。カメラの設定を見てもらうと、メニューから入ったところにホワイトバランスという項目はないですか?
亜生 どこやろ?(と、カメラを一生懸命いじりながら)あ、あった! 今はオートで「雰囲気優先」になっていて、ほかには「太陽光」とか「日陰」とか設定できるようになってますね。
大槻 モードでも設定できますが、マニュアルで撮る場合は数値での設定も可能です。肉眼で見た色味に近い太陽光下で撮った時の色味をオリジナルとして、撮った写真が黄色く見える時は反対色の青みを足して、青く見える時は黄みを足すと、オリジナルの色味に近づくということなんです。
表を見てください。太陽光を5200~5500Kとすると、蛍光灯が4000K、白熱電球が3000Kくらい。Kの数値が低いということは黄みと赤みが強い光なので、蛍光灯、白熱電球の設定では青みがかったフィルターが足されます。
逆に、曇りの日や日陰は6000~7000Kです。Kの数値が高いということは青みの強い光になるので、曇り、日陰設定では黄みがかったフィルターがかかるというわけです。
▼日陰モードで撮影(7000K で撮影したものは、黄色いフィルターがかかったように)
▼太陽光モードで撮影(5200K で撮影したものは、目に見えている色味と同じくらいに)
▼電球モードで撮影(3200K で撮影したものは、青いフィルターがかかったように)
亜生 要するにプラマイゼロにしましょうってことか! けど、数値で覚えるとなるとややこしいですね。
大槻 試しに今いるこの会議室内で撮ってみましょうか。今日は亜生さんの友達の息子のTくんにモデルのお手伝いをしてもらうのですが、「太陽光モード」で今撮ってみたらどう写りますか?
▼撮影:亜生
亜生 あはは! 変顔やん!(カメラを構えてTくんを撮る)……たしかに黄緑っぽい色味になりますね。
大槻 では、今度は「蛍光灯モード」で撮ってみてください。
亜生 4200Kってことですよね?(カメラを再び構えて撮って確認)うわっ、すごい! 目で見てる色味になった!……ただ、好き嫌いはありますよね?
大槻 そうですね。屋内で蛍光灯感を出したかったら太陽光の設定のままでも構いません。そうやって、色温度は自分でコントロールできるということです。今朝、撮影で使用させてもらう公園で撮ってきたんですけど、色温度を変えるだけでこんなに見え方は変わってくるんですよ。
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