連載、再スタートです!
「コラムを書いてみませんか?」
編集部からお話を頂いたのは、今から2年前。’16年に騎手免許を取得し、JRAのジョッキーとしてデビューしてから2年が経ったころでした。
「私でいいんですか?」
「藤田騎手がいいんです!」
「何を書けばいいんでしょう?」
「なんでも、好きなことを書いてください!!」
「いや…でも…」
尻込みする私の背中をそっと押してくれた(中には思いっきり、どんと押してくれた方もいましたが)師匠の根本康広先生をはじめとする関係者のみなさん、先輩、毎月読んでくださった読者の方々、応援し続けてくれるファンのみなさんには感謝しかありません。
悩んだ挙句、最初に書いたのは自己紹介。書き出しは――。
「はじめまして。日本中央競馬会…というより、JRAと言ったほうが馴染みがあるし、親しみやすいですよね。そのJRAで騎手をしている藤田菜七子です…」という文章でした。
今さらですが(笑)。なんか、恥ずかしいですね。
改めて振り返るってみると、この連載中にもいろんなことがありました。
JRA女性最多勝記録の更新。GⅠ初騎乗。招待していただいたスウェーデンでの『ウィメンジョッキーズワールドカップ』優勝。イギリス・アスコット競馬場で開催された『シャーガーカップ』への参戦。はじめての重賞勝利。目標にしていたフェアプレー賞の獲得。JRA100勝達成。そして、はじめての落馬骨折…。
競馬以外でも、千葉ロッテZOZOマリンスタジアムでの始球式や、『徹子の部屋』『さんまのまんま』への出演など、両手に抱えきれないほどたくさんの経験をさせていただきました。そのすべてのシーンを鮮明に覚えています。
どれかひとつを選んで、と言われても、ひとつに絞ることが難しいくらい、どの経験も私にとってはとても大切で、未来につながる糧だと思っています。勝利も、怪我も、なにひとつ無駄なことはありません。
デビューしてから5年目を迎えますが、今年も変わらずに次の1勝を目標に、1鞍1鞍を精一杯乗らせていただきたいなと思っています。
紙のTV Bros.は、前回で終わり。寂しいようなほっとしたような気持ちでいるところへ、また、編集部から連絡をいただきました。
「紙から電子に移行しますが、引き続き、連載をお願いします!」
「えっ!? 私…ですか?」
「藤田菜七子騎手にお願いしたいんです!!」
いつか見た光景。デジャヴです。
普段は、競馬のことや、馬の話、次のレースの話がほとんどで。ひとつひとつ言葉を選んで、慎重に話をすることが多いのですが、このコラムは、枠にはまることなく、自由に、そのときどきに感じたことを、自分の言葉で綴って来れたような気がしています。
「本当に、私でいいんですか?」
「ぜひ! よろしくお願いします!!」
というワケで、Web版TV Bros.の新連載、気持ちを新たに、ここからスタートです!
©鈴木 愛子
<プロフィール>
ふじた・ななこ●’97年茨城県生まれ。競馬騎手。4月25日にJRA所属女性騎手として初めてJRA通算100勝を達成。『みどりのマキバオー』の作者つの丸先生描き下ろしの藤田菜七子キャラクターを用いたグッズ(トートバッグ・フェイスタオル・ステッカーの3アイテム)と、馬券入れサコッシュ、オリジナルロゴステッカーが、開催中の競馬場「ターフィーショップ」にて絶賛発売中! ファーストドキュメントBlu-ray『騎手 藤田菜七子』がポニーキャニオンから発売中!
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