【短期集中連載/月1回更新予定】
3人組YouTuber「Kevin’s English Room」の一員であり、magora(マゴラ)として音楽活動もするやまが、日々思うことを軽やかに綴ります。
第6回は、やまのL.A.滞在記ラストのその4。L.A.で出会ったおもろい人たちシリーズのラストを飾るのは、「マッスルビーチのぼったくりマッチョ店員」。やまと彼との軽妙なやりとりをお楽しみください。
撮影/Kazuyuki Sanada 撮影協力/Amazon Studio Tokyo
目次
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プロフィール
やま
YouTuber、ミュージシャン。東京都生まれ。幼い頃より多言語環境で育ち、日仏英の3カ国語を話す。高校時代にフランスへの留学経験があり、大学では第二言語学習/教育を専攻。卒業後は訪日誘客事業に携わる。現在は大学時代の友人2人とともにYouTubeチャンネル「Kevin’s English Room」(※2024年12月現在、登録者数242万人)で活躍中。また、magora(マゴラ)として音楽活動もしている(※magoraの1stライブレポートはこちらをチェック!) 。11月6日にmagora 1stアルバム『kotohogi』発売。初のツアー「magora 1st Live Tour “kotohogi”」が11月17日に京都、11月23日に東京にて開催(※ライブレポは下記リンクより)。2025年4月にはbillboard LIVEでのツアーが決定!
▼「magora 1st Live Tour “kotohogi”」ライブレポートはこちら!
▼magora billboard Live tour 2025 “yurameki”の詳細は、やまInstagram(magorayama)のこちらから
#6 L.A.から帰ってきて思うこと・その4(滞在記ラスト)
だいぶん間が空いてしまいました。年内にこのシリーズを終わらせないと気になって年も越せないですよね。……え? そんなことない? まぁそう言わず、旅のラストを飾る彼の話をさせてください。
L.A.旅行記もいよいよ終わりが近づいてまいりました。
正直書こうと思えばもっともっと書きたいことはあるのですが、それだとL.A.エッセイ集になってしまうので、そろそろ話題を変えようと思います。
そうは言っても、やはり見知らぬ土地の見たことのない景色というのはとても刺激的で新鮮で、吸ったことのない空気で胸が膨らんでしまいますね。
長く暮らしている一つの場所はとても大切に思っているけれど、見知らぬ土地へ移動してズンズンと道を歩いていると、なんだかもっと昔の、記憶にない太古の動物的な興奮が蘇ってくるような、そんな気がします。
さて、L.A.で出会ったおもろい人シリーズ最終回。
最終回は「マッスルビーチのぼったくりマッチョ店員」です。
***
かの「マッスルビーチ」でしたこととは
時は2024年1月、真冬のアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス。もちろん「真冬」と言ってもここは常夏のL.A.、日本でいう初夏の陽気である。
陽気なhip-hopと燦々と照りつける太陽。青い海にどこまでも広がる空。ローラースケートや電動自転車でスイスイ移動するタンクトップにショートバンツの人々、道沿いにはヤシの木が並んでいる。
そんなアメリカ西海岸のこの街には誰もがその名を知る有名なスポットがいくつもある。
ハリウッド、グリフィス天文台、クリプトアリーナ(ステイプルズ・センターの方が馴染みがあるかな)、ビバリーヒルズ、ゲッティセンター…。
そうそうたる名前が並ぶが、忘れてはいけない僕の今回の延泊旅の一番の目的。それが今回の舞台であるヴェニスビーチ、通称「マッスルビーチ」である。
さて皆さんは「マッチョ」と聞いて誰を思い浮かべるだろうか?
なかやまきんに君? 横川くん? それともアダマ・トラオレ?
うん、もちろん彼らもとんでもないマッチョだ。本当に素晴らしい。
けれどもやっぱり忘れてはいけないのは、カリフォルニア州知事も務めたアーノルド・シュワルツェネッガーさん、シュワちゃんだろう。
映画『ターミネーター』シリーズなどで活躍し、俳優としてその名は日本でも広く知られているが、そもそもはボディビルダーである。
オリンピアと呼ばれる世界一のボディビルコンテストでなんと7回も優勝するという偉業を成し遂げた彼は、「史上最も偉大なマッチョ」という呼び名を欲しいままにしている。
筋トレをする人間なら誰もが憧れる男である。
そしてそんな世界一のマッチョが若き日にトレーニングを積み重ねてきたという、まさに「マッチョの聖地」、それがマッスルビーチなのだ!!!
僕もトレーニー(筋トレをする人のことを界隈ではこう呼ぶ)の端くれの端っことして、せっかくL.A.に来たからには、ここへ行かないわけにはどうしてもいかなかったのだ。
とてもややこしいのだが、実は「マッスルビーチ」はここL.A.に2箇所ある。
1つがL.A.の北側、サンタモニカの程近くにある「オリジナルマッスルビーチ」。こちらはだだっ広い浜辺にただ鉄棒や吊り輪などの器具が置いてある、完全なるオープンエアー。誰でもふらっと立ち寄れるので、子ども連れの姿もあれば、おじいさんがいたりもするし、ホームレスの人がいたりもする。
もう1つが「マッスルビーチ・ヴェニス」。
こちらはより南側に位置し、近代的ないわゆる「ジム」においてあるようなマシンを備えた屋外ジムがある。それに加えて、こちらは複合スポーツ施設のような様相で、バスケットボールのコートがあったり、テニスコートがあったり、スケボーフィールドがあったりと、たくさんの人が筋トレに限らず運動をして汗を流していた。
陽気な店員と運命の出会い
そしてこのヴェニスビーチ沿いにはたくさんのお土産屋さんも並んでいる。
L.A.と書いてあるマグカップやTシャツが並ぶ、いわゆる観光地にあるようなザ・お土産やさんが立ち並ぶ中、僕の目当ては「マッスルビーチ」と刻印されたTシャツとタンクトップである。
本来であればヴェニスビーチのジムでひとしきりトレーニングをしてからお土産屋さんに行きたいところだが、さすがは聖地、とんでもないマッチョたちがひしめき合っており、その迫力たるや。
何せ観光客も多いので、みんな「見(魅)せること」を意識したプロのマッチョたちばかりなのだ。
僕くらいのマッチョレベルではとても入場することすら躊躇うようなステージであった。5秒ほど悩んだ挙句、ま、また来年……と強くなって帰ってくることを誓い、近くの砂浜で腕立て伏せを50回ほどやって、一応ミッションクリアということに。
な、情けない……。
しっかりと(?)マッスルビーチで筋トレをしたのち、向かうはお土産屋さんである。
僕は立ち並ぶ雑多なお土産屋さんの中でもひときわ大きく目立っていたTシャツショップへ入店した。
嘘だろ? と思うほどの音量でhip-hopが流れる店内(といっても道路側にはドアや壁がないのでビーチまでその音楽は轟いているのだが……)に足を踏み入れ、品定めを開始する僕。
すると漫画のような「ザ・陽気です」といったマッチョ男がビートを感じながら僕に近づいてきた。
注目の一言目は距離感おかしいぞというくらい大声での「YEEEAAH BROOOOOO!!」である。
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