注目のお笑いコンビを紹介する『OWARAI Bros.出張版 これからの芸人百景』第24回は、東京・神保町よしもと漫才劇場をホームグラウンドとして活動するナイチンゲールダンス。
NSCを主席で卒業後、主催ライブを打ちまくるなど独自の活動をしてきた新鋭の漫才師。ずっと不参加だった『M-1グランプリ』には2021年より参戦して2年連続で準々決勝進出。今年初めの『おもしろ荘2023』では2位になるなど、これからの活躍が期待される2人は思わぬモチベーションでネタ作りに取り組んでいた。
編集=竹村真奈
取材・文=高本亜紀
撮影=是永日和
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ショート漫才を作り始めた理由
――ナイチンゲールダンスさんといえば、主催ライブを多く開催している印象です。
ヤス それに尽きますね。一番多いときは年間97本。ヨシモト∞ホールでその年の2位が4本だったんで、93本差をつけての1位でした。ただただライブをしたくてやっていて。
中野なかるてぃん(以下、中野) あのときはかなりハイになってましたね。
ヤス 今は単独2本、大人数の企画ライブ1本、大喜利ライブ1本、トークライブ1本……毎月5本の主催ライブをやってます。
中野 単独は最初、月1でやってたんですけど……。
ヤス 今はショート漫才を月30本おろすライブが増えました。
――YouTubeに上げているショート漫才は人気ですが、始めた理由は?
ヤス たまに見てたTikTokとかで、素人が勝手に上げてる漫才を切り抜いてる動画がバズってたので、この尺の漫才って需要あるんじゃんと思って。
中野 昨年くらいから単独ライブの余った時間にショート漫才をやってて。それをYouTubeに上げてたんですけど、(再生回数が)伸びるわけでもなく。
ヤス けど、『おもしろ荘2023』(日本テレビ系)に出てから再生回数も伸びたし、登録者も6倍くらい増えました。単独ライブも余裕で(席が)埋まるようになりましたし。
中野 今は芸人からも「ショート漫才観てるよ」って言われることが多くなりましたね。
ヤス 僕ら2人ともネタが書けるから月1回の新ネタだけの単独とショート漫才の新ネタ30本をする単独がやれますけど、ほかのコンビだと賞レースのネタ作りに影響が出てくるんじゃないかなと。今まで主催ライブをやっていたこともあって、たくさんライブをやらせてもらえる環境があることも僕らにとってはよかったですね。
――2021年から4年くらい出てなかった『M-1グランプリ』にも参戦していますけど、出てみて改めて感じたことはありますか?
ヤス 絶対に出たほうがいいってことですね。
中野 あはは! そうですね。当時は出てない奴がいないから出ないって言ってたんですけど、やっぱり出たほうがいいなって気づきました。
ヤス 身をもって感じたね。やっぱり知名度が上がるというか。
中野 テレビに1回出るより、余裕でいろんな人に知ってもらえました。
ヤス ネタは2~3年前から全方向型というか、どこに出ても絶対にウケるネタを目指して作ってるんで、『M-1』に挑戦したからと言って作り方は変わらないですけどね。この前、NGKの本公演に初めて出させていただいたんですけど、普通にウケて。あぁ、ここでウケたら大丈夫じゃんって思いました。僕ら、プロになって初めての舞台がNGKで。NSCの首席になって、『よしもとゴールデンアワー』っていうダウンタウンさんがMCのライブに出たんですけど、北半球一スベったんですよ(笑)。1分半なんて大声出しておけばいいはずなんですけど、大声を出してもダメで。
中野 普通に恥かいたって思いましたね。誰も知り合いがいないから、まあまあってなぐさめてくれる人もいないまま、夜行バスで帰って。
ヤス 1年目なんで力がないから当たり前なのに、二度と出るか!とか言ってましたね。そんなNGKでウケたので感動しました。