城をつくった。
小さくてもなんでもいいから、それをつくってみたら、魂が守られる気がした。
多分、生きているこの社会では、私がすごく汚れていて、頭がおかしいように見られるけれど、私から見たらどうしたって逆なのだから仕方ない。
同じ誰かに届けばいいなと歌っていたら少しだけ有名になった。途端に、「おなじ誰かに」を強く思うことそのものは、差別意識だとか、権威主義だとかとごちゃまぜにされて語られた。
人に寄り添うという優しさを、倫理観を持ったまま達成できると思っている人間は甘い。
誰かを呪い殺したい気持ち、誰かに愛されなかった思い出、社会に対する絶望、それを超えた徹底的に自分に対する大絶望、そういったものは、社会を成立させるために「悪」や「犯罪」に割り振られた行為を煽動する気持ちに火をつけることを否定することができない。
それでも抱きしめる必要がある、じゃないと生きていけない人、或いはじゃないと殺してしまう人は、極めて弱くとも、極めて美しい人でもあるから、「弱者」や、例えば「女性」と一括りにされることにも違和感がある。何にも括られない、誰にも分かられなさと心中をしなければならないのが今の私の仕事だ。
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