3年ぶりに幕張メッセでリアル開催された東京ゲームショウ2022(以下、TGS2022)。家庭用ゲーム機、アプリ、PCゲームなどでの大型タイトルが発表される中、ゲームタイトル以外でも多くの人々を沸かせたブースがあった。それは「ゲーミングチェア」! コロナ禍の影響もあり、近年一気にニーズが拡大したこの分野に様々な企業が参入。まさに時代は大椅子取り時代!話題のゲームカテゴリーはFPS、オンラインRPG 、そして椅子取りゲーム!そこで、TV Bros.はTGS2022に出展されていた各社のゲーミングチェアのブースに突撃!自社商品の魅力や今後の戦略について聞きました。
取材・執筆:テレビブロス編集部
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最大のセールスポイントは看板? 「お、ねだん以上。」ニトリ!
ーーいつごろからゲーミングチェアを扱われているのですか?
元々ニトリでゲーミングチェアを扱い始めたのが2019年の秋です。2018年が、「e-Sports」という言葉が広まって市場が認知され始めたという意味で「e-Sports元年」と言われているそうなのですが、その翌年のタイミングですね。弊社は当初、ゲーミングチェアとデスクで30店舗規模のスモールスタートでした。それがコロナ禍で状況が一変。市場の広がりとチャンスを感じました。
その後、全国での展開を始めたのですが、弊社ではまだまだ認知されていないと感じていました。そこに、一昨年、昨年とオンラインでの開催だった東京ゲームショウが、今年ひさしぶりにお客さんを入れるということで、これはチャンスだと思い、出展を決めました。ニトリの一番の強みはコーディネートです。ゲーミングチェアを買って他の家具をお店やネットで買うと色がチグハグになってしまうこともありますが、ニトリなら家具一式全て揃います。
今年初めてホワイトカラーのゲーミング家具一式をリリース予定です。(2022年10月リリース予定)白は肌ツヤが綺麗に映えると言われまして、女性のストリーマー(配信者)の方にも人気です。ゲーミングチェアは青、赤など男性が好きそうな色が多いですが、ニトリならオールホワイトで家具を揃えられることが、一つの魅力になると思います。ちなみに、展示の際はLEDのテープで、ブルーを差し色で使っていますが、このLEDテープもニトリで買うことが可能です。このLEDテープは、自分でレインボーカラーに色を変えることができるのです。
ーーゲーミングスペースの上が収納(ハンガーシェルフ)になっているのも面白いですね。
日本の住環境の困りごととして部屋が狭く、収納が取りづらいケースがあると思います。その場合、ベッドや机の上の部分がデッドスペースになることが多いと思いますので、そこを有効活用するという生活提案を、ニトリのコーディネート全体でしていきたいと思っています。
ーー東京ゲームショウに出展された感想はいかがですか?
Twitterでプレゼントキャンペーンもやりましたが、30,000RTを超えてTwitterの国内トレンド一位にもなりました。最初はどうなるかと不安も大きかったのですが、結果として反響がとても良かったと感じています。またブースの看板を実際のニトリの店舗の看板にしたことも良かったと思っています。TGS2022の中にあると異質な感じが出せたのではないでしょうか。私たちのTwitterを見てくれた人は、これだ!とブースに来ていただけますし、知らない方もこの看板のおかげでニトリのブースだと気づいてくれます。
ーーゲーミングチェアとしてのアピールポイントは何かありますか?
一番のアピールポイントは素材です。東洋紡と共同開発した「ブレスレザーⓇ」という素材を使用しています。通常の合成の皮の素材は空気を通さないので、長時間座るとお尻や背中が当たる座面がムレてしまいますが、「ブレスレザーⓇ」は空気を通す素材のため通気性抜群でムレにくいゲーミングチェアになっています。また、肘掛けが上下に加え、角度も変えることができます。もちろん、机と水平に肘掛けを設定することも可能です。ヘッドクッション、ランバーサポートもついていますし、リクライニングも細かく設定できます。素材と機能を併せ持ちながら、49,900円という価格で販売させて頂いております。まさに「お、ねだん以上。」を感じていただけるのではないでしょうか!
国内最高級のゲーミングチェアを準備中! 株式会社イトーキ
ーー今回出展されているゲーミングチェアについてお教えください。
弊社は、オフィスの椅子やデスクを販売している会社です。そのため、ほとんどは企業向けの製品なのですが、私たちの部署はコンシューマ向けにWEBで直接販売する部署です。なかでも、テレワーク向けの商品やゲーミングチェアに力を入れています。
そして今回、国内最高級のゲーミングチェアを作るというコンセプトで新商品【Act-Gaming】というゲーミングチェアをTGS2022で発表いたしました。今年の12月販売予定です。価格帯は参考価格ですが、15−16万円を想定しております。通常、家庭用のチェアは家庭用基準のため1日2−4時間座るという想定の基準で設計をされておりますが、この製品はオフィス基準の耐久性で設計、生産しております。
また、背もたれがエラストマー樹脂という柔軟さのある素材でできており、体の動きにフィットする仕様となっており、快適性を向上しております。この素材は冬場の車のチェーンなどに使われる素材と同様でとても丈夫なところも特徴となっております。肘掛けについても、奥行きや角度を縦横だけでなく斜めにも調節可能で、フレキシブルに腕の位置に合わせられます。また、ヘッドサポートユニットも付いており、首や頭の疲れも軽減できます。さらに、座り心地と疲れにくさに大きく影響する背もたれロッキングは硬さもレバーひとつで簡単に変更できます。設定の好みは人それぞれ違うので、ご自身で最適なところを見つけてご使用していただければと考えております。今回、会場ではプロゲーマーの方にもかなり興味を持っていただいて、実際に座って体験いただいております。
近ごろ、ゲーミングチェアを使われる女性も増えていますが、ゲーミングチェアは大きさが大きなものが多いため、サイズを変え少し小さくし、子供や女性などに向けたコンパクトなものも作っております。また、サッカーワールドカップに合わせ、日本代表のライセンスをいただいたサッカー日本代表オフィシャルライセンスモデルのゲーミングチェア【YL9G SAMURAI BLUE】も販売中です!
ゲーム好きが満足する商品を!!! MSY株式会社 GRAPHT
GRAPHTとは、MSY株式会社がゲーマーのために展開をするブランドの総称です。今回のTGS2022では、ゲーマーのための理想のゲーミング環境をプロデュースする「BASE GRAPHT」と、気になるデバイスをレンタルできるデバイスレンタルサービス「DeviceMe」の発表をしました。今回のブースでご覧いただいたゲーミングコンテナでは、ゲーミング空間プロデュースのBASE GRAPHTのモデルルーム、デバイスレンタルサービス「DeviceMe」のレンタルイメージの2つで理想のゲーミングルームのモデルケースを展示しました。私たちMSY株式会社は、ゲーミングファニチャーの開発販売から始まり、2005年頃からRAZERを始めとして海外のゲーミングデバイスの輸入販売を開始しました。RAZERは、ゲーミングデバイスの世界トップシェアを誇る、ゲーミングライフスタイルカンパニーです。「ライフスタイル」とさせていただいてるのは、マウス、キーボード、ヘッドセットというデバイス(周辺機器)以外も、ゲーミングチェア、メガネ、アパレルなど全体をコーディネートするメーカーとして製品を開発・販売しています。今回はRAZERが展開するゲーミングチェアを展示しています。
私たちが大事にしているのは、ゲーム好きな人々が好きな商品を取り扱いたいということ。そして、トータルでコーディネートできるということです。なので今回のゲーミングコンテナでの展示も、ブラックで統一した世界観にはブラックを、ホワイトのデスクにはホワイトに合うグレーのチェアを合わせています。
様々なサプライヤーやメーカー様からの商品を取り扱っていますが、ゲーム好きのためのゲーミングライフを豊かにする商品を扱うという点が私たちの大事にしている部分なので、その部分で統一感が出ているのかもしれません。
ゲーミングチェアを世界で初めて製品化したブランド DXRacer!!!
ーーゲーミングチェアを作ろうと思ったきっかけは何ですか?
「DXRacer」のブランドとしては2006年から始まっているのですが、元々はサーキットで走るスポーツカー向けのレーシングシートを作っているメーカーでした。当時アメリカでは「e-Sports」の熱が高まってきており、そのプレイヤーたちもレーサー達のように、長時間高い集中力を保つことが必要とすることがわかってきたので、彼ら向けの製品を一度作ってみようと思ったことがきっかけです。それが10年以上遅れて、日本でも火がついてきたと感じています。TGSも2012年から出展しています。コロナ禍の影響もあり、いろんなブランドの方々が出てきて競争も激しいですから、細部へのこだわりと、安心安全にご使用いただくための製品開発力で差別化を図っております。私たちの扱う「DXRacer」はゲーミングチェアファーストブランドとして10年以上、第一線で活躍する「e-Sports」プレーヤー、本格的なe-Sports施設、何よりも多くのユーザーやゲームコミュニティーの皆さまに使い続けて頂いているベースがありますので、それはDXRacerにとって大切な財産と言えます。
今回TGS2022で発表したのは「FORMULA」シリーズのDXZ V2のリニューアル。このシリーズは形自体は昔から変わらず、多くの「e-Sports」の選手たちに使っていただいており、デザインは大きくは変わりませんが、冷感ジェル入りメモリーフォームをヘッドレストに採用するなど細部をアップグレードしております。
ワンタッチで組み立て可能な、マグネット式カバーを採用していることも特徴です。当社製品はゲーミングチェアとしては初となるフルエアメッシュ製ゲーミングチェアを開発するなど新しい機能、素材を使用し常に進化しております。とはいえ、ゲーミングチェアもやはり基本は座るための椅子ですので、他のゲーミングチェアは180°倒れるものもありますが、私たちの製品は135度まで、さらにバネに指が挟まらない設計、低めの耐荷重設定など安全性を第一に考えた製品開発を心がけております。また、座面の下に強化ゴム製のウェービングベルトが入っています。
安価なゲーミングチェアの中には座面に木の板を設置し、その上にクッションが置いてあるものもありますが、それだと座った時にクッションの下には木の板にすぐつきあたる。これがウェービングベルトが入っているゲーミングチェアだとクッションがより深く効き、柔軟で弾力ある座面になる。こういった見えない部分の機能性、材質が価格に反映されるのです。
ーーラインナップは増え続けているんですか?
今回リニューアルし、ほぼ全て新製品になっています。為替の影響もあり新製品、新価格にしています。今回の商品で言うと、クラフトシリーズは、少し大きいサイズでフラットな座面です。背もたれが低いので、女性の方もゆったり座れます。コンピューター制御による縫製の精度が非常に上がってきているので、メーカーとしては、「刺繍でのデザインはここまでできる!」という部分を見て欲しいです。繊細なエンボス感まで再現できるようになりました。
また、マスターシリーズは、マイクロファイバーレザーを使っているので本革のような肌触りが特徴です。座面シート素材をワンタッチで変更できる構造も大変ユニークでありユーザーの声を反映しております。
他のメーカーさんも、いいものを作られていると思います。ただ、私たちのゲーミングチェアは細部にかなりこだわって作っているので、そこを見てほしいですね。当社はオンラインを中心に販売しておりますが、オンラインでの販売の場合、伝わりづらい部分もありますので、実際体験頂ける自社ショールームの開設や、家電量販店さんや家具専門店様への販路拡大も視野に入れております。ご興味のある企業様、お声がけください(笑)!
各社の自社の強みを活かした製品へのこだわりが面白い!いよいよ市場が立ち上がってきたという期待感もひしひし感じます。ゲーミングチェアはただの椅子ではなく、ゲームプレイヤー、YouTuberなどの配信者にとっては自分の個性や好きなものごとを表現する重要な要素ですし、座り仕事の皆様にとっても、疲れを癒し、集中力を高めてくれる強い味方となる存在です。この機会にあなたにぴったりの一脚を探してみてはいかがでしょうか!
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