沖野綾亜「自分の身を切って今の自分をさらけ出しながら成長していけたら」『沖野綾亜のチルドキ!!』【2022年2月号ラジオ特集】

去る1月22日、沖縄の琉球放送、RBCiラジオの番組『沖野綾亜のチルドキ!!』のオンラインイベントが開催され、大勢の参加者で盛り上がりました。ゲストは同局の番組『ラジオBar南国の夜』に出演する、個性派の與古田忠さん。お互いの番組でよく話題にしていたこともあり、両方の番組のリスナーをはじめ、RBCiラジオのファンで大いに賑わいました。番組同士のコラボが実現することも、リスナーの楽しみのひとつです。

今回は、『沖野綾亜のチルドキ!!』でパーソナリティーを務める沖野綾亜アナウンサーにインタビュー。ラジオへの愛、中継で出演する『THE TIME,』での奮闘、今後のアナウンサーとしての展望などについてうかがいました。

取材・文/やきそばかおる


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<プロフィール>
沖野綾亜(おきの・あや)●1996年広島県生まれ。琉球放送アナウンサー。ラジオでは『沖野綾亜のチルドキ!!』のほかに『沖野綾亜のモーニングブレイク』(毎週月~木曜 午前5・00~5・15)、『歌のない歌謡曲』(毎週月~水曜 午前6・45~7・00)に出演。テレビでは『Aランチ』(毎週土曜 午前11・58〜午後0・58)などに出演。

『沖野綾亜のチルドキ!!』
沖縄・RBCiラジオ 毎週日曜 午前10・00~11・25 午後0・00~2・00
出演 沖野綾亜(RBCアナウンサー)
日曜にチル(くつろぐ、のんびりする)な時間をトークと音楽で届ける。『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)の「全日本ラジオ新番組選手権 2021」で2位に輝いた。

 

信頼関係が成したオンラインイベント

――私もオンタイムで拝聴していました。VTRで出演した稲森彩アナウンサーを含めて出演者とスタッフの信頼関係の良さが出てましたね。お互いにいじってはいるものの、結果的にそれぞれの魅力が引き出されているのを感じました。

與古田さんと稲森さんと私、さらにスタッフとの強固な信頼関係があったのは大きいです。構成はあるものの、台本はないので話すことは完全にアドリブでした。本編が終わったあとのアフタートークもアドリブだったのですが、與古田さんだったら絶対に変な方向にいかないと思っていたので、その場の化学反応を楽しみました。稲森さんは『チルドキ!!』の放送中によくニュースを読んでいて、そのあとにやりとりをしてリスナーの皆さんに楽しんでいただいていたのと、『南国の夜』では與古田さんがよく話題にしていたから、イベントの時点で3者の関係性がしっかりと出来上がっていました。

――沖野さんから見て、與古田さんの印象は?

自分に責任を持っていて、仕事に対しても本気で取り組む素敵な人です。オンラインイベントの予告動画も撮影や編集は與古田さんが作りました。本来はやらなくてもいいようなことでも、スタッフの誠意にこたえるように全力で取り組んでくださいます。放送を聴いていると、ただのひねくれたおじさんに思えるかもしれませんが、曲がったことが嫌いでまっすぐな心の持ち主です。そこに魅了される人は多いと思います。

――RBCiラジオはさまざまな番組でオンラインイベントを開催していますが、周りの人からのアドバイスはありましたか?

全くありません(笑)。弊社は良くも悪くも自由です。全て出演者とスタッフで内容を考えるため手探りでやっています。ただ、リスナーの皆さんに楽しんでいただけるかどうか、不安はあるんですよ。オンラインイベントが終わったあと、SNSやメールを見て楽しんでいただけたことが分かり、皆さんが身内のような存在になっていることを感じます。

――反響と言えば、グッズの反響も大きかったですね。

想定を遥かに越えてたくさんの方にグッズを購入していただきました。本当にありがとうございます。『チルドキ!!』はスタートして1年も経っていない番組ですが、とても恵まれています。

自分をリスナーにさらけ出すように

『チルドキ!!』は沖野さんが入社3年目の春に始まりました。沖縄の情報はもちろん、リスナーから届く個性の強いメッセージ、さらには沖野さんのあけすけで楽しいトークが人気です。生放送中のスタジオの様子はYouTubeで配信されています。

――今や全国各地からメッセージが届きますね。

なぜこんなにたくさんの方が『チルドキ!!』を聴いてくださっているのか、私にも分かりません(笑)。リスナーの皆さんが拡散してくださったり、『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)の「全日本ラジオ新番組選手権 2021」で2位に輝いたりと、さまざまなラッキーが重なって広まっています。冷静に考えると、沖縄にやってきて間もないアナウンサーの話に耳を傾けてくださることが不思議です。本当にありがたいです。

――沖野さんはリスナーとの距離感が秀でていて、仲の良い人の楽しい話を聞いている気持ちになります。それでいて、真面目な話の時はきちんとしているから3時間半の番組のなかにメリハリがありますね。

入社するまではラジオ番組を聴く習慣がなかったから、入社してからラジオのノウハウや楽しさを知りました。弊社の上司の狩俣倫太郎アナウンサーや嘉大雅アナウンサーをはじめ、さまざまなタイプの人が自分の色を出しながらマイクの前に座っています。そんななかで、私は心の壁が厚いので普通にしていると当たり障りのない話をしてしまうのではないかという不安がありました。経験も浅いし、これまでに何か凄いことを成し遂げた訳でもないこともあって、リスナーの皆さんが「未完成だけど、この子を見守らなきゃ」と娘の成長を見守るかのように優しく接してくださっています。私には足りないところがたくさんあるし、喋りの技術がある人はこの業界にたくさんいらっしゃるから、中途半端に真似をしたところでバレてしまいます。今の自分をさらけ出しながら成長していけたらと思っています。

――選曲も沖野さんが担当していますよね。明るいトークのあとで穏やかな曲をかけることが多いので、緩急がついて良いですね。

「せめて曲ぐらいは爽やかにしよう」と思っています(笑)。意識しているのはさまざまなジャンルの曲をかけること。あとは、単に流行している曲というよりは昔の隠れた名曲だったり、広くは知られていないものの聴いていて心に引っかかる曲、聴いていて検索したくなるような曲を中心にしています。

――『チルドキ!!』のリスナー層の変化はありますか? 放送が始まった頃は男性からの変態チックなメールが多くて戸惑っていたこともありましたが…。

番組開始当初はおじさま層からしかメッセージが届いていませんでした(笑)。文面が面白いからありがたいんですけど、もっといろいろな人に聴いてほしいと思って女性リスナーを「女神リスナー」と崇め奉っていたら、本当に女性からのメールが増えました。女性のリスナーは今も増え続けていて、初めて送ってくれる人は女性のほうが多いです。この現象も面白いと思いました。最近は中学生からも届きます。おじさまリスナーのように濃厚なオチがあるわけではないけど、中学生だからこそ思ったことを純粋に書いたメールは読んでいて面白いです。

面白がってくれる人の存在の重要さ

沖野さんは入社2年目の時にワイド番組『MUSIC SHOWER Plus+』(RBC 毎週月曜〜金曜 午前10・00〜午後1・50)のコーナー「オキノキナワ」に出演していました。広島出身の沖野さんが沖縄について楽しく勉強していくという内容でした。回を重ねる毎に沖野さんの人となりがリスナーに浸透していきました。

――RBCはさまざまな番組で他のアナウンサーやパーソナリティーの話題をすることが多いですよね。「オキノキナワ」の時も嘉アナウンサーや、くだかまりさんが沖野さんの魅力を毎回引き出していて、リスナーの皆さんの間にどんどん浸透していきました。その流れがとても素敵だなと。嘉さんは沖野さんの特徴をSNSでも紹介していましたし。

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