2021年、どんな音楽を聴きましたか? 音楽ライターの皆様に、昨年よく聴いた楽曲と、今年注目している楽曲やアーティストについて執筆いただきました。あなたの生活に寄り添い、心に機微や彩りを与えてくれる音楽との出会いが今年も訪れますように。全5回の連続企画でお届け!
文/宮崎敬太
KM「Filter (feat. JJJ & Campanella)」
2021年を振り返った時、個人的に一番大事な1曲はプロデューサー/DJとして活躍するKMの「Filter」です。
実を言うと2021年の前半は「もう音楽ライター無理かも」と途方に暮れていました。というのも、2020年くらいから現行の音楽がどれもこれもしっくりこない。好きな曲は点在するけど、それらが自分の中で線になっていかない。10〜20代の頃、「結局は70年代の音楽が一番すごい。い
「Filter」はそんな自分にぶっ刺さりました。メロディが美しく繊細で、ビートのレイヤーも複雑。いろんな音楽が1曲の中にクロスオーバーしてる。なのに小難しくない。21年のサウンドだけど、同時に僕が影響を受けた90年代後半〜00年代前半のUKのダンスミュージックのフレイバーを感じる。「ああ、こんな曲が出るなら、俺もまだいけるかも」と思いました。
決定打になったのは、この「Filter」の実演を見たことです。CampanellaとJJJが複雑なビートの上で見事な掛け合いをする。ビートは爆音。もう最高でした。そしてこう思いました。「ああ、俺、ラップ大好きだ」と。それまであれこれ考えてたのがバカバカしく思えるほどシンプルな感情でした。2人はサビでこう歌います。「世界は壮大らしい」と。そう。知らない世界があるなら、怖がらずにまず受け入れる。わからなかったら勉強する。そういうことじゃん。KM、Campanella、JJJという3人の「Filt
乃木坂46「君に叱られた」
僕には30年来の親友がいます。中学時代のBUCK-TICKにはじまり、NIRVANA、Radiohead、Massive Attackを一緒に通過し、成人以降はそれぞれ音楽体験を深めました。僕らはともに鬱病で好不調の波があるので、10数年前から不
それでもLINEではいつものように音楽や映画、ドラマ、マ
そもそも僕自身が完全に守備範囲外でした。だけど無視できな
それまで僕らの話題は小難しい音楽や文学、政治でした。でも今は「かっきーかわいい」「かりんちゃん尊い」「あすかちゃん光ってる」「ほのすのギャップにくらう」「まあや最高」「菅井えらい」です。親友のLINEからこれまでにないエネルギーを感じました。
僕はずっとK-POPが好きでしたが、アイドル性よりも音楽性に注目していました。だからK-POP友達の言うことを理解できないことが多かっ
実際、僕は最初、乃木坂のセンタークラスにしか興味がなかった。でも「乃木中」「そこサク」を見てると最初は目立たないと思
IVE「Take It」
その流れで去年後半から男女問わずたくさんのK-POPアイドルを新たに好きになりました。ITZY、A-TEEZ、ENHYPEN……。まだまだ勉強中なんですが。そんな中でも特別好きになったのは12月にデビューしたばかりのIVEです。かっこいい。かわいい。曲がいい。IZ*ONEはまったく通ってないけど大好きです。活動曲の「ELEVEN」も超かっこよかったけど、個人的には「Take It」が好き。たぶん坂道を好きになってなかったら「“K-POPの音楽”が好き」という余計なプライドが邪魔して素直に好きになれなかったと思う。2021年はいろんな意味で自分にとってのK-POP再発見と言える1年でした。IZ*ONEといえば宮脇咲良さんの今後も気になりますよね〜。ちなみにNCTは変わらず大好きですよ。鉄板すぎるので今回はあえて挙げませんでした。
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