「これからも未来しか見ねえ!」ついにメジャーデビューを迎えたフィロソフィーのダンスインタビュー【連載 フィロソフィーのダンス偏愛記】番外編(2020年10月)

取材&文/南波一海 撮影/横山マサト

 

9月23日に『ドント・ストップ・ザ・ダンス』でメジャーデビューを果たしたフィロソフィーのダンス。今回は連載「フィロソフィーのダンス 偏愛記」の特別版として、やっと掴んだデビューへの思いや、現在の素直な気持ちをメンバー全員に語っていただきました。

――昨年12月の新木場STUDIO COASTのワンマンでメジャーデビュー発表がありましたが、デビューに至るまでは予想以上に時間がかかったと思うんです。もともとはこの日にデビューというのは決まっていたんですか?

奥津マリリ 具体的には決まってないです。でも、とりあえずメジャーが決まったから言ってみよう、言うならこの日しかないだろうってことで発表して。

――途中から「このままだと2020年が終わってしまうぞ」みたいに思ったりもしました?

日向ハル 一瞬だけ(笑)。このまま、なかったことになるかなと思いました。

佐藤まりあ 1年くらいは待たせちゃうんじゃないかなっていうのは心のなかでちょっと覚悟してました。

十束おとは ご時世的にしゃあなしな部分もあったので。

奥津 曲を選ぶのにこだわっていたというのもあると思います。どの曲でいこうというのは、年明けからずっと悩みに悩んでいたので。そこから更に選んで選んで選んで、このシングルになったという感じです。

――自粛期間は自宅でオンラインレッスンを受けていたんですよね。それ以外の時間はどんなことをしていましたか? 否が応でも考える時間は増えたと思うんです。職業についてとか。

日向 職業は……ニートでした(笑)。

奥津 完全にニートとして暮らしていたね。

日向 自分が表に出る人間だっていう意識がなくなるくらいアイドルだってことを忘れかけてました。普段、鏡に映っているのはオフの自分なので、たまにインスタライブとかで化粧すると「誰?」ってなるんですよ。自撮りのアプリの画面に映る自分を見て「これは何ヶ月かぶりに見る顔だな」とか思ったり。

奥津 化粧もしないし、スキンケアにたっぷり時間もかけられるので、肌質も変わってくるんですよ。なので、過去の自分とは違う化粧をしないと映えなかったりもして。

――そんな変化があるとは! みなさんは性格的には前向きだから、その期間に気を落としたりすることもなく?

十束 自分よりも応援してくれてる人のモチベーションが下がるんじゃないかっていう気持ちのほうが大きくて。私たちはダンスレッスンをしたり、メジャーデビューの曲はこうで、みたいにして動いていたし、4人で連絡を取ったりでワーワーできていたんですけど、ライブができないし新しい曲も出してなかったので、ファンのかたにとってはなにもない状態が続いたじゃないですか。現場行って曲を聴いて楽しいみたいなルーティンがあるなかで、それがなくなったときにどうなるんだと思って、みんなのことが心配でした。

日向 なくてもいいものになっちゃうんじゃないかっていうのはあったかも。

十束 うん。結局は娯楽なので。その娯楽の部分がなくても生きていけるんだってなったら悲しいなと思ったりもしたんだけど、実際にライブがちょっとずつ復活したときにみなさんが喜んでくれたり、待ってたよという声を聞けたりしたので、ああ、よかったなって安心できました。

日向 早くライブがやりたいなというのはありましたね。

――レーベルの方針はそれぞれの会社ごとにありますしね。

日向 でもファンのかたからすると、配信ライブをやるアーティストさんが多いと、じゃあフィロソフィーもやってほしいという気持ちになるのは当たり前なので。それになかなか応えられないのは悔しいという気持ちはありました。

――というような思いを抱えることもあったけれど、8月には無観客ライブ「5 Years Anniversary Party」があり、そこでメジャーデビューシングルのリリースが9月23日に決定したと発表する流れになりました。そうなると俄然やることが増えるわけですよね。

日向 6月あたりから仕事が再開して、7月からここまではもうフル稼働でした。

奥津 やっと安心させられるという思いが強かったです。本当にメジャーデビューできるよって(笑)。発売日が設定されたのが結構ギリギリというか、早く動かないとというタイミングになったので、いまのご時世でできることを駆け足でやっていきました。

――時間はたっぷりあったと思いきや、急ピッチで進むことになって。

十束 そうなんですよ! もうちょっと前から貯金しておけばよかったんですけど、いきなり動き出して、そこからはずっと走り続けて、いまここにいますという感じで。6月から9月までがあっという間でした。

佐藤 なにしてたか記憶ないくらい。でも、忙しいことは嬉しいことだなって実感しました。何ヵ月もお家時間が続いたので、働けることってこんなに嬉しいことなんだって。

――新曲の話を訊いていいですか? 「ドント・ストップ・ザ・ダンス」を最初にもらったときはどんな状態だったのでしょうか。

日向 アレンジ前の曲に仮歌詞が入った状態で送られてきました。

佐藤 その段階では、これをフィロソフィーのダンスが歌ったらどういう感じになるんだろうって想像がつかなかったです。ここからアレンジが決まって、歌詞が決まって、私たちの声が入って、自分たちの曲になっていくんだろうなとは思ったんですけど、これまでは同じかたに作っていただいていたのが今回はすべてをほかのかたが手掛けるという点で、どんな仕上がりになるんだろうって期待と不安が入り混じった感じでした。

日向 最初はラフなデモだったので、アレンジしていく過程でガラッと雰囲気が変わったんですよね。最初はどうなるか未知でしたね。

奥津 曲の展開もこれまでにないもので、サビ終わりに“スーパーおとはすタイム”があったりと以前とは違う要素がたくさんあったので、全体としては新しいものが来たなという印象でした。プロデューサーの加茂(啓太郎)さんが最初の段階から「これは良い曲ですよ」と言っていて。加茂さんの良い曲センサーが反応したのであれば、私たちが歌うのは楽しみだなと思いました。

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