離婚するってこんなに大変! 離婚チーム弁護士が語る!本当にあった離婚のハナシ【TV Bros.2023年8月号】

弁護士は法律のエキスパートにして、市民を守る最後の砦だ。法的知識を駆使して、依頼人の希望を叶え利益を守る。彼らプロが知る、離婚の実態とは。離婚・男女問題で、累計78,000件(※)以上の相談実績を誇る「ベリーベスト法律事務所」離婚チームのマネジャー・日原弁護士を直撃。実際に寄せられた相談内容を明かしてくれた。   ※2011 年2 月~ 2023 年5 月末実績

編集・取材・文/成澤さおり(アドバンスワークス)



【商品情報】

「TV Bros. 2023年8月号離婚特集号」
『離婚しようよ』特集をはじめ、離婚弁護士や離婚探偵の実録談、離婚危機を乗り越えた宮崎謙介・金子恵美夫妻の離婚寸前エピソードなど、離婚にまつわる今を知ることができる特集が満載!
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ベリーベスト法律事務所 弁護士
日原 聡一郎
ひはら・そういちろう●2010年慶應義塾大学法科大学院修了後、新司法試験に合格。2011年、高松にて司法修習修了後、ベリーベスト法律事務所に入所。離婚チームのマネジャーを務め、離婚問題を中心に、相続や一般民事案件を幅広く手がける。著書に『実務家が陥りやすい 離婚事件の落とし穴』(新日本法規、共著)など。

復縁率はわずか2%未満!
離婚危機は覆水盆に返らず

––弁護士が交渉することで、離婚を考えていた夫婦が復縁できたケースはありますか?

最終的に「離婚しない」選択をするご夫婦も、2%くらいいらっしゃいます。どちらか一方に未練があったり、やり直せるんじゃないかと思っていたり、気持ちによるところが大きいですね。そこは依頼人の希望次第で、少し様子をみましょうと、冷却期間を置く形に交渉することはできます。ですが、キレイに復縁できるケースは……ほぼないでしょうね。一方に「離婚したい」という気持ちが生まれてしまっているので、なかなか難しいです。

時効の期限に要注意!
財産などの分割請求は2年以内に

––人々が離婚を検討する上で、見落としがちな点は何でしょうか?

やはり金銭や請求関係です。「いつかもらえればいい」と、離婚後しばらく経ってから養育費を請求したいと相談されるケースもありますが、養育費は請求した時点からしかもらえないのです。たとえば過去5年間もらっていなくても、さかのぼってその間の請求はできません。「慰謝料がほしい」という依頼もよくありますが、慰謝料はDVや浮気など、「不法行為」にもとづく損害賠償請求になります。性格の不一致など、どちらが悪いと言えないケースでは慰謝料の請求は難しいのです。また、慰謝料や財産分割の請求には、時効(請求できる期間)があります。財産や年金を分割請求できる期間は、離婚してから2年以内です。それを知らなかったため、請求できたはずの財産や慰謝料をもらえず、主に女性が不利になるケースもあります。そうしたアドバイスも含め、離婚しようと決めた段階で弁護士に相談されることをお勧めします。

男女で異なる離婚の悩み
乳幼児の親権は母が強し

––男女それぞれで、離婚相談の特性はありますか?

女性はやはり慰謝料請求や財産分割に関する相談が多く、男性は親権を取りたい、面会を充実させたいという相談が多いです。幼稚園児までの乳幼児の場合、親権はほぼ母親に渡ります。虐待やネグレクトなど、母親がよほどのことをしている証拠がない限り、父親が親権を取るのは難しいです。夫と関わりを持ちたくないので、子供にも会わせないと語る女性もいますが、早く離婚をしたいならあまり得策ではありません。別居後に我が子に会わせてもらえない男性が諦めきれず、「母親が虐待をしているに違いない。自分が親権をほしい」と相談に見えることもありますから……。お子様に害がないなら定期的に会わせてあげた方が、男性も親権を諦め、気持ちよく養育費を出してくれますね。


弁護士は見た!
実録!離婚相談事件簿

【Case File.1】
相手の反撃で発覚!依頼人がウソをつく

DVや浮気を隠す!依頼人に非があることも

依頼人がDVや浮気をしていたのに、弁護士である私たちに隠していたケースは結構あります。依頼人も、自分に不利なことは言わなくてもいいだろうと、黙っているんですよ。
相手方からDVや浮気の証拠を出されて発覚し、依頼人に確認すると、「そうですよ」と……。「いやいや、初めに言ってください」と。相手方に交渉を申し込んでも、「浮気している方から何を言っているんだ」と言われてしまいますからね。
浮気やDVをする人は、自分が悪いと思っていないこともあります。罪の意識が希薄なんですね。「それでも弁護士を通せばうまく離婚できるだろう」くらいにしか思っていなくて、悪びれもせず「だから何ですか?」と居直る人もいました……。
隠すといえば、離婚相談とは違いますが、既婚男性が女性と浮気したところ、良くない筋の方から金銭を要求されたと依頼を受けることもあります。「これって美人局に引っかかっているのでは?」と思うのですが、依頼人は「妻に知られる前に、お金を払ってもいいから早く終わらせたい」とご希望されますね。

【Case File.2】
最長3年! 離婚は意外と時間がかかる

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