錦戸亮『離婚しようよ』 “歩くフェロモン男・加納恭二” 演者が思う恭二の探しもの【TV Bros.2023年8月号】

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不意に登場した瞬間、思わず腰砕け… … 。「こりゃ好きになるわ」という予感どおり、人妻・ゆいを虜にする“歩くフェロモン男・加納恭二”に、錦戸亮がスルッと扮して魅せた。とはいえこの男、自称アーティストのパチプロ。甲斐性はゼロだが、ミステリアス。ダメだと分かっちゃいるのに引きずり込む、その危険な魔力、いかにして作られた!?

撮影/桑島智輝 取材・文/折田千鶴子


恭二がゆいのどこに惹かれたかは、
みなさんで考えてみてください

 

––まず、ドラマをご覧になられた感想は?

シンプルにすごく面白かったです。グッと来るところはグッと来て、笑えるところは笑えて、非常にメリハリの効いたドラマだと思いました。自分の出演シーン以外を見るのは初めてだったので、ほんま楽しくて。台本を読んでいない視聴者の方たちは、さらに楽しめるんじゃないかな。

––色気ダダ洩れの恭二を演じるにあたって、脚本家の2人とは何か話をされましたか。

それは一切なかったです。宮藤さんと大石さん、どちらがどこを書いてるか聞くことも知ることもなく、僕は台本に書いてある通り、「こんな感じかな!?」と手探りでやりつつ、監督やプロデューサーと話し合って修正していくという進め方でした。

––つまり錦戸さんにとって、恭二という人物像は掴みやすかった?

一概にそうは言えませんが、一つ芯の通ったところのある人物で魅力的な役だと思いました。周りから何を言われようが別に気にしないし、自分がやりたいことは後先考えずに動く。よく言えば自分を大事にしている人なんだろうな、とは感じましたね。

––高学歴でありつつパチプロな自称アーティスト。そんな軽く自由な生き方や、そうした人に憧れはありますか!?

まさか、ないですよ(笑)! 自分を突き通す姿勢をカッコいいと思う部分は少しあるかもしれませんが、あんな毎日ヒリヒリして生きたくない。そういう生き方に飛び込むのは、僕は怖くて出来ないですね。

––恭二の服装もノマドっぽさが溢れていましたが、アイディアを出されました?

どの衣装かは明かせないですが、何点かは僕の私物も実はあるんです。

––久々の演技、役に入り込む感覚は楽しかったですか?

そこまで久々でもないですよ。それに僕は、「用意、スタート」と言われるまで一切(役に)入ってないんです。いや、役に入っていると思いながら演じたこともないな。役者さんそれぞれいろんなアプローチがあると思いますが、僕は役に入り込むようなことはなく、直前まで普段どおりで本番になったらちゃんとしよう、という程度なんです。

––恭二は心の赴くままゆいを口説きますし、飄々と生きているように見えます。その一方で、“不能”でもあります。そういう葛藤を抱えて生きている、と感じながら演じた部分はありますか。

そんなこと考えたこともなかったな(笑)。確かに濡れ場的なシーンや描写では、「このまま一緒にいても、俺らずっとこのままなんだから」的なセリフはありましたが、恭二が生きている中では、そういう自分も受け入れなしゃあないわけです。僕の一見解で言うならば、恭二は“しゃあない”と既に受け入れ、それ以外の何かを探してるんじゃないかな。“不能”が生き方に何らかの影響を及ぼしているとは思わないけれど、ただ開き直れる部分ではある気はしますね。

––恭二とゆいの力関係の変化も面白いですよね。最初は、恭二があんなに振り回していたのに……。

ゆいのことは、出会った時から好きだったと思います。これは僕の主観であって、そんな設定はないんですけど。恭二にとって今までにないパターンで、いろんなことに積極的じゃなかった自分を積極的に変えてくれた人。ゆいのどこに惹かれたかは、みなさんで考えてみてください。そうしてくれたら、より面白くなると思うので。

想田豪(山本耕史)もすごいけど、ドラマを見ていると、想田より大志の方を応援したくなる

––登場人物全員のキャラが濃いですが、錦戸さんがツボったお気に入りのキャラクターは?

みんな素敵ですが、僕的には山本耕史さんが演じた“そうだ、選挙へGo!”の想田豪が好きです。演者の山本さんもすごければ、想田豪もすごいな、と。加山雄三さんの「嫁に来ないか」を歌ってる時もそうやし、この人、本当にすごいな、器用やな~って思いながら見ていました。しかもムッキムキやしね(笑)。それなのに、やっぱりドラマを見ていると、想田豪より大志の方を応援したくなるんですよね。ただ想田豪は、失敗した後も可愛い形で復活したりして、それもすごくいいな、と思いました。

––いつの間にか恭二もハマっていましたが、本作の見どころの一つに、選挙自体の面白さも挙げられると思います。

ついこの間も、統一地方選挙がありましたが、このドラマをやってから、それこそ候補者の数だけいろんなドラマがあるんやろうな、いろんな人がいろんなところを目指して頑張ってるんやな、と思うようになりました。やっぱりこれまで以上に興味は湧くようになりますよね。

––最後に錦戸的クスクスポイント、グッと来たポイントも挙げていただけますか?

クスクスはやっぱり、ノースリーブのシーンです。大志と弁護士(板谷由夏)、ゆいと弁護士(古田新太)が対峙して、“あんたもか!?”みたいなのは笑えました。グッと来たのは、終盤で大志が喋り続けるシーン。というか1話ごとに少なくとも1度、いや何度もクスクスもゲラゲラもグッとくるポイントもあるんですよ! そんな1時間を9回も過ごせるなんて、なんてラッキーなんですか、と言いたいです。


【PROFILE】

にしきど・りょう●1984年、大阪府出身。主な出演映画は『ちょんまげぷりん』『県庁おもてなし課』『抱きしめたい-真実の物語-』『羊の木』、出演ドラマは『流星の絆』『オルトロスの犬』『ごめんね青春!』『ウチの夫は仕事ができない』『トレース~科捜研の男~』など。2019年にソロ活動をスタートさせ、自身主宰のレーベル『NOMADRE CORDS』を設立。すべての楽曲の作詞・作曲・プロデュースを手掛けた1stアルバム「NOMAD」はオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得。以降も毎年作品を発表し、昨年11月には3rdアルバム「Nocturnal」をリリースさせ、音楽活動も精力的に行っている。


『離婚しようよ』
Netflixシリーズ 独占配信中
[監]金子文紀 福田亮介 坂上卓哉 [脚]宮藤官九郎 大石静
[出]松坂桃李 仲里依紗 錦戸亮 板谷由夏 織田梨沙 神尾楓珠 少路勇介 矢沢心 守屋麗奈 高岸宏行 前原滉 尾美としのり 池田成志 山本耕史 高島礼子 竹下景子 古田新太ほか

●国会での失態や女子アナウンサーとの不倫で人気を失った新人議員の大志(松坂)と、連続ドラマでブレイクし、国民的な支持を集めていた妻で女優のゆい(仲)の間に会話はほとんどなく、夫婦仲は冷え切っていた。そんな中、ゆいは謎めいた男・恭二(錦戸)と出会うことで大志との離婚を決意し、一方の大志は再会した不倫相手から離婚を迫られ、ついに二人は離婚という目標に向かって歩みを進めていくが…。

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