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「TV Bros. 2023年8月号離婚特集号」
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松坂が演じるのは、女にだらしがなく能天気な三世議員・東海林大志。対して仲が演じるのは、連続ドラマ「巫女ちゃん」で大ブレイクした国民的女優・黒澤ゆい。結婚5年目の2人は、“夫婦円満なイメージ”で売って来たが、すれ違いは大志の不倫騒動で決定的となり…。爆笑対談が開幕!
撮影/桑島智輝 取材・文/折田千鶴子
目次
脚本が本当に面白いからこそ
脚本以上の面白さにしなければ(仲)
––宮藤官九郎さんと大石静さんが、共同で書かれた脚本の印象は!?
松坂 1話ごとにそれぞれ書くのではなく、合作というのが一番の魅力ですよね。大石さんは恋愛もの、宮藤さんは人間味溢れるドラマというイメージがありましたが、こうも上手く融合するなんて。読んでいて、メチャクチャ面白かったです。
仲 お2人が交換日記みたいに書いていると聞いて、すごく楽しみにしていたら、本当に面白くて。でも、だからこそ、それを脚本以上の面白さにしなければ……という任務が大変だとも思いました。
松坂 僕はこれまでお2人から、結構ダメな奴を振られてきて(笑)。宮藤さんからは小学校の教師で童貞役(ドラマ『ゆとりですがなにか』2016年/日本テレビ系)とか、大石さんからは漫画オタクのすごいポンコツ(ドラマ『あのときキスしておけば』2021年/テレビ朝日系)とか。ありがたいことに変化球の役ばかりでしたが、今回もまた煩悩にまみれた男で(笑)。ちゃんとその期待に応えなければ、頑張ろう、と思いました。
仲 大御所2人の世界観の中で、私はどういう風に描かれているのだろう、私はそこに入っていけるんだろうか、と最初は思いました。しかも「女優役」と言われ、劇中で(ゆいが演じる)いろんな役を演じなければならなかったので、それが面白くもあり、大変だとも思いました。
––誰がどこを書いたか分かりましたか?
松坂 現場で磯山(晶)プロデューサーに、答え合わせ的な感じで聞いたりしました。最初は当たったのに、話数が進んでいくにつれてハズれてきて。本当に(2人の書くものが)融合し始めていると実感しました。
仲 語尾の〝……〟とか〝間〟の感じ、不思議なセリフは大石さんかな、と思っていましたが、ゆいと恭二(錦戸亮)のシーンをほぼ大石さんが書かれてるとご本人に直接お聞きし、当たっていたと判明しました! 恭二を〝生きてるのに死んでるみたいな人〟とか、〝グラスを紙コップで壊したくなる〟とか、嫌味のないナルシストぶりが最高でした。
––ちなみに演じる上で自由度はどれくらいありましたか? アドリブは出しやすい?
松坂 アドリブもありつつですが、意外とト書きも細かく書かれていたので、なかなかのプレッシャーはありました。もちろん先輩方は、余裕な風情でアドリブをされていましたが。
––古田新太さんとか?
松坂 ですね、古田さんとか古田さんとか(笑)。
土下座して謝るシーンは、監督から「ちょっと(身体が)
浮いてほしい」と(松坂)
––松坂さん、仲さんは意外にも初共演です。
松坂 撮影に入る前のカメラリハーサルで、夫婦喧嘩のさわりを演じたんです。それだけで、なんかすごく楽しくて。仲さんのお芝居がメチャクチャ好きでした。
仲 えぇ~!!! そんなこと思って下さってたんですか!! 私なんかYouTuberみたいなもんなので、アレルギー反応を起こされないか心配でしたよ。だって松坂さんと言うだけで安心感がありますから。
松坂 とんでもない、こちらこそです。「この言い回し、どんな風に言ってくるのかな!?」と思うセリフも、いざ現場で仲さんが言うと、ものすごいクリアに聞こえるんです。「こんな感じだよね」とピンポイントで突いてくるのが素晴らしくて、さすがだと思いました。
––そんな言い回しの一つ、大志の不倫相手の三俣(織田梨沙)を、会話でいちいち「み~ま~た~」と言うのがおかしくて。
仲 あれも、どういう風に言えばいいんだろう!? とは思いました。一度言ってみたら、監督が「それでいいよ」みたいな(笑)。プロレスの入場コールみたいで、やっていて面白かったです(笑)。
––それを大志は会話中、何度も連呼されますね。
松坂 最初の頃は、「しまった、地雷だったか~」と、会話の最中に反省したり、振り返ることがちょいちょいありましたね(笑)。
仲 でも三俣みたいな女の人って、この世に一番多くないですか!? 自分を見て欲しくて仕方なくて、(相手が)見てくれなかったら、それを踏み台にして自分のキャリアに生かすってスゴイですよね。過去はなかったことにして、どんどん強くなっていく。絶対、三俣人口って多いと思う。面白くて、逆に大好きでしたが(笑)。
––不倫がバレているのに、そうとも知らず「ただいま~」と能天気に帰って来て、逃げそうになりながら謝る大志も最高でしたね!
松坂 あの土下座して謝るシーンは、監督から「ちょっと(身体が)浮いてほしい」と言われたんです。
仲 ジャンピング土下座(笑)!
松坂 「すみませんでした~」と空中で浮く期待に添えるように頑張って、すごく膝が痛かったのを覚えています(笑)。
仲 最高でしたよね。映らない角度の時はもう、笑って肩が震えちゃって(笑)。それなのに大志がしまいには、「本当にこれ(不倫写真)、俺かなぁ」とか言いだしちゃって、もうヤバ過ぎだぞ、こいつ、って。
松坂 ですよね(笑)!
仲 嫌なことが頭からすぐ消えちゃうんですよね。本気で「俺こんなことしたかな!?」と思ってるかもしれない、リアルな「俺かな!?」だったから(笑)!
––浮気を知った瞬間も〝離婚〟は考えていなかったように見えましたが、どの辺りで2人には〝離婚〟という文字が浮かんだのでしょう!?
仲 弁護士に相談するのも、お互いに絶対に勢いだった気がします。
松坂 そうだよね。
仲 特に大志は、思ってないのに言っちゃったようなところもあったと思う。あっちも行くなら俺も行く、みたいに強がっている気がしました。ゆいちゃんは(女優なので)違約金等々の問題があったけれど、本心で思ったのはいつかな……。
松坂 ちょっとしたこと、例えば部屋が汚いとか、ものの言い方とか、そういう積み重ねかもしれないな。それでふと「やっぱり離婚かな」と思ったのかもしれない。それでも2人の気持ちが交わる瞬間があって、やっぱり大志はゆいちゃんのことが好きなんだな、と感じたシーンもありました。例えば選挙運動中に2人でレストランに入って、互いの不倫相手について喋るシーン。すごい違和感なくスッとできた感じがあって、あの時の大志やシチュエーションに共感に近いものを感じました。
仲 あそこで、「人の悪口を言ってる時が一番うちら楽しいよね」的なことを言うのですが、そういう愚痴を言い合える人って、一番近い気がするんです。愚痴を言い合うって夫婦でも大事なことだな、と。そこで「君にも悪いとこ、あるんじゃない!?」なんて言われたら盛り下がるけど、嘘でもいいから「分かる~」みたいに互いに盛り上がる空間がある方が、何かいいなって思います。
––一方で、ゆいが相思相愛になる恭二も強烈な魅力ですよね。
仲 ゆいちゃんの周りには本当にいないタイプで、中学生みたいな気持ちになっちゃったんじゃないかな。クラスにいるクールでミステリアスな存在の子に“好き”って言われちゃった、みたいな。だって“俺の女神”とか言う人って、あんまりいないですよね。それにビックリしてキュンとしちゃった。その後どうなるか目に見えているのに、今だけの幸せに行っちゃうんですよね。絶対にお金は必要なのに。
––恭二が不能であるということは、どう影響したと思いますか!?
仲 ゆいちゃんにとっては、恭二が出来ないなりに自分をすごく大事にしてくれた、ということにキュンとしたんですよね。不能かどうかより、大事にしてくれる度合いが重要だったのかな、と思います。
松坂 大志の方は、ゆいちゃんと“合体”しなかったから許せるというより、「え、していないの!? 逆
にエロっ」みたいな(笑)。そうした描写もあった気がします。
理想や“そうあってほしい”と
相手に求めないことが大事(仲)
––最終的に2人が出した結論を、どう感じましたか。
松坂 2人の中で決めて、いい方向に進んでいくような、ある種の清々しさを感じました。それが、やっぱりこの作品の力だと思います。
仲 やっぱり最後は自分で決着つけたいじゃないですか。誰かに言われて決めるのではなく、誰か
のためでもなく、自分たちの意思で決めたからこそ、すごくポジティブな感じがする。それゆえのスッキリ感だと思います。
––最後に、「離婚しようよ」と言い合わずに済むように、日頃気をつけていること、互いの尊重の仕方などについて教えてください。
仲 夫婦ってやっぱり元々は他人だし、価値観も違うに決まってる。だから最初から相手に求めすぎない。相手に理想や“そうあってほしい”と求めないこと。自分も理想とか求められちゃうと疲れるし。私は、子供に対しても同様です。お互いに求めすぎず、好きなことをさせ合える関係でいることがいいな、と。
松坂 それ、すごい大事ですよね。僕は些細なことですが、その日にあったことを、かなりお喋りします。こういうことがあったよと話すし、向こうも言ってくる。普段の些細なやり取りがお互いのコミュニケーションに繋がると感じています。
【PROFILE】
まつざか・とおり●1988年神奈川県生まれ。『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)で俳優デビュー。以降、『ツナグ』(2012年)、『孤狼の血』シリーズ(2018、2021年)、『流浪の月』(2022年)などの映画に出演するとともに、数多くの映画賞を受賞。待機作に『ゆとりですがなにか インターナショナル』(2023年10月13日公開予定)がある。
なか・りいさ●1989年長崎県生まれ。『時をかける少女』(2006年)の声優で注目を集め、2010年には同作の実写版で主演を務める。以降、『土竜の唄』シリーズ(2014~2021年)、テレビドラマでは『大奥』(2023年/NHK)などに出演。待機作に『白鍵と黒鍵の間に』(2023年10月6日公開予定)がある。
『離婚しようよ』
Netflixシリーズ 独占配信中
[監]金子文紀 福田亮介 坂上卓哉 [脚]宮藤官九郎 大石静
[出]松坂桃李 仲里依紗 錦戸亮 板谷由夏 織田梨沙 神尾楓珠 少路勇介 矢沢心 守屋麗奈 高岸宏行 前原滉 尾美としのり 池田成志 山本耕史 高島礼子 竹下景子 古田新太ほか
●国会での失態や女子アナウンサーとの不倫で人気を失った新人議員の大志(松坂)と、連続ドラマでブレイクし、国民的な支持を集めていた妻で女優のゆい(仲)の間に会話はほとんどなく、夫婦仲は冷え切っていた。そんな中、ゆいは謎めいた男・恭二(錦戸)と出会うことで大志との離婚を決意し、一方の大志は再会した不倫相手から離婚を迫られ、ついに二人は離婚という目標に向かって歩みを進めていくが…。
投稿者プロフィール
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