押井守のサブぃカルチャー70年「YouTubeの巻 その25」 【2023年2月号 押井守 連載第60回】

今回ご紹介するYouTubeチャンネルは『六丸の工房』。映画はもちろんのこと、真面目なTVドキュメンタリーや国際会議などに言葉巧みなアフレコをつけ、人気を博しているこちらのチャンネルの魅力について語っていただきます。

取材・構成/渡辺麻紀
撮影/ツダヒロキ

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<新刊情報>

加筆&楽しい挿絵をプラスして待望の書籍化!
『押井守のサブぃカルチャー70年』が発売中!

当連載がついに書籍化しました。昭和の白黒テレビから令和のYouTubeまで、押井守がエンタメ人生70年を語りつくす1冊。カバーイラスト・挿絵は『A KITE』(1998年)などを手掛けた梅津泰臣さんが担当し、巻末では押井×梅津対談も収録。ぜひお手に取ってみてください。

詳しい書籍の内容はこちら!

押井守/著
『押井守のサブぃカルチャー70年』
発売中
発行:東京ニュース通信社
発売:講談社
カバーイラスト・挿絵:梅津泰臣
文・構成:渡辺麻紀

 

ヘンリー・フォンダがクソ真面目な顔をして『五等分の花嫁』の話をするわけだ。そのギャップで笑わせる。

――押井さん、今回はどんなチャンネルをご紹介して頂けますか?

そうだな……「六丸の工房」にしようか。

――もしかしてそれは、勝手にアフレコしているってチャンネル?

そうそう。映画はもちろん、真面目なTVドキュメンタリーとか国際会議、何とか博士のインタビューや政治家のインタビュー。そういうのを勝手に面白おかしくアフレコしている。オリジナルはクソ真面目なんだけど、アフレコはおふざけ。やっている人の趣味なのか、ゲームネタとアニメネタ、ときどき下ネタって感じかな。最近のおススメは『ランボー』かな。

――スタローンの『ランボー』。映像はどうしているんですか?

イラストですよ。紙芝居形式だね。『ランボー』はラストのトラウトマン大佐とのやりとりをピックアップしてやっている。オリジナルは追い詰められて立てこもったランボーに大佐が「もう戦争は終わったんだ。この辺で手を打て」みたいなことを言い、ランボーが「終わっちゃいねえ! オレは戦場で100万ドルの武器をあつかっていたんだ。でも、いまは駐車場の係員にもなれねえ!……」みたいな長セリフをボロボロと泣きながら言うんだけど、それが「オレのガチャは終わっちゃいねえ」「明日からモヤシも食えやしない」とかになっているわけ。

どこが凄いかって、ひとりがすべての声を吹替えているんだよ。女性キャラの場合はときどき女性のゲストが参加しているけど、ほとんどひとりでやっている。

――ひとりの人がって、確かに凄いですね。

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