シーズン2をやる前からシーズン3を考える牛歩戦術【連載『神田伯山の“真”日本プロレス』延長戦!2022年3月号】

講談師・神田伯山&実況アナウンサー・清野茂樹が新日本プロレスの昔と今を深掘りするCSテレ朝チャンネル2『神田伯山の“真”日本プロレス』“第二幕”がいよいよ4月16日に放送開始! テレビ朝日が保有する豊富な試合映像とともに新日本の歴史をたどるコーナーは、シーズン1の続きである1992年からスタートする。92年以降の新日本といえば、闘魂三銃士の活躍、G1 CLIMAXの定着、天龍源一郎率いるWAR、高田延彦率いるUWFインターとの対抗戦、大仁田厚の参戦、そしてアントニオ猪木の引退など語るべき要素が満載! ファンに大好評だった前シーズンと同様に盛り上がること必至だ。そんなシーズン2に向けた思いを、伯山&清野アナに聞いてきました。“オンエアまで待てない!”という皆さんは、延長戦ならぬ“前哨戦”を読んで、もう少々お待ちください。みんな大好き水プラズマの話もあります!
取材・文/K.Shimbo(シーズン2で来てほしいゲストは、武藤敬司。90年代の新日マットでMVPを一人だけ選ぶなら、武藤だと思っています)
撮影/ツダヒロキ(同じく、佐々木健介。平成プロレスの象徴として今こそじっくり語っていただきたい)

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「実況で改めて考察する『1.4事変』」清野茂樹(実況アナウンサー)【私にとっての「1.4事変」】
『神田伯山の“真”日本プロレス』過去記事一覧はこちら

<プロフィール>
神田伯山(かんだ・はくざん)●1983年東京都生まれ。日本講談協会、落語芸術協会所属。2007年、三代目神田松鯉に入門し、「松之丞」に。2012年、二ツ目昇進。2020年、真打昇進と同時に六代目神田伯山を襲名。講談師としてもさることながら、講談の魅力を多方に伝えるべく、SNSでの発信やメディア出演など様々な活動を行っている。現在は『問わず語りの神田伯山』(TBSラジオ)などに出演している。
清野茂樹(きよの・しげき)●1973年兵庫県生まれ。広島エフエム放送(現・HFM)でアナウンサーとして活躍。『ワールドプロレスリング』(テレビ朝日系)で数々の名実況・名言を生み出した古舘伊知郎アナウンサー(当時)に憧れ、宿願だったプロレス実況の夢を実現すべく、2006年フリーに。2015年には新日本プロレス、WWE、UFCの実況を行い、前人未到のプロレス格闘技世界3大メジャー団体を実況した唯一のアナウンサーになる。『真夜中のハーリー&レイス』(ラジオ日本)のパーソナリティーとしても活躍。

『神田伯山の“真”日本プロレス シーズン2』
CSテレ朝チャンネル2
毎月第3土曜午後10・00~(初回は4/16土曜午後10・00~)
出演 神田伯山 清野茂樹(実況アナウンサー)
●“最もチケットの取れない講談師”の神田伯山と、プロレスに魅せられた実況アナウンサーの清野茂樹が、テレビ朝日に残された貴重な映像を観ながら、プロレスの歴史をマニアックに語り尽くす。そのほか、現役レスラー、レジェンドレスラーなど当事者を招いて真相を探るコーナーも。
番組HP:https://www.tv-asahi.co.jp/ch/recommend/hakuzan/

テレ朝チャンネル至極のプロレスラインアップ
番組HP:https://www.tv-asahi.co.jp/ch/wrestling/

『ワールドプロレスリングLIVE2022 NEW JAPAN CUP 2022 《優勝決定戦》』
CSテレ朝チャンネル2
3月27日(水)午後2・00~ 生中継(大阪・大阪城ホール)

 

ふざけているように見えて、すごい意味のあることをやっている番組

――「真日本プロレス」の“第二幕”がいよいよ始まりますね!

伯山 これは清野さんの牛歩戦術のおかげです。シーズン2があってもいいんじゃないかっていうぐらいの1991年までを取り上げたところで、前シーズンが終わったので。清野さんの戦術勝ちです。あえて、終わらせないという(笑)。だけど、試合映像のアーカイブを使ってプロレスの歴史をしっかりと講義する番組はほかにないですし、ふざけているように見えて、すごい意味のあることをやっているなと。僕自身、とても勉強になっています。清野さんに教えていただいたおかげで、今年の1月4日の東京ドーム大会では出場選手を全員知っていて、これがどういうカードなのか、その背景が分かるところまでこぎつけましたから。『電波少年』の坂本ちゃん(注1)みたいな感じです(笑)。

清野 懐かしい! 僕がケイコ先生ですね(笑)。昔のプロレスの話をしているようでいて、今のプロレスともリンクしていますからね。シーズン1は新日本の旗揚げまでさかのぼりましたけど、今度は平成に入ってくるので、さらに現在とつながっていきますよ。

伯山 僕は最近、Gacharic Spin(ガチャリックスピン)(注2)という女性のバンドを縁があって応援しているんです。彼女たちは12年くらいやっているバンドで、今、第5期メンバーなんですけど、これまでどういう風にメンバーが変わってきたのか、初期メンバーは誰なのかなどを分かりやすく説明してくれる10分くらいの動画があるんですよ。それを見て、今のメンバーのことも分かったので、途中参加で応援することができる。プロレスも物語があるから、試合の背景まで理解するとなると、そういう動画があるととっても入りやすい。だから、我々の番組も喜んでもらえるのではないかと。清野さんのおかげで、いいコンテンツになっていると、僕は胸を張って言えます。

――シーズン2は、歴史の授業でいうと近現代史になると思うので、シーズン1とはまた違う面白さがあると思いますし、とても興味深いです。

清野 ここからは平成に入って、伯山さんも実際に見ていた時代の話になっていきます。リアルタイムで見ていた試合を取り上げるので、今のプロレスファンのメインターゲットである40代の人たちに楽しんでもらえる内容になっていくと思います。

伯山 ひょっとしたら、シーズン2の方がキャッチーなのかもしれないですね。生で見ている人が多いから。

清野 シーズン1は60代の人からの反響がすごい大きかったんですよ。

伯山 あ、そうなんですか。

清野 例えば、ミュージシャンの方だと、HICKSVILLE (ヒックスヴィル)の中森泰弘さんやクレイジーケンバンドのドラムの廣石恵一さん(注3)。とにかく面白くて、見ていますとおっしゃっていただいて。

伯山 テレビは今、若い人に向けて、という時代じゃないですか。それなのに、我々の番組は60代に響いていた(笑)。それが今度は50代、40代と。そうなると、いつ20代に届くんだろう(笑)。

清野 また牛歩戦術でやって行きましょう。やる前からシーズン3を考えているという(笑)。

注1・『電波少年』の坂本ちゃん 2000年、『進ぬ!電波少年』(日本テレビ系)の企画「電波少年的東大一直線」でタレントの坂本ちゃんが大学受験に挑戦。家庭教師を務めた東大出身のケイコ先生(唐木恵子)は現在、浪曲師の春野恵子として活動中。
注2・Gacharic Spin 2009年に結成された全力エンターテイメントガールズバンド。
注3・クレイジーケンバンドのドラムの廣石恵一さん HICKSVILLE (ヒックスヴィル)、クレイジーケンバンドはともに長いキャリアを持つ、日本を代表するバンド。

猪木アリ戦の猪木の気持ちだった「水プラズマ」放送回

――今のプロレスしか知らないファンには、90年代のマット界も新鮮に見えるかもしれないですね。

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