豊本明長(東京03)特別寄稿 2日連続ドーム大会、団体対抗戦で歩み出した新日本プロレスの50周年イヤー、プロレス業界に今、思うこと

年始恒例の1.4、さらに連日の1.5に開催された東京ドーム大会を終えてすぐに、他団体のプロレスリング・ノアとの団体対抗戦を行うなど、創立50周年イヤーを華々しくスタートさせた新日本プロレス。
現在のコロナ禍にあって、それ以前のような集客を行うことが難しい中、選手もファンも、今も昔も、プロレス業界の発展を心より願っていることに変わりはない。
そんな熱烈なファンの1人で、TV Bros.WEBに何度も寄稿いただいている東京03の豊本明長氏に、新日本プロレス50周年イヤーのスタートを目にしての所感をつづってもらった。
そこには、勝敗の先にある業界の未来を見据えた選手と、その姿を期待をもって見つめるファンの絆のようなものが感じられるはずだ。

<プロフィール>
豊本明長(とよもと・あきなが)●1975年愛知県生まれ。2003年に「東京03」を結成。「第4回お笑いホープ大賞」大賞受賞、「キングオブコント2009」優勝など、上質のコントは高い評価を受けている。大のプロレスファンで、専門誌で連載を持つなど、メジャーからインディーまで幅広くプロレスを観戦。現在は『速報!バトル☆メン』(FIGHTING TV サムライ 水曜放送分)、ラジオ『東京03の好きにさせるかッ!』(NHKラジオ第1 毎週木曜後8・05)などにレギュラー出演中。

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オカダ・カズチカ選手に敬意を込めて

文/豊本明長(東京03)

天龍源一郎選手の引退試合の相手を務めたオカダ・カズチカ選手。天龍源一郎というレスラーに最大限の敬意を持って完膚なきまでに叩き潰そうとしました。

そもそも“レインメーカー”オカダ・カズチカは新日本プロレスのリングに登場した2012年の初めから、プレイングマネージャーとして常に横にいた外道選手をとても慕っていました。業界の先輩がマネージャーとして横にいてオカダは凄いとお客さんを煽りながらマイクをする。それに対して黙って頷くオカダ選手。普通ならこの構図だと、オカダ選手がファンから反感を買います。もちろんオカダ選手も最初はそうでした。でも試合の素晴らしさとオカダ選手の外道選手に対しての敬意がある所が垣間見え、プロレスファンの信頼を獲得していったのだと思います。

さらに言うと、基本的にオカダ選手は敵のユニットに所属していようが、自分より先輩のレスラーには絶対に“さん”付けです。とにかく俺が1番強ければ良いという考えではなく、かといってスポーツライクの仲良しこよしでもない、独特の振る舞いはどんなものにもどんな人にも敬意を持って接するという事が大きいと思います。

https://twitter.com/rainmakerXokada/status/1451187263203729410?s=20

そして新日本プロレス創立50周年イヤーの1.4ドームでのメイン。

鷹木信悟vsオカダ・カズチカ

今回はIWGPのベルトを巡っての戦いがテーマ。

この試合に関して、オカダ選手は「鷹木、オカダの関係性に深いドラマが無い」とバッサリ。そして「1.4という日は新日本にとって大事だ」という発言。

確かに鷹木選手の活躍は素晴らしく、結果も残しています。ドームのメインでもおかしくない。しかし、試合前からすでにオカダ選手は試合の先を見て、もっと大きなテーマを提示しているような気がしました。

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