押井守のサブぃカルチャー70年「YouTubeの巻 その3」【2022年2月号 押井守 連載第38回】

(東京にいるときは)チェックしない日はないというくらいにYouTubeにハマっている押井さん。星の数ほどあるチャンネルのなかから、オススメの作品をチョイスしてもらっているこの連載で、押井さん激推しなのが『Fラン大学就職チャンネル』。3回目になる今回は、そのクリエーターに迫ります!
取材・構成/渡辺麻紀

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構成力の上手さ、脚本力、演出力…『Fラン大学就職チャンネル』の凄さ

――クリエーターの方って、今でも正体を明かしていないと聞いていますが。

センスもタレントもピカイチだと私は思っているけど、その正体は謎のままです。確かなのは「無料のツールやアイテムを使って、自分ひとりで作っている、めちゃくちゃ才能とセンスがあるヤツ」ってことぐらいかなあ。
あ、でも最近、国が認めた就活アドバイザーみたいなライセンスを取ったみたいだったよ。

――それって、そのクリエーターのTwitterに書いている「国家資格キャリアコンサルタント」というライセンスなんですかね? 調べてみると、学科と実技があって合格率は半分くらい。簡単ではないようですよ。

そうなんだ。当人は、面白そうだったから取ってみた、みたいな感じのようだったから、別に大きな意味はないんじゃないの?

――証券会社に勤めているサラリーマンじゃないかと書いている人もいるようですね。

登録者数は25万人前後で、多いほうじゃない。再生回数も凄いとは言えないんだけど、ユーチューバーの間ではめちゃくちゃ評価が高い。構成力の上手さ、脚本力、動画作りの凄さに、いわば業界のプロたちが舌を巻いているんですよ。そういう意味では玄人好みなのかもしれない。
しかも、面白いだけじゃなくてちゃんとためになるわけでしょ? 私だって、学生時代に出会っていたら、と思ったからね。それに、シニカルに見えて、実は愛情があるところもいい。何とかしてあげたいという気持ちが伝わって来る。実際、そういう感じで泣かせるエピソードもある。ただのオチャラケのチャンネルや笑わせるだけのチャンネルが多いなかでは貴重なんですよ。

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