憧れのCHICO CARLITOさんと緊張の初トーク!【lyrical school hime連載「社会人でびゅ〜!」06】

lyrical school、himeの「社会人でびゅ〜!」。今回はhime念願の対談相手として、アルバム「Sandra’s Son」をリリースしたばかりの、沖縄を地場に活動するラッパー・CHICO CARLITOが登場です! 「フリースタイルダンジョン」でも初代モンスターとして活躍した、himeが高校時代から憧れるラッパーは、himeにどんなアドバイスを授けてくれるのでしょうか!? 今回はその前編です。

 

 

取材&文/高木”JET”晋一郎  撮影/佐野円香

●CHICOさんにお会いするという夢がひとつ叶いました!(hime)

 

ーー今回の対談は、この連載でも、そしてそれ以前からも会いたいと熱望していたCHICO CARLITOさんにご登場いただけることになりました。

CHICO CARLITO(以下C) よろしくお願いします!

hime(以下H) こちらこそよろしくお願いします! 私がCHICOさんを知ったのは、やっぱり「フリースタイルダンジョン」がキッカケで。その時はまだ私は高校生だったんですけど、その時からずっとファンで、色んな機会に「いつかお会いしたい」って話させていただいていて。その夢が何年か越しに叶って、今回は本当にうれしいです。

C こちらこそ呼んでもらってうれしいです。ありがとう。

H 「ダンジョン」でチャレンジャーからモンスターになったのって……。

C 俺とDOTAMAさんが最初ですね。まず1stシーズンにチャレンジャーで登場して、2ndシーズンからモンスターに抜擢されて。

H  CHICOさんがチャレンジャーとして登場した時から、一緒に観てたママと「この人、モンスターに抜擢されそうじゃない?」って話してたんですよ。試合のクオリティも高かったし、フリースタイルバトルだけじゃなくて、ライブや音源でもこの人が知りたいって思わされるぐらいラップが上手くて。それからは音源も追って、ずっと聴かせてもらってます。

C うれしいなあ。でも、もう「ダンジョン」に出てたのは7年前。そりゃ、高校生だったhimeちゃんも大学を卒業するよね(笑)。

H 撮影の時に伺ったんですけど、CHICOさんが「ダンジョン」にモンスターとして登場されてた時って、CHICOさん自身、まだ大学生だったんですよね。

C そうですね。大学3〜4年の時かな。だから授業を受けてから「ダンジョン」の収録っていう日もあって。

H 今の私と同じぐらいか年下って時ですよね。それで「ダンジョン」のモンスターなんて……私だったら緊張で倒れてます(笑)。

C himeちゃんは大学もリリスクの活動と並行してたんだよね?

H そうなんです。で、卒業するタイミングでコロナが起きちゃって。

C ああ、なるほど。

H だから就職が決まってたのに急に内定が取り消しになったりする人もいたし、周りはかなり混乱してましたね。

C そういう状況だ。じゃあみんな就活の面接もリモートだったりしたの?

H そうですそうです。上だけスーツで下はパジャマでやってる人もいたって聞きました(笑)。

C 俺も4年生の時、周りのみんなは就活モードに走ったんだけど、俺はモンスターをやってたから、就活もしないし、髭も伸ばして髪もドレッドで。そしたら授業中に、教授にいきなり「髪を切って、髭も剃ってきなさい。周りもそうしてるんだからって」って言われたんですよ。みんなの前で。

 

H え~!

C それで「俺はこういう活動をしているから就活しないし、その報告もしましたよね」って言ったら、いきなり周りの生徒に「(みなさんは)それをどう思いますか?」って訊きはじめて。

ーーひどい圧力の掛け方!アカデミック・ハラスメントで学生課に抗議していいぐらいですよ。

C もう怒りよりも、その状況があまりにも気持ち悪くて、「もうこの講義受けるの止めます」って退室して……「ラップしよ!」って(笑)。傷ついたけど、「あんな奴に何か言われるんならラップやるわ!」ってラップのモチベーションがガンガンに上がりまくって。それで大学も辞めちゃって。

H 超嫌なやつですね、その先生。あり得ない。でも私の学校の先生もラップに対してすごく偏見がありましたね。アイドルとかラップをするよりも、学校としては、良い企業に就職してくれる方が「実績を残してる」みたいになるのかなって。

ーー大学が就職率で判断されたり、「就職予備校」のような状況になってることの弊害ですね。

C  みんなめちゃくちゃ怒ってくれるじゃん(笑)!  大学の人間関係はすごく楽しかったから、そこから離れるのは寂しかったけど、でもその判断は間違ってなかったと思う。それに「いまだ!」って思ったタイミングで勝負に出たのも、自分の性に合ってたのかなって。そういう決断の流れでいうと「ダンジョン」に出てた時期は、酒を止めるっていう決断をしてて。

H そうなんですね。

C お酒でライブが上手くいかなかったり、万が一トラブルを起こすとみっともないなって。当時は「ダンジョン」に出て、大学に通って、同時にアルバムも制作して……っていう状況だったんで、そこで酒に逃げがちだったんですよね。

ーー確かにストレスフルではありますね。

C だけど「あれ?せっかく音楽で食っていけるチャンスが目の前にあるのに、酒ばっかり飲んでるのはもったいなくないか?」と思って、とりあえず一ヶ月止めてみようと思ったら、そのまま去年まで止めてて。だけど解禁したらそれを取り返すかの如く飲んでます(笑)。himeちゃんはお酒飲みますか?

H 飲めるんですけど、「止めなきゃいけない」ぐらいは飲まないですね(笑)。でも、何かを頑張るために何かを止めるって経験はまだないですね。

●いまのhimeちゃんの年齢だったら臆せずになんでもやったほうがいい(CHICO)

 

C 俺も初めてだったけど、挑戦として面白かった。例えば、(himeの手元にあるグミを見て)グミ止めてみたら?

H 確かに! グミ食べすぎなんですよね(笑)。でも私は、例えば「モンスターになる」みたいな、環境がガラッと変わることがないんですよね。

C でも、何かのきっかけは自分で作らないと。自分で動いてそこできっかけを掴まないと、何かが変わるようなタイミングってほとんど生まれないと思う。 上からっぽくなっちゃうけど、himeちゃんの歳だったらマジで何でもやりまくった方がいいよ。曲づくりでもリリックでも、なんでもやったほうがいいと思いますよ。

H ですよね……この企画では、いつも私が決断に躊躇してしまいがちっていう悩みが話題に上っていて。

C ごはん屋さんでめっちゃ迷うタイプ?

H 迷います(笑)! だからCHICOさんみたいに、大学をすっぱり辞めてラップで勝負するみたいな判断は、もし私だったら難しいかなって。そういういろんな決断に対して、人に相談したりはするんですか?

C する。ヒップホップの仲間だったら、唾奇とかELIONEさんとか。友達にも勿論するし。だけど、そこで決めたり、答えを出して貰うっていうよりも、その中でいろんなアイディアや考え方を受け取って、それを自分の中で咀嚼して答えを出すっていう感じですかね。

H そうなんですね。

C でも「逃げではない選択」を一番大事にしてるかな。後から振り返って「あの時、逃げる選択をしたな」って後悔はしたくないから。

H それは取り返しがつかないですもんね。

C それに、口幅ったいような言い方になるけど、例えばhimeちゃんがアイドルを続けて、俺もラップを続けたことで、今日こうやって対談することが出来たわけじゃない?

H 確かに!

C そうやって考えたら、「やっぱりあの時の選択は間違ってなかったな」って思えるような未来を作らないといけないですよね。

H 心にしみました……。

C 良いこと言ったな〜。今の言葉、絶対使っといてください(笑) !

●意外な2人の共通点は教師志望だった?!

 

H ちなみに、ラップ以外に将来の夢ってありましたか?

C 俺はずっと学校の先生になりたいと思ってたんですよ。

H そうなんですか! 私もそうだったんですよ!

C 大学でも教育課程を取ってたんだけど、もし教育実習に行くとしたら、朝5時までクラブでライブして、そのまんま教育実習行って、夜は夜勤のバイトして、 MCバトルも出て、月に何度かはフリースタイルダンジョン……これは無理だなと(笑)。それでリタイヤしちゃったんだけど、でも教育実習に行きながら「フリースタイルダンジョン」に出てたら伝説だったよね(笑)。

H アハハ! 生徒に大人気ですよね(笑)。

C でも、人に教えるっていうのは好きなんだと思う。例えばスタジオでも、若い子のRECを見て「ここちょっとキーが違うかな」とか、そういうアドバイスはするし。

H 私は家庭教師のバイトをやったことがあって。

C 俺もやってた(笑)。

H そんなところに共通点があったなんて(笑)。

C 高校で停学になったりは?

H それはないです(笑)。

●「Sandra’s Son」に入ってる楽曲たちを聴くと、我ながら言葉の重みが出てきたんじゃないかなって(CHICO)

 

ーー決断という意味では、CHICOさんは2013年に沖縄から東京に拠点を移されましたね。

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