2021年もいよいよ大詰め!ということで今回はchelmicoのお二人に2021年を振り返ってもらいつつ、今年影響を受けたカルチャーや興味深かったコト/モノをレコメンドして頂きます!
撮影/横山マサト 取材&文/高木”JET”晋一郎
――今回は2021年振り返り&レコメンド企画をお送りできればと思いますが、今年のchelmicoはアルバム『COZY』、配信楽曲「三億円」のリリース、そして有観客でのライブを展開できたことがトピックとして挙げられるますね。まずはまみちゃんの「鈴木真海子 Billboard Live Tour 2021」が9月にありました。
Mamiko 楽しかった~。12月にはアンコール公演「鈴木真海子 ワンマンライブ -ENCORE-」も出来て、もう一回バンドメンバー(ドラム:ryo takahashi、ギター:近藤邦彦、ベース:井上真也、キーボード:ESME MORI&沼澤成毅)で集まれたのもうれしかった。ソロでのフェス参加だったり、いろんな経験が出来たから、成長させてもろてます。
Rachel 観ててもめっちゃ楽しかったよ。ビルボードのタイミングは私もちょっと俗世から離れてた時期だったから、久しぶりのお出かけで、まみちゃんのライブを見れたのはすごく楽しかったし、刺激にもなったから、何重の意味でも楽しい時間だったね。その刺激をchelmicoに活かすことが出来たから、すごくいい時間だった。引き続きソロもやって欲しいな。
Mamiko あら、うれしいじゃない。
――そしてchelmicoとしても有観客ライブ「chelmicoの大きい音ライブ」が行われました。
Rachel めっちゃいいライブになったと思うな。今までの中で一番評判が良かったっていう感触が個人的にもあって。
Mamiko そうだね。
Rachel 真正面から歌とラップを評価してもらったライブになった気がする。もちろん、セトリとかパフォーマンスの面も褒めてもらったけど、一番は歌とラップをちゃんと聞いてもらえたと思うし、それを褒められることが多くて。
Mamiko 確かに。それは私も感じる。
Rachel chelmicoの曲を作ってくれてるESME MORIはすごく歌に厳しい、ピッチ警察なんだけど(笑)、そのESME MORIが「あのラップが良かった」「あの曲のハーモニーが良かった」って、普通に技術面を絶賛してくれて。そういう言葉が一つ一つパワーになっているし、一人ひとりからもらった感想を覚えてるぐらい。自分としても出し尽くしたっていう感じがあったし、それが伝わったと思うから、すごく充実感があるな。
Mamiko 時間が経ってから、みんな楽しんでくれたんだなってことをよりしみじみ感じられたよね。そして、それがこれからの日常になっていくんだなって。これからchelmicoのライブも増えていくし、これが「普通の生活」になるんだなって思った。
ーー「chelmicoの日常」があのライブからリスタートしたというか。
Mamiko うん。だからいいスタートを切れたって感じてる。
ーーなるほど。ではここからは2021年にお二人が感銘を受けたもの、フィールしたものなどを伺っていければと。
Rachel 今年は出産と子育てで忙しすぎてあんまり覚えてないんだよな~。でも超印象的だったのは、7月に久しぶりに娑婆に出たときに(笑)、Mamikoと一緒に観たビリー・アイリッシュちゃんのドキュメンタリー「ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている」が超最高だった。
Mamiko 最高だったね。
Rachel 終わった瞬間、Mamikoと抱き合ったもん。
Mamiko 「グラミー獲ろう!」ってなったもんね(笑)。「わかる~」とか「そこ悩むよね!」って共感する部分もあったり。
Rachel あとビリーが超かわいい。
Mamiko 超かわいい! 超恋愛してて。彼から連絡なくて……。
Rachel 普通にそれだけ傷つくみたいな。
Mamiko ライブで泣きながら別れた恋人への曲を歌って、自分も泣いてお客さんも泣いたり。
Rachel めっちゃメンタルがギャルじゃん!って(笑)。普通の女の子だったよね。いち人間としてすごくキュートだった。私も具体的な制作から離れてる時期だったから、また曲作りたいな、制作入りたいな、グラミー獲りたいなってモードになって。 大きい画面、大きい音も久々だったから印象的な体験だったなぁ。
Mamiko あと、この連載でも前に話したけど「アメリカン・ユートピア」もかなり良かった。
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ーートーキング・ヘッズのデビッド・バーンのライブを、スパイク・リーが再構築した映画ですね。
Rachel 映画館で見逃しちゃったんだよ~。
Mamiko 絶対見たほうがいいよ!
Rachel 分かった!リバイバル上映見なきゃ!
ーー今年は音楽映画、音楽ドキュメントの良作がすごく多かったですね。「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」「ザ・ビートルズ:Get Back」 「 アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」などなど。
Rachel 観たいのばっかりだな~。
Mamiko 「映画:フィッシュマンズ」(監督:手嶋悠貴)も良かった。ここまで教えてくれるんだ!ってとこまで深堀りしてて。フィッシュマンズの有名な曲に頼らずに、フィッシュマンズのありのままを見せる構成もすごく良かった。見る人に媚びてないっていうか。私的には佐藤伸治さんのことをもっと知れて良かったな。天才だな、って思う瞬間もたくさんあるけど、基本的には音楽が好きな優しい普通の青年だったんだなって。
Rachel 私達、フィッシュマンズはリアタイじゃないからね。
Mamiko そうそう。好きな曲も沢山あるけど、生でライブを観たりはしてないから、人物像が見えなかった分、余計に映画を通して佐藤さんを知ることで親近感が湧いたんだと思う。
Rachel ドキュメンタリー繋がりで言えばクロエ・ジャオ監督の「ザ・ライダー」。
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Mamiko 面白かった?
Rachel 面白かった! 面白いって言うかすげーって感じ。たまたま「ノマドランド」が公開される前に観たんだけど、空気感が興味深くて。まみちゃんも絶対好きだと思うよ。
Mamiko チェックリストに入れました。
Rachel チェックしてください。
Mamiko 私は「泳ぎすぎた夜」(監督:ダミアン・マニベル/五十嵐耕平)
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Rachel これオススメしてくれたね。
Mamiko 日本人とフランス人の監督が、イオンモールみたいな場所で一般の子供を観察して、「いいね」って思った子供をスカウトして、その家族をずっと撮り続けるっていう。ストーリーとしてはお父さんの職場に子供が遊びに行くのを撮ってるだけのシンプルなドキュメントで、セリフもほぼ無いんだけど、子供の頃ってこんなに色んな発見があって、一つ一つこんなに面白くて、一日が長かったんだよな、って事を思い出させてくれた。そんな気持ち、全部忘れちゃってたな~って(笑)。映像もとにかく綺麗で素敵だった。みんなにオススメしといて!
Rachel 伝えといて!
ーー書いておきました(笑)。
Rachel でもドキュメンタリー大豊作時代だね。なんでだろうね。人と人が離れたから、人のリアルを見たいのかな。
ーーでは本などはいかがでしょう?
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