「僕らが殺した、最愛のキミ」短期集中連載Vol.03 古川毅インタビュー

『僕らが殺した、最愛のキミ』連載。今日は古川毅さんが登場。極限状態で繰り広げられる超ハードな密室グロきゅんラブストーリーとなる今作で、狂気に満ちた悠真を演じた古川さん。撮影秘話や、同じ事務所の宮世琉弥さんのこと、プライベートで仲のいい若林時英さんとのエピソード、俳優仕事をすることで深まるSUPER★DRAGONへの思いなどを教えてもらいました!

 

取材&文/吉田可奈 撮影/佐野円香

「僕らが殺した、最愛のキミ」短期集中連載Vol.02 宮世琉弥インタビュー

 

――今作での古川さんが演じる“亀井悠真”は、狂気に溢れている役となります。これまで古川さんを見てきた人たちにはざわつくようなお芝居になりそうですね。

 

そうですね。ざわついてもらえるといいなと思います(笑)。

 

――実際にこの役をもらったときの印象を教えてください。

 

僕にとって、新境地となる役だなと思いました。じつはここ最近、SUPER★DRAGONとしての活動が多かったんです。そんななか、久しぶりにお芝居のお仕事をいただいたタイミングで、このような役をやらせていただくということは、挑戦でもありますし、“これは一皮むけなくてはいけないな”と感じました。役者として活動することで、グループのことも引っ張っていきたいなと思っていた矢先でもあったので、すごくうれしかったですね。

――とはいえ、難しい役だからこそ、求められるものはすごく多かったのではないでしょうか。

 

そうですね。これまでは等身大な役が多かったので僕自身が共感することも多く、演じやすい部分が多かったんです。でも、今回は普段の僕とはまったく違うので、撮影に入る前からたばこを吸ったりと、役作りからしっかり始めました。

 

――共通点はなさそうですよね(笑)。

 

ないですね。ただ、僕も黙っていると一見怖そうに見られることはあるんです。でも、少しでも中身を知ってもらえたらすぐにわかると思うのですが、全然怖くないんですよ(笑)。でも、悠真の場合は、知れば知るほどに怖いんです。僕自身とっつきにくそうと言われるので、最近は明るく、少しテンションを上げていかないと良くないなと思うようになってきたくらいなんですけど、そういったことを一切考えていなかった頃にキャスティングをしていただいたので、出会うべくして出会った役なのかもしれません(笑)。

 

――あはは。パブリックイメージがそうさせていたのかもしれないですね。

 

それはいいのか悪いのかはわからないですが、こういう役をいただけるのは巡り合わせですし、しっかりと悠真を全うして、この作品に彩りを与えられたらいいなと思いながら、もがきながら演じていました。

 

――たしかに、これまで演じていた役は、クールだけど実は熱かったり、可愛かったりするところがありましたよね。

 

そうなんです。映画『犬鳴村』で演じた役はミステリアスな雰囲気ではありましたが、人間味のある優しい青年でしたし、ドラマ『FAKE MOTION』(日本テレビ系)の光太郎も、一見クールですがすごく仲間想いの熱いヤツでしたからね。今回はまったく違うんです。

――狂気の部分がすごく強く描かれていますよね。

 

そうですね。口数もすごく少ない役だったので、緩急をつけるのが難しかったですね。さらに、悠真がひと言発するごとにその場の空気がガラッと変わるんです。みんなの表情もそこで一変して、悠真に視線が向くというシーンが多かったので、意識しながら演じました。あまりにも難しかったので、撮影前はもちろん、現場に向かう途中も悠真の感覚をしっかり入れられるようにずっと彼のことを考えていましたね。

 

――演じている間は悠真のことばかり考えていたんですね。

 

はい。悠真のバックボーンはアウトローな匂いがするので、あえて暗くて重めなHIP HOPを聴いたりして、朝からどよ~んとしながら演じたりしていました。

 

――いい意味で、わざと役に引っ張られるようにしていたんですね。

 

そうなんです。いまの彼を取り囲む環境の悪さをしっかりと自分に植え付けなくちゃダメだなと思ったんですよ。それをしっかりとイメージできるように考えながら現場に向かっていました。

――そんなハードな役を演じるのは本当に大変だと思うのですが、現場にドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)で共演したメンバーや、同じ事務所で、共演経験もある宮世琉弥さんがいたことはかなり救いになったのではないでしょうか。

 

本当に助かりました。(若林)時英とは高校生のときからの仲ですし、それこそ(鈴木)仁や(大原)優乃ちゃんとは『3年A組』で共演していて、事務所の後輩である琉弥もいて…。メンバ―を見たときに、“こんなに知っている人たちがいっぱいいるのはすごく安心するな”って思ったんです。とくに時英とはプライベートでもよく会っていて、不思議な縁があるんです。なので、この作品を一緒に盛り上げて頑張っていこうと話し合いながら撮影に臨めたのですごく助けられました。さらに、みんなが撮影に入る前の空気作りにも、シンパシーを感じて、“自分もしっかりやらなくちゃ”と刺激をもらったんです。つねに身が引き締まる思いで演じられたので、すごく楽しかったです。

 

――同世代の実力派俳優の皆さんが一堂に会している現場ということで、焦ったりはありましたか?

 

あまり焦りはありませんでした。なによりも受ける刺激が大きかったです。柴田(啓佑)監督もすごく丁寧な方で、細かく演技指導をしてくださるんです。おっしゃることすべて辻褄があっていますし、役の感情を第一優先してくれるので、すべてにおいて信頼が出来るんです。たくさんサポートもしてくださったし、望むものが返ってくる関係がすごく心地よくて、愛おしい現場でした。

 

――当たり前のことですが、監督が悠真のことをしっかりと理解して撮影してくれたという感覚があったんですね。

 

そうですね。僕自身ももがきながら撮影していたということもあって、自分が持っていた芝居プランが意外と届ききっていないなというときに、監督は「考え方の角度を変えた方がいい」とおっしゃってくれて。その言葉を自分でかみ砕きながら、目の前にいる6人をしっかりと見ながら演じていたんです。みんなの芝居を受けて、応えながら演じていた空気感はすごく良かったですね。

――ちなみに、若林さんとはなにがきっかけでそこまで仲良くなったのでしょうか。

 

時英は、高校1年生のときに共通の友だち…というかM!LKの吉田仁人を介して知り合ったんですよ。

 

――本当にプライベートでの友だちだったんですね。

 

はい。そこで連絡先を交換していたんですよね。その後に僕が俳優デビューした『兄友』という映画の現場に行ったら、時英がいて「おお!」ってお互いビックリして(笑)。さらに時英がメインキャストになっていた、中川大志くん主演のドラマ『覚悟はいいかそこの女子。』(MBSほか)でも、僕らSUPER★DRAGONが主題歌をやっていたんです。そんな繋がりを経て『3年A組』での共演だったので、すごく縁が深いんです。それにしても、『3年A組』で教室に監禁されて、また一緒にビルに監禁されるとは思ってもいませんでした(笑)。

 

――あはは。監禁されがちなんですね。

 

そんなこと、なかなかないですよね(笑)。時英とも「また俺ら、密室か」と話していて。

 

――2年を経て、若林さんのお芝居はどう映りましたか?

 

この2年間、お互いいろんなことを経験して、現場を踏んできたのもそうですし、いろいろ角が取れたというか、すごく丸くなった気がしていて。コロナ禍という自粛期間もあって、自分と向き合った先にこの作品があったので、お互いが整った状態で、もっと頑張るぞというポジティブなエネルギーを持って同じ現場で共演できたのはすごくうれしかったです。久しぶりの現場での再会だったので積もる話がすごくあったんですよ。そのときにはとてもポジティブなマインドで話すことが多くて、“俺たちで頑張って引っ張っていこう”という話をしながら進めていきました。

 

――すごくいい繋がりですね。

 

本当にそうですね。彼は芝居一本でずっとやってきている人だから、俳優として刺激を受けましたし、2年前の立ち姿と全然違って、さらに頼もしくなったんです。2年前はお互いにいい意味でも悪い意味でも尖っていた部分があったのですがその角が取れたことで、その頃よりもさらに仲良くなれて、深い関係になれたので、すべてを預けられました。さらに、本番前もふたりのシーンでは空気感を共有しやすかったのですごく助かりました。

――EBiDANのメンバーといるときと、役者仲間といるときはまた違う感覚なんでしょうね。

 

そうですね。役者の現場はとにかく集中力が必要なんです。それこそ、私生活に引っ張られたりもするくらい。でもそれは音楽にも通じるものがあるので、お芝居の場で受けたもの、感じたものをSUPER★DRAGONに持って帰れたらいいなと思っていました。メンバーにも、その気持ちをリモート会議などで共有していたんですよ。

 

――そうだったんですね。

 

“いま僕はこういう良い現場で頑張っているから、みんなもそれぞれの場でモチベーションをあげてやっていこう”ってメンバーを鼓舞していたんです。家にこもる時間が長いと、どうしてもネガティブになってしまうんですよね。でも、メンバーの誰かが頑張っていると、いい方向に引っ張られるんです。なので、今後もいい空気をメンバーにも、役者としての現場にも持って行けるような人になりたいなと思っています。

 

 

古川毅(ふるかわつよし)●2000年2月27日生まれ。2015年にSUPER★DRAGONのメンバーとしてデビュー。アーティスト活動と並行して2018年に映画『兄友』で俳優デビュー。主な出演作としては、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)、『結婚できないにはワケがある。』(朝日放送テレビ系)、映画『犬鳴村』などがある。毎週水曜オンエア「よるのブランチ」(TBS系)にレギュラー出演中。

<ドラマ情報>

TELASAオリジナルドラマ 『僕らが殺した、最愛のキミ』
【第1話・第2話】 2021/09/17(金)20:00~(※第1話は無料配信)
【第3話・第4話】 2021/09/24(金)20:00~
【第5話】 2021/10/01(金)20:00~
【第6話】 2021/10/08(金)20:00~
https://www.telasa.jp/series/11875

「僕らが殺した、最愛のキミ」短期集中連載 Vol.01 キャスト全員集合インタビュー

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