『僕らが殺した、最愛のキミ』連載! トップバッターは宮世琉弥さん。極限状態で繰り広げられる超ハードな密室グロきゅんラブストーリーとなる今作は、手に汗握る展開に。ドラマのなかで事件に巻き込まれる全員が集まるきっかけを作った、ミステリアスな中村薫を演じた宮世さんに撮影秘話を教えてもらいました!
取材&文/吉田可奈 撮影/佐野円香
――宮世さんが最初にこの脚本を読んだ印象を教えてください。
僕が演じる“中村薫”という役はすごく説明しづらい役なんです。しかも、撮影は先々の台本を渡されることなく、この先の展開がどうなるのかわからない形でお芝居が始まったんですよ。すべて順撮りでスタートして、その都度台本が渡されていたので、薫がどういう目的でみんなを集め、この先どうなっていくのかが分からない状態のなかで手探りで演じるのは、すごく難しかったですね。
――監督とはどのような話し合いをして進めていったのでしょうか。
どんなお芝居で見せていけばいいか、どんな表情がいいのかを、その場その場で僕からも提案させていただいて、相談させてもらいながら進めていきました。何よりも、薫は感情を見せてはいけない役だったので、どんなことを考えているか、僕にも全然分からないんです。かといって、お芝居をしているとどうしても薫としての感情が動きや表情に浮き出てしまって。それを隠さなくちゃいけないので、これまでやってきた役の中では一番難しかったです。ただ、難しいからこそ、こういった役はいつか挑戦したいという気持ちがあったんです。だからこそ、すごくやりがいがありましたし、あらためてお芝居の楽しさを感じた現場でした。
――台本を読ませていただきましたが、たしかに難しい役どころですよね。さらに、過去の自分を他のみんなに覚えてもらえていない、というような悲しいシーンもありました。共感するところはありましたか?
薫が本当の自分を見せず、猫を被っているところはすごく共感しました。それは自分が猫を被っているという直接的な意味ではなくて、僕は疲れているときや、眠れていないときも、現場ではそのネガティブなところを絶対に見せないようにしているんです。薫も、いじめられているというか、周りから気にもしてもらえない状態だったからこそ、自分ではない誰かに対して一生懸命になっているんですよね。そう考えると、僕のいまの気持ちを、もっと広げていった先にいるのが薫なんじゃないかなと思ったんです。
――今作の鍵となるゲームを始めたのも薫ですよね。でも、なぜそういう場を用意したのかはわからないままという。
そうなんです。僕も、薫がどういった気持ちやきっかけで同窓会を開いたのかというのは、本当に演じる直前の直前まで知らせてもらえなかったので(笑)。監督の言葉だけを頼りに演じていました。
――ドラマでは、みんなから浮いてしまっている役でしたが、現場ではどんな雰囲気でしたか?
キャスト同士の雰囲気はすごく良かったです。全員が同年代ですし、実際に高め合って、刺激し合っていることが手に取るように分かったんです。個性が強めのキャラクターがいるときって、ドラマの中ではどうしてもぶつかるんですよね。でも、そのぶつかったときの衝撃って、リアルな世界では体験することができないので、すごく楽しいんです。さらに今作は全員が容疑者というミステリーなので、個性の強い7人が集まり、バンバン罵声を浴びさせあって。その非日常感は、演じていてすごく難しいのですが、楽しくもありました。さらに、撮影中はずっと同じビル内にいたので、すごく濃い時間を過ごせました。役にも入り込めましたし、演じていてやりやすかったです。
――その環境が役作りに適していたんですね。
はい。すごく良い環境でお芝居をすることができました。
――古川毅さんとは何度か共演の経験がありますが、今回お芝居してみていかがでしたか?
毅くんとはこれまでに2回くらい一緒にお芝居をさせてもらっているんですが、また違う雰囲気の役での共演だったのですごく楽しかったです。やっぱり、いろんな刺激をもらいましたし、近いうちにまた共演できたらいいな、と思っています。何度か共演していたからこそ、次はどんな姿を見せてくれるんだろうって思うんですよ。
――会うたびに違う印象をくれるんですね。
そうですね。1回目は、シーブリーズのWEBドラマで共演させてもらったんです。そのときの毅くんは爽やかなイケメン役で、僕は無邪気な役だったんです。今作と重ねてみると、僕はサイコパスになっているし、毅くんはヤンキーになっているので、比べながら観たらビックリすると思います。僕も現場で初めて会ったときは“毅くん、金髪になっちゃってるし、不良だし、どうしましょう!”って思いました(笑)。
――さらに、高橋文哉さんとは初共演になりますが、いかがでしたか?
じつは僕、文哉くんのことは昔から知っていたんです。文哉くんって料理が上手なのでYouTubeにその動画が上がっているんです。それを見たりしていて。
――すごく意外なのですが、なぜ見ることになったんですか?
最初に文哉くんをSNSか雑誌で見かけて、“すごいイケメンの方がいるな”と思って調べたんです。そしたらYouTubeが出てきて、料理をしている姿を見たという感じです(笑)。あと、雑誌の“ネクストブレイク俳優”みたいな特集でありがたくも僕の名前を挙げていただくことがあったのですが、文哉くんのお名前も一緒に挙がっていて、すごく意識はしていました。今回ご縁があって今作で一緒に共演できたことは、すごくうれしかったです。それもあって、現場では一気に仲良くなりました。
――波長が合うのかもしれないですね。
すごく合います。撮影が終わったいまも、一緒にゲームをやったりしています。
――そうだったんですね。さて、今作は本当に予想が出来ない展開となっていますが、撮影中、犯人は誰かわかりましたか?
それが全然わからなくて! みなさんもかなり悩むんじゃないかなと思います。
――それにしても、薫は今回なぜ同窓会を開いたのでしょうね。
薫はきっと、メンバーを入れ替えて何度も同窓会をやっていると思うんですよ。
――それはどうしてだと思いますか?
最初はただ純粋に自分のことを覚えていてもらいたい、みんなと仲良くなりたい、という純粋な気持ちから、だと思うんです。ただ、どこでボタンを掛け違えたのか、殺人が始まってしまい……。だからこそ、視聴者のみなさんだけでも、薫のことをしっかりと見てあげて欲しいし、薫のことを覚えていて欲しいと思っています!
宮世琉弥(みやせりゅうび)●2004年1月22日生まれ。2019年ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)で俳優デビュー。2020年には、ドラマ『恋する母たち』(TBS系)に出演し話題に。『めざましテレビ』(フジテレビ系)のマンスリープレゼンターに史上最年少で抜擢され、現在放送中のドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系/毎週月曜21:00オンエア)にも出演中。
<ドラマ情報>
TELASAオリジナルドラマ 『僕らが殺した、最愛のキミ』
【第1話・第2話】 2021/09/17(金)20:00~(※第1話は無料配信)
【第3話・第4話】 2021/09/24(金)20:00~
【第5話】 2021/10/01(金)20:00~
【第6話】 2021/10/08(金)20:00~
https://www.telasa.jp/series/11875
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