今回は押井少年の心を揺さぶったヒーローものの中から特に記憶に残る『エイトマン』が話題に。時を経て、同作を“あだ花”と呼ぶ、その理由とは?
取材・構成/渡辺麻紀
――今回は桑田次郎の『エイトマン』(1963~1965年)です。『週刊少年マガジン』に1963年から1965年まで連載され、1963年の11月からはTBSでアニメシリーズ化。1964年の12月まで続いていますね。漫画での表記は『8マン』、アニメでの表記は『エイトマン』だったそうです。
わたしは最初に漫画、それからアニメを観た。『009』(『サイボーグ009』<1964年~>)と双璧をなすサイボーグ・ヒーローが8マン。図らずも“8”と“9”ですよ。
――あ、そうですね。偶然にしても面白い。こちらの“8”はどんな意味があるんですか。
8番目の刑事です。敵の罠にはまって瀕死の状態だった警視庁の刑事が、ロボットの電子頭脳に記憶を移植され、エイトマンとなって甦る。8番目というのは番外という意味。7班ある警視庁の捜査チームの番外だから“8”なんです。
――その設定は、まるで『ロボコップ』(1987年)じゃないですか!
こちらは(今から)60年前のアイデアなんだからね。そういうアイデアが生まれたのも、原作者がSF作家の平井和正だからだよ。たとえば、エイトマンはたばこのようなものを吸っていることでも知られているけど、あれは何のためだか憶えてる?
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