「年末年始プレッシャー」【戸田真琴 2020年12月号 連載】『肯定のフィロソフィー』

「私、年末年始が得意じゃない。」先日、Podcast「戸田真琴と飯田エリカの保健室」の収録時に飯田さんが言った言葉だ。驚くほどしっくりきて笑ってしまった。
 本当に、私も年末年始が得意ではない。ずっと続いている時間を区切ることで何かみんなが同時に同じスタートラインに立たされるような感じも同調圧力があるようで嫌いだし、実家に帰って家族と過ごすとか、恋人や大事な人と過ごすべきとか、おせちやお雑煮を食べるべきだとか、たくさんの退屈な「普通」で溢れているのもプレッシャーを感じる。
 お正月番組の垂れ流される居間で延々と出てくるもちや雑煮をお腹に詰め込む作業も激しいバッドトリップに襲われるのが常なのでなるべくしたくないし、ようやっと2日になって初売りに行っても人気ブランドの福袋の中身が全部うんこ色の服だったことも記憶に新しい。その時はそのまま友人と共にカラオケボックスに移動して、今日買ったいくつかの福袋の中身を使ってよりダサいコーディネートを組んだほうが勝ちのバトルをした。結局福袋の中身なんてどちらもほとんど同じだったので、全身うんこ色に身を包んだ女がふたり完成しただけだった。

 そもそも、一年間のうち最も長く休みが取れるのが年末年始であることがほとんどなのに、なぜその貴重な「人と会わなくてもいい期間」に、わざわざくだらない予定を詰め込まなければいけないのだろうか。こんなひどいことを言う私にも一応親しい人たちがいて、クリスマスとか大晦日とかを一緒に過ごすことがきっと人としてすてきで楽しい道なのかもしれないという考えが過ぎるものの、もうどうしたってずっと1人になりたかった2020年の終わりに、私は精神と時の部屋に入りたいがため、ある計画を実行しようと思う。

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