どうなる? 映画館 どうなる? 映画業界 【大根仁 2020年8月号 連載】

新型コロナウィルスの影響で映画館や劇場、ホールなどの集客を主な収入源とするエンタテイメントが大打撃を受けていることなど、今さらオレが論じる必要は無いが、それらの場所がクローズしていたり、客席間隔が空いていたりするのは寂しい。久しぶりに映画館で観たのはウディ・アレン監督の新作……と言えるのかどうかわからないが、#MeToo問題で本国アメリカでは公開中止となってしまった『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』と、これまた新作ではなくリバイバル上映の『風の谷のナウシカ』だった。

 

公開初日に観た『レイニー〜』は、客席を市松模様に間隔を空けたチケット販売だったが、悲しいことにまったくそんな必要はなく、まさかの観客オレ1人の貸し切り状態。一方『ナウシカ』も同様に市松間隔だったが、チケット完売の満席……とはいえ実際は半分しか埋まっていない。日頃、映画を観る時は半分くらいの入りがいちばん好きなのだが、いざこういう状況になってしまうと、映画監督の端くれとしても、映画ファンとしても、物悲しい気持ちになる。某大手映画会社はいくつかの作品を除いて、年内の新作撮影は中止にしたらしい。テレビドラマや配信系と違って、現金商売&客席が埋まってナンボの映画は、今後の状況が見えてこない限り、新作を作るにはリスクが大き過ぎるので賢明な判断と思う。6月中旬、その某大手映画会社のプロデューサーと会ったのだが、以下はその時の会話。

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