猫のつまらない話 第7回【2021年1月号 能町みね子 連載】

文&題字イラスト/能町みね子 写真/サムソン高橋

 

 猫カフェによって中途半端に猫成分を摂取してしまったため、中毒症状によって猫飼いたい欲が極限に高まり、鼻息も荒くなりもうこのままでは犯罪に走ってしまうかもしれない、隙あらば猫を誘拐しかねないアウトローの匂いを私がぷんぷんたぎらせている頃、私がいちばん頻繁にやりとりしているLINEグループに不意に猫の画像がアップされました。仕事場の下のペロペロニャンニャン号といい、急にできた猫カフェといい、世界が私に猫を飼わせようとしている。

 LINEグループに投下されたのは、グループのメンバーであるPのお姉ちゃんが一時的に保護している子で、まだ生まれて1ヶ月半くらいの黒ぶちの子猫。事故で片足を失ってしまったところを見つかったらしい。ケガの手術は済んでいて元気で、いま飼い主をさがしているとのこと。このLINEグループに向けて飼い主を募集しているわけでもなく、ただ単に「姉ちゃんが保護している子猫ちゃんめっちゃかわいい(泣)」といってお姉ちゃんの「#飼い主募集中」のインスタ画像を上げた、というだけの話でした。私にとっては生殺しだ!あーどうしよう、これは縁なんじゃないの?このタイミングで言っちゃう?引き取りたいって言ってみる?こういうのって勢いじゃない?

「飼おうかな…迷う」

 クソほど消極的なLINEを送ってしまった!

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