【2020年6月号 天久聖一 連載】渡部スキャンダルをノベライズする『ノベライズジャパン』

渡部スキャンダルをノベライズする

 

 

なあ、渡部よ。俺はいまから、お前を殴る。

それしきの制裁が、なんの贖罪にもならないことは分かっている。
だが、このままなんの罰もないのでは、なによりお前自身が一番傷つくだろう。
だからいまから、お前を殴る。

断っておくが、俺はお前の相方、児嶋ではない。お前とはまったく関係ない一般人だ。
一方的にお前を知っているだけの、大衆のひとりに過ぎん。

お前は佐々木希さんという芸能界きっての美人女優を妻にしながら、不倫などという言葉では生温い、数々のゲス行為を暴露された挙げ句、見事に破滅した。

その詳細はここに書くのも憚られるほど、ハレンチ極まりない。
多目的トイレをあのような目的に使ってはならない。あれは不味かった。さすがに引いた。
ただ、その現場が六本木ヒルズのトイレだったという点には、ほんの少しだけ、俺たち貧乏人の性的ファンタジーを刺激するエンタメ要素があった。

なあ、渡部よ。お前はいったい何と戦っていたんだ?
美人過ぎる妻か? 世間か? それとも自分自身とか?
いったい何がお前に、多目的トイレの目的をあれほど拡大解釈させたのか──?

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