能町みね子さんの『結婚の奴』を読んでいて、ふと気が付きました。「あ、そういえばこの連載で結婚について話したことなかったな」と。というわけで、なんでも言えそうだけど、意外と言いにくい話題だったりする「結婚」について、3人で語ってもらいました。(初出:TV Bros.2020年6月号 総集編特大号)
構成/前田隆弘
【書籍情報】
能町みね子『結婚の奴』(平凡社) 1,500円+税 発売中
人生を変えるような恋愛だの結婚だのは無理だが、ひとりは嫌だ──ゲイの男性と「結婚」と称して同居を始め、恋愛でも友情でもない二人の生活をつくるまでを綴 った能町みね子の最新作。
結婚を語るのは、枠組みに入った人ばかり
──前回の連載の最後で「ハワイふれあわない旅」の話が出てましたけど、まさか番組で行くことになってたとは知りませんでした。で、ハワイどうでした?
ヒャダ 誰とも触れ合わなかったですね。
久保 でも良かったよ。日本で「部屋を掃除する」とか、ストレスを減らすようなことをちまちまやってたのが馬鹿らしくなるくらい気持ちよかった。ハワイってすごいドーピングだね。
──環境ドーピング。
久保 ためてたストレス値をパンと飛ばすようなすごさがあった。あんなところに住んでいる人がいるんだよね。…おや、こんなところに『結婚の奴』という本が置いてありますよ、能町さん。
能町 ありがとうございます。大ヒットです。いや、中ヒットかな。4刷いきました。
ヒャダ すごい!
能町 久保さんは、めちゃくちゃいい推薦文書いてくれて。ありがとうございました。
久保 能町さんの文章は省略がないんだよね。フィクションの恋愛ものでも、「お互いなんとなく好きになる」みたいな描き方をしてて、「その過程が大事なんだよ!」ってところを平気ですっ飛ばしたりするわけですよ。でも能町さんは(自分の体験なので)恥ずかしくて飛ばすかもしれないところを、しっかりボリュームを割いて書いてる。そこはやっぱり能町さんの筆致だなと思った。あと、能町さんがゲストで出た武田砂鉄のラジオ(TBSラジオ「ACTION」)でも言ってたけど、最初の1文のキャッチーさがすご過ぎる(*)。
*「夫(仮)の持ち家についに引っ越した日の夜中、私は水状のウンコを漏らした。」という書き出し。
ヒャダ ど頭のインパクトすごかったですよね。
久保 「結婚」という言葉は、人と立場によってイメージが全然変わっちゃうものだから、今の能町さんの立場でこれを書いたのは大事なことだったと思う。で、そのラジオを聞いてたら、その日のメールテーマが「結婚の違和感」だったんですよ。
能町 私はそれ、知らなかったんだよね。
久保 能町さんがゲストで出てくるまで、メールがいくつか読まれたんですけど、どれも「結婚相手に困ってない立場からの違和感」を言う人たちばかりで。
能町 そうなるんでしょうね。
久保 「結婚式には興味ないから式は挙げてない」とか、「自分の姓を変えるのに違和感がある」とか、出会えたことに関してはすっ飛ばしてるじゃないですか。でも能町さんの本を読みたいという人は、まず「その枠組みに入れない」という人だと思うんですよ。
──あと、その枠組みに疑問がある人とか。
ヒャダ そもそも結婚に向いてない人とか。
久保 でもメールは「枠組みにすんなり入れてる人」のメールばっかり読まれてて。だから「早く能町さん出てきて!」って、放送中めちゃくちゃLINEしたもんね。
能町 来てました(笑)。
雨宮さんの葬式のこと
久保 去年、結婚ラッシュのニュースを見ていて、別にそれにいちいち傷ついたりはしなかったけれども、「自分はそれができない側の人間なんだな」という微妙なダメージはあったわけですよ。そういう中で能町さんの本を読めたのは、私にとって、去年の年末での唯一の救いだった。あと、(本の中に)何気に自分も出てきてたし、雨宮(まみ)さんの話も書いてあったし。能町さんが丁寧に雨宮さんの話を書いてたけど、「私、その場にいたのに全然そのシーンは覚えてないな」と思ったりした。
能町 私、書いてから思い出したこともあって。久保さんと、誰だか覚えてない人と野方のマックまで歩いた……なんて書きましたけど、あれはペヤンヌマキさんだったんですよね。
久保 そうそう、ペヤンヌさん。でもそこは、混乱している感じが文章に出ていて良かったと思う。私はむしろ、能町さんがご焼香を投げつけてた場面のほうがインパクトでかかった。
能町 そこは見えてましたか。
久保 見えてましたよ。葬式って、相手がどう思ってるかの答え合わせができない場所だから、自分がどれだけ感情的になっても、何も答え合わせできないんだよね。だから私は決められた段取りを粛々とこなす…という方に意識を割いてた。でもその後、能町さんと私と前田さんとで、3人で帰ったのはぼんやり覚えてる。
──ドトールに寄りましたね。
能町 そう。ちょっとだらだらして。
久保 それと、あの葬式でまんしゅうきつこさんに初めてお会いして。喪服を着て、元気のないまんしゅうきつこさんが、しりあがり寿さんの描くOLとそっくりだった。
能町 ああ、似てそう。
ヒャダ 幸薄そうなやつ。
久保 なんか(葬式の内容よりも)そういうのばっかり覚えてるんだよね。そのときに、「やっぱり結婚でもしない限り、火葬場で骨を拾うところまでは連れてってもらえないんだな」と思った。普段めったに連絡を取ってない親戚が骨を拾えて、本人と仲がいい人は骨を拾えないんだなって。そう思うと、タッキー(滝沢秀明)に「ジャニーさんの遺骨をかっぱらってきて」と頼む中居(正広)さんってすごいよね。まず「タッキーは骨拾うところまで行けるんだ」というすごさがあって、それに対して「骨をかっぱらって」と頼む中居さんのすごさ。
ヒャダ 会見のときに骨を見せてましたよね。
久保 そう、それを見せるすごさもあった。
漏らしてみるもんだね
──さっきの久保さんの話は鋭いなと思ってて。結婚について語られるときって、だいたい「結婚の枠組みに入った(経験した)側」からの話ばかりで、枠外からの話は全然出てこないですよね。
久保 そうなんだよね。「結婚というのは特別なものじゃないから」って、結婚してる側の人から言われると、「う、うん、うーん…」ってなる。
ヒャダ 「結婚してない人生もアリだと思うの」とか言う人でしょ?
久保 そう。
能町 東大に行って「人生学歴じゃないよ」とは絶対言えない、みたいなのはありますね。
ヒャダ それは難しいっすよね。
久保 できてる側の人間ができない側の人間に「なんでできないの?」って言っちゃいけないの、大きなルールなんですよね。だから、この本は絶妙なタイミングだった。しかも行動を起こしてる。行動を起こしてない人はこの本書けないし。
能町 ありがたいです。めっちゃ余談なんですけど、本の冒頭で、いきなりジェラートピケにうんこ漏らしてるじゃないですか。で、ジェラートピケとの広告コラボが来ました。
一同 えーーーっ!
──読んで?
能町 読んで。私はむしろ「怒られるんじゃないか」と思ってたんですけど。よく企画したな、よく通したなと思って。もう写真を撮ってきました。広告というよりタイアップのネット記事みたいな感じなんですけど(*)。
*「能町みね子とつくるジェラート ピケの世界。」のタイトルで公開中。
久保 うんことジェラピケってくっつくの? いろんな意味でくっつくけど。
──ジェラートといえばジェラートですからね。
能町 ジェラピケ、寛容だなと思って。
ヒャダ 漏らしてみるもんですね。
能町 漏らしてみるもんだよね。話それちゃった。結婚について話してたんだよね。
久保 ヒャダインさんの結婚観、改めて聞きたい。
ヒャダインの結婚観
能町 ヒャダインさんの自分婚(自分自身と結婚すること)は続いてるんですか?
ヒャダ 続いてますね。料理も上手くなっちゃって。大変ですよ。だから外食するという考え、なくなっちゃいましたね。
能町 家で作ってくれるから。
ヒャダ そうなんですよ。ちょっと太っちゃうんですけど。
能町 幸せ太りか。最近2人で行ったところは?
ヒャダ ハワイも行ったし、あとサウナも好きなんで、一緒に行くことは多いですね。というか、ほぼ一緒に行きますね。
能町 「1人になりたい」とは思わない(笑)?
ヒャダ どうなんだろう…もうお互い空気みたいな存在ですからね。価値観がすごく似てるので。一緒にいても苦じゃないんですよ。
久保 自分婚はちょっと置いといて、中居さん的言い方(*)をすると、ヒャダインさんが今後、自分とはまったく別の人間と一緒に共同生活をするという可能性は、何%から何%なんだろう?
*ジャニーズ事務所退所の記者会見で、SMAP再結成の可能性について聞かれた中居正広が「1%から99%の中にあると思いますよ」と答えたこと。
ヒャダ それこそまさに、1%から99%ですね。
能町 ゼロではない?
ヒャダ ゼロではないと思います。ただ、これまで1人で成立する生活とマインドをずっと蓄積してきて、でもやっぱり折れる瞬間もあるわけじゃないですか。
久保 うん、ある。
ヒャダ 「これを1人で乗り切るのはつらい」とか、「寂しい」とか。物理的に「1人だと無理だ」というときもあって。それをお金の力や精神力の強さで乗り切って、その「乗り切る工夫」を40という年齢になるまで積み上げてきたんです。だから1人で生きていくことの強度は、たしかに強くなったと思うんですよね。その強度が強くなった代償として、誰かと一緒にいることができなくなったという。
能町 自分という人間を「1人で生きること」の方に適正化していくみたいな。
ヒャダ そう。キリンが首を長くして環境に適応していったみたいなことですね。
久保 でも自分の意思とは別に、誰かに巻き込まれる可能性とかも…。
ヒャダ 「巻き込まれたい」という気持ちはありますけどね。でも「僕の積み上げた強度なめんなよ」というのもあって。ちょっとやそっとじゃ絶対巻き込まれないと思います。そのくらい、1人で立ってられる強さ…僕はあえて強さと言いますけど…というのを高めてきたので。
能町 そもそも「誰かと2人でいられたらいいな」とも思ってないわけですもんね。
ヒャダ そうなんです。だから「誰かと暮らすことに向いてない」という根っこは能町さんと同じだったかもしれないんですよ。でも僕はそこから分派して、1人で成立するように強度を高める方向に行ったというか。正直、猫の存在も大きいんですけど。
──「1人としての強度を高める」というのは、実は結婚するしないに関係なく、みんなに必要なんじゃないかと思ってて。先日亡くなった野村克也さんもそうですけど、「妻に先立たれた夫が長生きできずに死ぬ」みたいなやつ、よくありますよね。あれって精神的なダメージが大きいのもありますけど、夫に生活力が全然ないことも原因としてあると思うんですよね。
ヒャダ それは大きいでしょうね。
久保 私の生活に対する適応能力は、この年になってまた変わってきたなと感じてて。エリヘル(*)になってから掃除の回数も増えたし、(生活空間の)居心地の悪さに対して対処するようになった。「この汚れはこうすると落ちる」みたいなことにいっぱい気付かされるから、誰かと暮らしたいと思ってるわけじゃないんだけど、暮らすにしても知らないままでいるよりかは知ってからのほうがいいかなと思う。
*’19年の夏から始めたデトックスプログラムで、健康に対する意識が爆上がりし、久保は「エリートヘルス嬢」となった。
同じベッドで寝るのか問題
──僕、個人的に抵抗あるのが「毎日同じベッドで寝る」という…。
ヒャダ (食い気味に)絶対無理!
久保 そうなの?
──2つ並べて寝るのはいいんですよ。でもアメリカみたいに大きなベッドで2人で寝るというのが…。
ヒャダ (食い気味に)絶対無理!
久保 すごい。「絶対無理」ってずっと言ってる(笑)。
能町 私もけっこう無理なんですよ。だから今、(夫と)違う部屋で寝てるのはすごく良くて。一緒のベッド、彼氏がいたときも苦手だったんですよ。人がすぐ隣にいると、なんか落ち着かない。
ヒャダ 熟睡できないじゃないですか。僕、睡眠が大好きなので、邪魔しないでほしい。
能町 ツインルームですら、ちょっと落ち着かない。
ヒャダ 分かります。
能町 ハワイ旅行で、久保さんと部屋が一緒だったじゃないですか。ああいうとき、私はほぼ先に眠れないんですよ。9割方そうですね。人がいるというだけで、なんかリラックスできずに寝付けない。でも、猫とは一緒に寝てるんですよ。
ヒャダ 終始ずっと?
能町 終始です。毎日です。
ヒャダ すごい。僕の場合は、猫は途中参加なんです。別の部屋で寝てるんだけど、途中で鳴いてくるから、部屋に入れて、そこから合流。だからだいたい二度寝です。
能町 私は全部一緒なんです。最初は寝たがらなくて、ちょっとむずがるんですよ。「もうちょっと遊ぼう」みたいな感じで。で、「もう寝るよ」って、布団を開けて「はい、ここ」って言うと…。
ヒャダ トコトコトコって。
能町 トコトコって来て。猫相手だと全く緊張しないです。
ヒャダ やっぱ人はしんどいっすよ。
能町 そりゃ人だから。
久保 私は近くに人がいることに適応できるかできないかは、まだ判別がつかないんだよね。どんなにいい人がいても、私は「その人の足手まといになってしまう」という気持ちがあるから結婚できないような気がする。でも「その人の人生が(自分が足を引っ張ることで)ゴミみたいになってもいい」と思えたのなら、ひょっとしたら…。
能町 ゴミとまで思わなくても、どうでもいい人だったらいいと思いますよ。だから私も、ある程度どうでもいい人と住んでるわけだし。私だって、好かれてはないですよ。
久保 「許可」の範囲で?
能町 「許可」くらいですね。
久保 そう、実は人間って、好きとか愛情とかいう前の、「許可」の形態の変化でつながってたりはするんだよね。だから「自由に人を許可していこう」というのを今年のテーマにしてる。それで私に見返りが来なくても、その人にとって何かのモチベーションになるのなら、人をどんどん褒めていこうと思って。ペイフォワード的に。でもこういう話を、すでに結婚した人とは絶対話したくないわけよ。「いや、でも実際はさ…」みたいなこと言われたくない。「まだそこくらいなんだ?」とか思われたくない。
──どんな考えを言っても、結婚した人から見たら「かつて自分が通った通過点をこの人は通ってるだけ」みたいに見えてしまうという。
能町 みんな、よく人にアドバイスできるなって思っちゃいます。私、アドバイスする勇気ないですよ。自信持って言えることなんてほとんどない。
久保 私もない。自分の経験からアドバイスするとしても、それはあくまでも自分のパターンであって、他の人が同じになるわけじゃないじゃん。
能町 そうなんだよ。
久保 でも、今までの思考を肯定するために生きてるわけじゃないから、「え、今までびびってたけど面白いじゃん」って方向に行けるんだったら、全然行きたいなと思ってる。自分が今、決めていることに縛られて生きていくかどうか、あんまり分からないんだよね。だから本当に「1%から99%」かみたいな。
多様性の中に「1人」は含まれないのか?
能町 うちの旦那、一時期『クィア・アイ』をめっちゃ見てて。『クィア・アイ』ってポジティブゲイが5人出てきて、悩みを抱えた人をよってたかってポジティブにしていくじゃないですか。でも見ていて思うのは、ああいうアメリカンな感じの文化って、LGBTについてはすごく寛容なくせに、「パートナーは絶対いなきゃいけない」みたいな部分は頑として変えないよなって。
ヒャダ そこの多様性はないですよね。
能町 「1人でもいいよ」って、あんまり言ってくれないんですよね。オタクっぽい子が出てくる回(シーズン3 第7話「ナマケモノをイケメンに」)が、ほんと見てらんなくて。
久保 私も見てらんなかった。
──どんな回?
能町 黒人の小柄な男の子で、オタクなんだけど、別にそんなコミュ障という感じでもなく。趣味がゲームなので部屋にこもりがちではあるんだけど、でもちゃんと働けていて、普通に1人で生活してる。でもお姉ちゃんが「あの子はあのままじゃダメだ」みたいに勝手に心配してて、それで「クィア・アイ」の5人に頼んで、変えてもらうという話なんですよ。いろいろあって最終的にオタクのパーティーみたいのに呼び出すんです。日本じゃ考えられないんだけど、オタクたちが屋外で立食パーティーやってて。
ヒャダ オフ会じゃないですか。
能町 みんないろんな趣味の話をしているところに、無理やりその子をぶち込むわけですよ。おずおずとその中の1つのグループに入っていって、やっと共通する話題を見つけて大団円…みたいなノリで終わるんだけど、私からすると、めっちゃ居心地悪そうに見えて。「本当にそれで良かったのかな? 1人で良くない?」と思っちゃって。
ヒャダ なんかかわいそうですよね。
久保 ふと思ったけど、別に恋愛抜きにしても、私って自分から誘わないなって。
能町 それはある。
久保 今はすべての時間を漫画に費やさなきゃいけない環境だから、友達と楽しい時間を過ごすために、仕事時間を削るわけにいかない…というのがベースにあるんだけど、それを抜きにしても、自分から誰かに「会いたいから会おうよ」って誘うことをほぼほぼしてないと思って。でもそれで今までの友達から連絡が来なくなっても、もうそれはしょうがない。「今までいい思いをさせてもらったなって思おう。誰のことも恨まないでおこう」って、もう決めてはいるんです。
能町 でも誘っていいですからね。私のことも。誘ってくださいね。
久保 え? いいの?
──ちょっと待った。ずっと一緒に番組やってるのに、まだそんな関係性だったんですか!?
ヒャダ でも分かります。僕もそうだから。気軽に誘えるのって、千葉(雄大)くらいですもん。
能町 そうなんだ。逆に言うと千葉君が唯一なんだ。
ヒャダ 「●日って空いてる?」って連絡して、「空いてない」「OK」終わり、みたいな。
能町 こないだハワイで会った友達もそうなんですけど、自分から誘うときって「本当に楽しんでくれてるのかな?」といちいち気にしちゃうんですよね。
──本来、無遠慮さはあってはいけないんだけど、一方で無遠慮さに対してちょっとした憧れもあったりして。
久保 ある!
能町 そうなんですよね。そのバリアーがない人、びっくりしますよね。「珍獣だな」って思っちゃう。
今後のヒント、それはハワイにある
久保 結婚の話からすぐそれちゃうな。
能町 でもみんな結婚しても、けっこう離婚してますよね。結婚って全然ゴールじゃないな、というのは、最近よく思います。
久保 久保みねヒャダのスタッフで、離婚してる人っているのかな。離婚情報ってありますか?
スタッフ 未婚情報しかないですね。だいたい未婚です。もう全然。
久保 つるっつるの。
スタッフ 女性陣も「結婚する気もない」みたいな感じなので。
能町 前田さんは結婚どう思ってるんですか?
──やっぱり距離感の問題で。さっきのベッドの話もそうですけど、距離が近すぎると落ち着かないというのがあるし、あと距離が近すぎると無遠慮になりそうなのが嫌なんですよ。だから「2人だけで住むシェアハウス」くらいの感じが理想ですね。それぞれの空間があるんだけど、『ナイトスクープ』はリビングで一緒に見る、みたいな。
久保 それいいね!
ヒャダ 分かりやすい。
──『ナイトスクープ』って1人で見ても面白いけど、2人で見たほうが絶対面白いし。
能町 それ、いい話だな。私も『バゲット』は1人で見てるより、2人で見て一緒に文句言うほうが楽しい。「『バゲット』は超つまらない」という話を2人でするのがとても楽しいから、『バゲット』はいい番組です。
──突き詰めると「結婚=ゼロ距離」みたいな暗黙の社会通念が嫌で。それで上手くいく人もいますけど、もっと適切な距離感を取れていたら結婚生活が破綻せずに済んだ人もいると思うんですよね。
ヒャダ 絶対いますね。
──だから「結婚=この距離」ってことじゃなく、距離の可変性はもっとあっていいように思います。
久保 私は「相手が側にいるのが嫌」というよりも、自分が発する「高濃度の腐海の空気」を相手に浴びさせるのが申し訳ないという感じで。自分でさえ辟易してるのに。まず自分の腐海をきれいにしていかないと。きれいな水と、きれいな空気にして。あ、だから海なのかな。
ヒャダ だってハワイで久保さんが海に近づいたとき、一気に何か変わりましたもんね。
能町 私もそれは思った。
ヒャダ これからのヒントじゃないかなと思いましたよ。
久保 じゃあ髪パサパサの女になろうかな。
ヒャダ いいじゃないですか!
能町 朝ビーチを散歩して。ヨガもやって。
久保 でも私がそんなことやったら…。
ヒャダ 全然くささないから大丈夫ですよ!
能町 喜んで遊びに行きますよ。
ヒャダ 「許可」、出して行きましょう!
【番組情報】
ほぼ月一で不定期放送中
久保みねヒャダこじらせナイト
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くぼ・みつろう●漫画家。代表作として『モテキ』『アゲイン!!』など。現在は『ユーリ!!! on ICE 劇場版 : ICE ADOLESCENCE』制作中。
のうまち・みねこ●自称漫画家。新刊『結婚の奴』が発売中です。NHK『金曜日のソロたちへ』にレギュラー出演中。
ひゃだいん●音楽クリエイター。J-POPからアニメソング、ゲーム音楽まで幅広く手掛ける。
第二回以降はこちら!