山下美月が感じた「テレビドラマの力」【『弁護士ソドム』インタビュー】

2022年10月から半年に渡って放送された「NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』」と並行して、1月期には『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)、そして現在放送中の「ドラマ8『弁護士ソドム』」(テレビ東京系)と3本の連続ドラマに立て続けに出演。所属するアイドルグループ・乃木坂46ではセンターの役割を担いつつ、着実に俳優としての階段をのぼる山下美月

                       

動画配信サービスの普及により各テレビ局がドラマ枠を増設するなど活況を呈する近年のテレビドラマ業界。トップアイドルとして日頃から音楽ライブやバラエティ番組に出演し、個人としてもファッション誌での専属モデルを務めるなどあらゆる分野で活躍しながら、俳優としてテレビドラマの制作現場に立ち続ける彼女は「テレビドラマが持つ力」をどう感じているのか? これまでのテレ東ドラマの出演作を振り返りつつ、語ってもらった。(インタビューの最後には直筆サイン入りポラの抽選プレゼント企画も実施中。詳しくは【プレゼント情報】欄をご覧ください。)

山下 美月 (やました・みづき)
●1999年7月26日生まれ、東京都出身。2016年に乃木坂46の3期生オーディションに合格し、グループに加入。2021年1月発売の26thシングル『僕は僕を好きになる』でセンターに抜てきされ、最新シングル『人は夢を二度見る』でもWセンターを務めるなど、グループの中心メンバーとして活躍する。ファッション誌『CanCam』の専属モデル。近年の出演作に、映画『映像研には手を出すな!』、ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)、『じゃない方の彼女』(テレビ東京系)、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK)など。 

取材・文/編集部
撮影/松木宏祐

            

「これまで参加したテレ東ドラマの4作品のどれを思い返してみても、楽しかった記憶しかない」


──連続ドラマへの出演が続いていますね。グループ活動と連ドラの両立はやはり大変だと思うのですが、休めていますか?

スケジュールはパツパツですが(笑)、そうやって沢山のお仕事に参加できることはとてもありがたいですし、なにより楽しいです。

アイドルとしては活動を開始してから7年目に突入して、色んな経験をさせていただき、グループの中でも一番上の先輩という立ち位置になりましたが、お芝居の面ではまだまだこれから頑張らないといけない立場だと思っていて。ずっと「今が頑張りどき!」と言い続けながらやっていますね(笑)。

ヘアメイク:稲葉紀和 スタイリスト:伊藤舞子

         

──『弁護士ソドム』は山下さんにとって4作目のテレ東ドラマです。朝ドラなど他局の作品を含めて、これまで様々なドラマに出演されてきましたが、改めて「テレ東ドラマ」にはどのような印象をお持ちですか?

視聴者の一人として私はテレ東のドラマが好きで、この4月クールもチェックしている作品がたくさんあります。テレ東ドラマは色んなジャンルの作品が作られていてバラエティ豊かですよね。

物凄く振り切ったコメディもあれば映画のような美しい映像で描かれる作品もあり、「ドラマ」という枠にとらわれずに幅広いジャンルの作品が作られていることがテレ東ドラマの魅力の一つだと思います。

──『山田孝之の北区赤羽』のようなドキュメンタリー風ドラマもあれば『生きるとか死ぬとか父親とか』のように作家性の強い映画監督が手がける作品もあり、振り幅が広いですよね。撮影現場の様子はいかがでしょうか?

表現が正しいのか分からないんですけど…(笑)、チームの雰囲気が“体育会系”なんです。

撮影が連日連夜行われている中で大変だろうに、現場スタッフの皆さんの熱量が高くて、いつも現場を盛り上げてくださるんです。カメラマンさん、技術さん、照明さん…スタッフの皆さんの熱がキャスト陣にも伝わって、私も「頑張ろう!」と思えています。これまで参加させていただいたテレ東ドラマの4作品のどれを思い返してみても、楽しかった記憶しかないですね(笑)。

             

 

©︎テレビ東京

『弁護士ソドム』で山下が演じる三木天音は、詐欺加害者専門弁護士“ソドム”こと小田切渉(演:福士蒼汰)に仲間として協力する、変装を得意とする元結婚詐欺師。

                      

──山下さんにとって連続ドラマ初レギュラー作品『神酒クリニックで乾杯を』(BSテレ東)が放送されたのが2019年1月クール。その次のクールでは『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』(テレビ東京系)で主演を務められました。ちなみに今インタビューしているこの場所は『電影少女』の取材が行われていたお部屋なんです。

やりましたね! 懐かしい。

──あれから約4年が経つ間に、山下さんはギャラクシー賞常連の新井順子さんのプロデュース作『着飾る恋には理由があって』に出演、『じゃない方の彼女』ではヒロインを演じ、朝ドラ『舞いあがれ!』では物語全編に渡って登場、そして所属するグループ・乃木坂46ではセンターを務めるなど4年で大きな躍進を遂げられました。激動の4年だったと思いますが、山下さんは過去のことを振り返ることはありますか?

私は色んなことを忘れちゃっていて(笑)。覚えていないこともたくさんあるのですが、参加させていただいた作品のことは結構覚えているんですよね。初めて顔合わせした日、キャストの皆さんとの会話、監督と演技について相談したこと…。一つ一つの作品を自分の中でとても大切にしているから、そういった細かなことも覚えているんだと思います。

それに自分が出ている作品を見返すこともあって。お仕事のこととなると、私は“反省しがちな性格”ということもあって、出演シーンを見返しながら「この時はこんなことを考えながら演技していたな」とか「前と比べて今はこうなっているな」と改善点を見つけるようにしているので自ずと昔のことを振り返ります(笑)。

──反省しがちな性格”とのことですが、グループ活動と並行しながら連続ドラマに出演し続けられたのは並大抵なことではないかと。自分自身のことを褒められる瞬間はありますか?

ありがたいです(笑)。やはりお芝居は好きで楽しいのですが、自信もあまりなく「まだまだ勉強中だな」と思うんです。とはいえ反省をすることで沈んだ気持ちになるようなことは全くなくて。

過去の映像を見返すことで気づいた修正点を次の現場で改善できるように意識したり、かつてできなかったことが今はできるようになっていることに気づいた瞬間──自分の中で一歩ずつ前に歩けていることを実感できる、そんな瞬間が好きなんです。

──自己嫌悪に繋がるような反省ではないんですね。

そうですね。何より自分の演技がどうであれ視聴者の方々に作品そのものを楽しんでいただけることが第一だと思っていて。これまで参加させていただいた作品においても、自分の力が及ばなくても、その作品に関わる色んな方々のおかげで素敵な作品に毎回仕上っていて。だからこそ私はそこに追いつけるように頑張るだけだなと思っています。だからお芝居のお仕事も前向きな気持ちで臨めています(笑)。

──近年のSNSの普及により動画コンテンツの量も増加、またその種類も様々になりました。山下さんはこの4年でファッション雑誌やグループ活動など様々な分野で活躍される中で、多くのドラマに出演されてきて「テレビドラマが持つ力」をどのように感じていますか?

そうですね…。どの作品にも楽しんでくださる視聴者の方々がいて、そこには役に共感してくださるような意見もあれば、その一方で「全く共感できない」といった意見もある。

それは観ていただいている視聴者の皆さんの生き方がそれぞれ異なるので反応が様々なのは当然だと思います。その前提がある中で、私は自分が演じる役に対してどうしようもないほどに愛情を持ってしまうんです。変な言い方ですが、役を「我が子」のように愛していて、可愛くて可愛くて仕方がない。そんな役への愛を作品に還元できるように作品に臨んだり、アイドルとしてファンの方々に向けてSNS等で発信する際にも自分が演じる役の素敵なところを伝えることもあるのですが、私の役を愛するその気持ちが視聴者の方々にも伝わっていることを感じる瞬間が多くあって。

──確かに。特に朝ドラ『舞いあがれ!』では山下さんが演じる役名の「久留美ちゃん」が度々Twitter等でトレンド入りしていて、役の境遇を嘆く声もあれば結婚した回では祝福の声で溢れるなど、大きな話題になっていましたね。

私もあの反響の大きさにはびっくりしました。現実にいないキャラクターなのに多くの方々が心から役を愛してくださっている。本当に「素敵なことだな」と思ったのですが、これこそが脚本やスタッフの皆さん、キャストの皆さんで作り上げた作品による力なんだ、と強く感じました。


【作品情報】

ドラマ8『弁護士ソドム』

テレビ東京系
毎週金曜 よる8:00~8:54

【脚 本】泉澤陽子、三浦駿斗 
【監 督】及川拓郎、久保田博紀 
【音 楽】中村佳紀
【主題歌】BLUE ENCOUNT「有罪布告」(Sony Music Labels Inc.)
【出演者】
小田切渉…福士蒼汰
若松まどか…玄理
八雲カイ…加藤清史郎
三木天音…山下美月
青柳孝介…古川雄輝
小田切翔子…高岡早紀
小田切宏…勝村政信
曽我一馬…光石研


【プレゼント情報】

山下 美月さんのサイン入りフォトを
抽選で2名様にプレゼント!

山下美月プレゼント

山下 美月さんの直筆サイン入りフォトを会員限定、抽選で2名様にプレゼント。

ご希望の方は pipipi@tokyonews.co.jp 宛に、 件名に「山下美月・プレゼント」、本文に「①郵便番号・住所 ②氏名 ③年齢 ④TV Bros.WEB 有料会員登録時のメールアドレス ⑤取り上げてほしい番組・映画・本などの作品、タレント名」を明記の上、ご応募ください。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。 ご応募締め切りは2023年6月18日17時まで。

関連記事

山下美月の芝居への意識を変えた二人の存在とは?女優としての目標とターニングポイントを語る【『舞いあがれ!』インタビュー】

関連キーワード

投稿者プロフィール

TV Bros.編集部
TV Bros.編集部
テレビ雑誌「TV Bros.」の豪華連載陣によるコラムや様々な特集、過去配信記事のアーカイブ(※一部記事はアーカイブされない可能性があります)などが月額800円でお楽しみいただけるデジタル定期購読サービスです。
0
Spread the love