橋本愛『家庭教師のトラコ』インタビュー 家庭問題にアプローチする伝説の「家庭教師」を演じる

本日から放送がスタートするドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)は『女王の教室』『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』(いずれも日本テレビ系)など数々のヒット作を手がけてきた脚本家・遊川和彦によるオリジナル作品だ。

   

今回、TV Bros.WEBでは主演を務める橋本愛にインタビュー。どんな生徒も必ず第1志望校に合格させる伝説の家庭教師・寅子を演じる上で意識することについて聞いた。

            

取材・文/編集部

【Profile】
橋本愛(はしもと・あい)
●1996年1月12日生まれ、熊本県出身。近年の出演作に大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)、映画『ホリック xxxHOLIC』など。

      

「服ってこんなに力を与えてくれるんだな」
ということを強く感じます


━━今作のオファーを受けたときのお気持ちを教えてください。

橋本愛(以下、橋本):脚本を務める遊川さんとプロデューサーの大平(太)さんが手がける作品に私が参加するのは『同期のサクラ』『35歳の少女』に続いて、今作で三作目になるので色んな意見を気兼ねなく交わせる安心感があって。今作も遊川さんのオリジナル作品なので、どんなことを描かれるのだろうと楽しみでした。

━━今作で橋本さんが演じる寅子は家庭教師ですが、家庭教師にはどんな印象をお持ちですか?

橋本:私自身は家庭教師の方に授業をお願いしたことはなく、お会いしたこともないんです。ただ今作でおもしろいなと思ったのは、寅子さんは家庭内で授業を行う先生という世間一般でいうところの“家庭教師”の面だけでなく、生徒の家庭や家族にもアプローチするということ。だから、「家庭の教師」でもあるんです。ご覧いただく方にも「こんな人がいてくれたらいいな」と思ってもらえたら嬉しいです。

━━寅子はさまざまな衣装を使い分けるんですよね。

橋本:そうですね。今作の魅力の一つが、寅子さんは出向く家庭や教える子どもに応じてどんな教師像で臨むべきか考えて、いろんなキャラクターに変貌していきます。なので、彼女の本当の姿というのは極力描かれずに物語は進んでいきます。キャラクターに応じて衣装も自分自身で選んだものに変えていくんですけど、そうやって外側から骨格を作っていくだけで中身も入れ替わる感じがあって。「服ってこんなに力を与えてくれるんだな」ということを強く感じます。

━━寅子を演じる上で重視しているポイントはどんなところでしょうか?

橋本:まず一番は、寅子さん自身が抱いている“怒り”の感情です。これは彼女の生い立ちが深く関係していて、すべての行動の原動力です。また生徒と向き合うときは、“教える”ことより“育む”ことを大事にしています。自分が正しいと思っていることを押し付けるのではなく、本人に考えさせることで、自主性や自立する力を育てようとしている気がします。

━━教師だけど「説教」をしない、ということでしょうか。

橋本:そうですね。作品に入る前にも、遊川さんたちとお話しさせていただいた時に「説教しないドラマにしたい」とおっしゃっていて、私はそれがすごく嬉しかったんです。

ドラマでは寅子さんの想いや気持ちが吐露されるシーンもあるんですけど、基本的には種を蒔いて本人たちの選択によって進んでいく、というやり方。でもその種が突拍子もないものだったりするので、ハラハラしながら見てもらえると思います。

━━寅子は生徒に「正しいお金の使い方」を教えますが、橋本さんが子どもに教えられることはどんなことでしょうか?

橋本:いや〜、私に教えられることかあ…(笑)。そうですね…。友達の子どものような小さい子に会うときは、教えるというより無償の愛情を捧げるようにしていますね。親御さんは子どもの親としての役割がたくさんあるなかで子どもと向き合ってらっしゃると思うけど、私は「かわいい!かわいい!」って愛でる立場なので(笑)。その立場から100%の愛情を捧げることはいつもやっちゃいます(笑)。


【番組情報】

家庭教師のトラコ

日本テレビ系

2022年7月20日初回スタート
毎週水曜午後10:00~11:00

                                

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