ハナコ・岡部大の上京物語「ファーストフード店がきっかけで東京が怖くなって…」【「新生活、どう過ごした?」インタビュー】

新たな出会いに心昂る、4月。見知らぬ土地に居を構え、新たな環境に身を置き、学ぶため、働くため、夢を追いかけるために決して少なくない人々が「新生活」を始める季節である。

   

そんな新生活をテレビで活躍するあの人たちはかつてどう過ごしたのだろう? 今、テレビを中心に各界で活躍する人々の「あの頃の新生活」に迫るインタビュー企画「新生活、どうすごした?」。3日連続でお届けします!

 

第一弾に登場するのは4月8日からテレビ東京でスタートするドラマ24『しろめし修行僧」でドラマ初主演を務めるお笑いトリオ・ハナコのリーダー、岡部大。秋田県から大学進学を機に上京した彼は、東京での新生活をどう過ごしたのか。インタビューでは大学時代のこと、初主演のドラマについて語った。

撮影/倉持アユミ
取材・文/近藤加奈子

■「新生活、どうすごした?」インタビュー
1.ハナコ・岡部大
2.鈴鹿央士
3.ハマ・オカモト×齋藤飛鳥

【Profile】
岡部大(おかべ・だい)
●1989年生まれ、秋田県秋田市出身。お笑いトリオ「ハナコ」のリーダー。ハナコとして『キングオブコント』2018王者に輝く。ドラマ『連続テレビ小説 エール』(NHK)『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)に出演。

元相方との出会いは
人生で一番大きかった


――4月といえば新たな出会いの季節ですが、岡部さんにとってこれまで人生でターニングポイントになったと感じる出会いはなんでしょうか? 

岡部:もともと高校の同級生と一緒にお笑いを始めたんですが、その人とは高校1年生から3年生まで同じクラスだったんです。彼は1年浪人してから僕と同じ大学に入って、その時にもう1度お笑いに誘ってくれて。その人は僕の元相方になるんですけど、彼との出会いは人生で一番大きかったなと思います。 

――その方とは今でも交流は続いていますか? 

岡部:はい、今はサラリーマンとして働いていて、時々連絡を取り合っています。当時はお笑いに誘ってもらったのに僕から解散を切り出しちゃったんですけど、本当に「人生の恩人」だなって思いますね。 

――岡部さんは早稲田大学でお笑いサークル「お笑い工房LUDO」に所属されていましたが、大学時代の印象的なエピソードがあれば教えてください。 

岡部:当時、僕はひょっこりはんと同じ駅に住んでいて、週に4〜5回くらいのペースで会ってうちでお鍋をしたり遊んだりしていました。近くにゲーム屋もあって、そこで誰も買っていないような海外のRPGアクションゲームを夜な夜なプレイして、朝は2人で一限に遅刻する…みたいな生活を過ごしていましたね(笑)。でも今思うとその生活がめちゃくちゃ楽しかった。ちなみに僕のなかでは、ひょっこりはんは「宮下さん」だから今でも“宮ちゃん”なんです。

――当時のひょっこりはんさんはどんな人でしたか?

岡部:宮ちゃんは当時、体育会系のすごく真面目な先輩で、まさかあんな風にひょっこりはんになるなんて思ってもいませんでした。お笑いに対する姿勢にも厳しくて、あまりボケすぎると「おい!!ふざけ過ぎやで!」みたいに注意してくるような人でしたから(笑)。 

――今では考えられませんね。今だから話せる新生活での失敗エピソードはありますか? 

岡部:僕は地元ではわりと社交的なほうだったんですけど、東京は怖いイメージがあって自分の殻に閉じこもってしまったことが失敗でしたね。

――やはり上京したばかりのころは東京は怖かったですか?

岡部:東京が怖いと思ったのは、上京して初めてファーストフード店でてりやきバーガーを頼んだ際、出てきたのが全然違う商品だったのがきっかけで。自分ではなまっているつもりはなかったのに、「もごもご聞こえているのかな?」と思いはじめるといつからかネガティブになっていて、それから塞ぎ込むようになっちゃったんです。

――訛りは自覚しづらいですから上京して間もない頃は気にしちゃいますよね。

岡部:そうですね。あと、僕は一般入試で大学に入ったんですけど、周りはスポーツ推薦で入学してその競技では名だたる選手が多くて。それで肩身が狭くなって、同じ学部で友達が思うように作れなかった。テスト前でもプリントを誰からも見せてもらえないし、結局それが留年に繋がったところはあります。だから変に自分の殻に閉じこもらないほうが良かったなって後悔しています。でもそんな数少ない同じ学部だった友達はみんな「さっきテレビ観たよ」って今でも連絡をくれるので嬉しいですね。 

――学外での思い出はありますか? 

岡部:当時はお笑いの養成所に通いながら事務所に所属していました。そうすると先輩とかと飲みに行く機会も増えて、気付いたら周りにいる芸人の先輩が面白い人ばっかになり、その人たちといることが多くなりました。僕のなかではすごく楽しい思い出なんですが、留年しちゃったし、親のスネをかじって心配かけたなって(笑)。 

――岡部さんは4月からスタートの初主演ドラマ『しろめし修行僧』で主人公・米田たくあんを演じますね。托鉢の全国行脚修行を通し、各地の“ご飯のお供”と出会う物語ですが、下積み時代に食べた忘れられないご飯のお供はなんでしょうか? 

岡部:忘れられないご飯のお供は、実家の秋田から送られてきていた、「わらびたたき」という郷土料理です。これが地元にいた時からめちゃくちゃ好きで、大学生の頃は春になるといつも母が手作りのわらびたたきを瓶に詰めて送ってくれていました。実家から段ボールが届くと嬉しくて、その時はご飯をパンパンに炊いてわらびたたきをおかずにモリモリ食べていましたね。 

――今でもわらびたたきを食べると当時の気持ちが蘇ってきますか? 

岡部:はい。母は僕が好きなのをわかっているので、「今年(山菜)採れたから送るよ」「早めに食べなさいよ」って連絡をくれて、わらびたたきと一緒にお米も秋田から送ってくれるんですよ。大学時代はお金もなかったので段ボールに入った食糧は本当にありがたかったし、今でも忘れられない味ですね。 

――今回の初主演ドラマの意気込みをお聞かせください。 

岡部:ドラマの登場人物史上、1番食べるキャラクターになりたいと思っています。「とにかくあいつは食べるぞ」って言われるような男を目指します! 

――最後に新生活を始める読者にアドバイスをお願いします!

岡部:4月からの新生活であまりに気合を入れ過ぎていると、5月くらいでバテちゃうのでくれぐれも気をつけてください。そしてもし新生活で頑張り過ぎちゃった時は、ハナコのコントを見て時々肩の力を抜いてください。うちのメンバーの菊田(竜大)を見れば「人間、そんなに頑張らなくていいんだな」って思えて、きっと肩の荷が降りると思います(笑)!

         

Ⓒ「しろめし修行僧」製作委員会

【番組情報】
ドラマ24『しろめし修行僧
テレビ東京系
2022年4月8日(金)スタート
毎週金曜 深夜0:12〜0:52

                                     

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