飼い主さんと一緒に全国を旅する元保護猫の「ニャン吉」くんをご存知でしょうか? 「ネコブロスvol.2」では、2019年に全都道府県訪問を達成した様子を「旅猫ニャン吉と誌上ツーリズム」として掲載しています。全国のフォトジェニックな名所をバックに撮影したニャン吉くんをぜひご覧ください。
TV Bros.WEBでは、特別に「明治日本の産業革命遺産」を巡る様子をご紹介! 時の重みを感じる景勝と堂々としたニャン吉くんの姿をお楽しみください。
※『ネコブロスvol.2』(2021年11月25日発売)で紹介した記事の特別バーションです。47都道府県を訪れた様子は本誌でご覧ください。
※本記事は1ヶ月限定配信となります。
撮影/飯法師昭誠 取材&文/西村依莉
『ネコブロスvol.2』発売記念特集 記事一覧はこちら
https://tvbros.jp/pickup/2021/11/22/20584/
ニャン吉くんは鹿児島生まれ・福岡在住の保護猫。元野良ということもあってか、外へ連れ出すと駆け回り、電車やバスに乗っていても鳴くことのないお出かけ好き。移動中、飼い主の飯法師さんはニャン吉くんの側にいられるように、目的地がどんなに遠方でも飛行機ではなく車や電車で移動するようにしています。
沖縄と北海道へ行った時に飛行機に乗ったけれど、貨物扱いで離れ離れになったため、2度目の北海道への旅は、博多から13時間かけて新幹線で移動したそうです。
長旅となると、トイレが心配になりますが、ニャン吉くんは外でしか用を足さない習性のため、出発前に十分な散歩をして、長旅に挑んだんだとか。往復26時間の新幹線の旅でしたが、一度も鳴くことなく、穏やかに過ごしていたそうです。
そんなお出かけ好きという特性を生かし、ニャン吉くんと一緒にウォーキングをするイベントを開催するなど、地域おこしに貢献していました。
2020年、「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されて5周年を迎えることを記念し、ニャン吉くんをモデルに起用したことからその旅は始まりました。
ニャン吉くんが暮らす福岡の自宅からアクセスのよかった佐賀県佐賀市にある三重津海軍所跡を皮切りに、鹿児島県鹿児島市の旧集成館、静岡県伊豆の国市の韮山反射炉、岩手県釜石市の橋野鉄鋼山など、全8県11市を訪問・撮影。夏から秋にかけて各地の遺産に足を運び、撮影を楽しみました。
全都道府県制覇に加えて産業遺産のPR役に任命されるとは、ただならぬ猫のニャン吉くんですが、「明治日本の産業革命遺産」の撮影のために船に乗って軍艦島にも上陸したというから、さらに驚きです。
軍艦島は小さな海底炭鉱の島で、石炭採掘のために5000人以上の人が暮らし、当時の東京都区部の9倍の人口密度を誇った場所。その後、主要エネルギーが石炭から石油に移行したため、1974年に閉山。依頼、依頼無人島となっている、要塞と見紛う廃墟島です。ニャン吉くんは、実に46年ぶりにこの島に降り立った猫としての偉業を成し遂げたのです。
約半年ほどかけて各遺産を巡り、撮影したニャン吉くんの姿は、それぞれの自治体で写真展を開催したり、PRに活用。ニャン吉くんのSNSでもその様子を見られます。ニャン吉くんがいるだけで、重厚な歴史的建造物がどことなく和やか。
日本中、巡り尽くした感のあるニャン吉くんですが、今後、ニャン吉くんと飯法師さんはどんな旅を予定されているか、尋ねてみると、
「今まで全国を駆け足で巡ってきたので、次はのんびりと旅をしてみたいと思います。年が明けたらニャン吉も13歳。人間の年齢だと68歳くらいになるので、健康に長生きをして楽しくニャン生を送ってもらうことが目標です」
と話してくれました。
これから見られるであろう、のんびりと和やかに旅をするニャン吉くんの様子が楽しみです。
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