『B級映画祭り』もついに5日目。ラストは「B級映画」に山ほど盛り込まれた「バカバカしさ」と、「なんだそれ?」というような矛盾へのツッコミを楽しむ回。祭りの締めとして「バカバカしさ度」の高い作品の中から、特にバカバカしい「巨大生物もの」を紹介するので、興味が出たらぜひ鑑賞を。「B級映画ってなんなん?」と謎に思うか、「うわー、アホ臭くて面白いわ」とワクワクするか、「くっそー、時間返せ!」と憤るか、いろんな感情が芽生えると思います。そして多分、どれもが正解。初夏から梅雨に向かうこの微妙な時期に、バカバカしさ満点のB級映画を観て、頭の中に「?」を並べながら楽しんでください。
文/浅井加枝子(テレビブロス編集部)
まず初めに「生物系B級映画」を鑑賞する上で気を付けることと、楽しむコツなどを3つ。別に守らなくてもいいのですが、心に喪失感を生まれさせないために「覚えておくといいよ」くらいの注意事項です。
① とにかく頭を柔軟に
「陸のヘビって海水でも大丈夫なの?」とか「クワガタのハサミはチョッキンって切ることはできないよ」というような、生物学的な疑問はとりあえず頭の中のどこかにしまっておいてください。「笑えるくらいデカけりゃいい」、それくらいの大雑把な気持ちで見た方が楽しめる…というか、腹が立ちません。
② 大きさのバラつきは気にするな
陸にいたときはすんげえデカかったのに、空を飛んだ瞬間なんとなく10分の1くらいにしぼんだような…。そんなことはB級にはよくあること。「巨大な体が小さく見えるほど高い所を飛んでいるんだな」くらいのテキトーな気持ちで観てください。B級映画鑑賞において1番大切なことは「イマジン」。頭で考えるな! 心で観よ!
③「あるある」も一緒に楽しめ
B級映画の醍醐味とも言える「あるある」。「ふたりだけで楽しもうと夜のビーチに行くヤツら」「誰も見ていないと思って、全裸になって湖で泳ぐヤツ」「金儲けしか考えないヤツ」「伝説を信じないヤツ」「キャンプでバカ騒ぎをするヤツら」…、こんなヤツらには「デスフラグ」が立っています。そんなシーンが出たら、主人公である謎の生物が登場すると思ってください。映画の最初のシーンだと、まだ姿があらわになっていないことも「あるある」です。そして「やたらとセクシーな生物学者」とか「ジャングルの中をセクシータンクトップ姿で走る女」がいることも結構「あるある」。B級映画の中のセクシーは、頼んでいなくても出される居酒屋のお通しみたいなもんだと思って、適当につまみながらメインの出番を待とう。無ければ無いで、割と寂しいもんだぞ。
では、オススメの「B級映画・巨大生物」作品を4作紹介します。1回くらいは観て! 2回は観ないと思うけど。でも観て損はしません。得もしないけど。
食べてはデカくなるヘビの急成長が頼もしい『メガスネーク』
『メガスネーク』予告編
毒ヘビを祀る宗教に傾倒しているダフは、 「アンテカ」と呼ばれる伝説のヘビの子供を飼育する、ネイティブアメリカンの蛇使いと出会う。ルールを守れば平穏を保つことができるという「アンテカ」に魅了されたダフは、そのヘビを奪い逃げるが、ルールを守れずに――。
邪悪な力を持つ“アンテカ”の封印を解いてしまったダフ。伝説は信じて、掟は守らないとダメだぞ! 見どころは、生き物を食べるたびにすさまじく体が大きくなる“アンテカ”の姿。DVDパッケージ裏にも「前代未聞の巨大ヘビ」とありましたが、確かに最終的なサイズはデカい! そして驚くほど速く成長する。ラストはなんとなく「いい話」になっているけど、登場人物の色恋話は「居酒屋のお通し」にもなっていないのが残念。ヘビ(アンテカ)の成長を見守る観察日記みたいな気持ちで、部屋のお片付けでもしながら観てください。
『メガスネーク』(2008年)
監督/ディボー・タカクス
出演/マイケル・シャンクス、ベン・カーディナル、トッド・ジェンセン
ピラニア顔のヘビもいいけど、主題歌が強烈で笑える『ピラナコンダ』
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