ただいま配信中のアニメシリーズ『処刑少女の生きる道(バージンロード)』の監督、川崎芳樹さんが選ぶ3本。今回はその2本目です。1本目は黒澤明の『七人の侍』でしたが、果たして今回は⁉
取材・文/渡辺麻紀
『七人の侍』川崎芳樹 第1回
『E.T.』湯浅政明 第1回
【アニメ人、オレの映画3本 記事一覧】
<プロフィール>
川崎芳樹(かわさき・よしき)●東京生まれ。アニメーション演出家、アニメーション監督。『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』(WOWOWプライムほか)の第1期(2019年)、第2期(2020年)に副監督として参加。『処刑少女の生きる道(バージンロード)』(2022年/TOKYO MXほか)で初監督を務めた。
アートアニメーション的な手法で長編を作り、それを東宝というメジャーでやっちゃう。すごく大胆ですよね。
――では川崎さん、2本目をお願いします!
2本目はアニメーション。湯浅政明監督の『夜は短し歩けよ乙女』(2017年)です。湯浅さんの作品のなかでも一番好きだし、アニメーションで1作選べと言われてもコレ。公開時は7度も劇場に通いました(笑)。
――おお、それは凄い! 海外のアニメを入れてもこれ?
そうです。湯浅さんの代表作となると、初の長編監督作『マインド・ゲーム』(2004年)のほうをあげる人が多いのかもしれないけれど、僕はこっちですね。湯浅さんも肩の力が抜けている感じがするし、なぜか自分にとてもヒットしちゃって。もう、この作品があればいいんじゃね? というくらいにハマってしまった。公開時は7度も劇場に通いましたから。
――なるほど!
僕の子どもの頃は、その辺にアニメがあるのが普通の光景だったから、いつも観ていたし、大好きだった。ジブリの作品も劇場で観ていたけど、これはなぜかしっくりこなかったんですよ。
子ども時代に大好きだったのは、実は今回、入れようか迷ったもう1本のアニメ、『銀河鉄道の夜』(1985年)だったんです。
――宮沢賢治の同名童話を杉井ギサブローが監督した作品ですね。ジョバンニやカムパネルラらキャラクターがネコになっていて、別役実のミニマムな脚本も素晴らしかった。私も大好きな1本です!
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