ワレワレのモロモロ外伝 岩井秀人

「俳優レッスン」の副産物【岩井秀人 連載 4月号】

いわい・ひでと●皆川猿時、岸井ゆきの、大東駿介、加藤諒、江口のりこを迎えて開催した「いきなり本読み!in 東京国際フォーラム(2021)」が配信中。視聴チケット販売は4月17日(日)17:00までなので、興味のある方はお早めに。
また、水川あさみ、上白石萌歌、皆川猿時を迎えた「WOW!いきなり本読み! #1 」が5月17日(火)WOWOライブにて放送。

「俳優レッスン」なるものを始めたことは、前回こちらに書かせてもらった。

我が事務所に俳優さんを呼び、テキストを読んで録音し、それについてあーだこーだと話しながら、「コロナ禍に一人でできる楽しい練習」を伝授する。というものだが、これが思わぬ広がりにつながっている。

私、男岩井は劇団や会社以外にも「どもども」という俳優の寄り合いや「いきなり下読みチーム」も運営している。見間違えそうなので念のため書いておくが、「いきなり本読み!」ではなく、「いきなり下読みチーム」だ。「本読み」ではなく、あくまで「下読み」なのだ。

まず、俳優の寄り合い「どもども」について。これは、孤独な現場の多い俳優たちと、半年に1、2回のペースで集まって台本をもとに立ち稽古をしたり、「オーディションでまた落ちて辛いぞな」とか「あのワークショップどうなんだい?」といった情報共有をしている、関係としてはゆるいけど、それぞれ俳優の技術レベルは凄まじく高い寄り合いだ。過去には池谷のぶえさんや浅野和之さんが参加してくれたり、作家として根本宗子さんが参加してくれたりもしている。

続いて「いきなり下読みチーム」。こちらは「いきなり本読み!」で使う新たな面白い台本を探したり、岩井が外部で演出する台本を探したりするために、上に書いた「どもども」のメンバーなどを集めて、勉強会も兼ねて月に1、2回のペースで読み合わせをしている。

そんな感じにまあまあの頻度で日々、男岩井は俳優さんたちと会っているわけだが、この度始めた「俳優レッスン」には時折、かなりハイレベルな俳優さんが現れる。レッスンで使うテキストは、主に我が劇団「ハイバイ」の作品の抜粋が多い。したがって、演出家の私、男岩井は、歴代のスーパープレーの数々を脳に焼き付けているのだが、レッスンに現れる俳優の中には「おお、そんな読み方があったか」と思わせてくれる人もいる。そうなると話が変わってくる。「お金をとって僕が教える」というよりも、「他にも色々読んでみてもらいたい」となるのだ。

そこで、レッスンに来てくれた俳優たちの中から、「この人は!」と思う人を、上に書いた「下読みチーム」に呼んでみることにした。下読みチームに参加している俳優たちも、ハイバイ作品に出演した経験がある人を初め、結構な実力者が多い。こちらにも、ごく稀に、岸井ゆきのさんが顔を出してくれることもある。「いきなり本読み!」でもスーパープレーを連続する岸井氏の初見の凄まじさを間近で見れる、貴重な会ともなっている。ただ、ほんと忙しいのでその機会はなかなか訪れないが。

ということで、レッスンに参加してくれた俳優たちの中から何人か、その「下読みチーム」に参加してもらって、今までのメンバーに混ざって読んでもらったのだが、予想以上の活躍をしてくれた。

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