猫のつまらない話 第8回【2021年2月号 能町みね子 連載】

文&題字イラスト/能町みね子 写真/サムソン高橋

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上の写真は、実際に母からLINEで送られてきたもの

「寝起きなのであまりいいお顔でないそうです」

 こんなにかわいいのに、あまりいいお顔でないのか!末恐ろしい逸材!この子が目覚めた時、一体どれだけの光を放つのだろうか!

 あと、青森から来るってどういうこと? 私の実家は現在茨城である。なぜそんな遠方から?

 詳しく聞いてみると、近所に住む母の友達である佐藤さんは実家が青森だそうで、猫は、青森在住の佐藤さんの妹さんのところからはるばるやってくるらしい。妹さんは猫を14匹も飼っているらしい! 14匹!

 で、その妹さんは残念ながら体調面の事情で家を離れざるをえず、猫と暮らせなくなってしまった。当面は近くに住む別の親族がその家に通って世話をしつつ、14匹を少しずつ茨城の佐藤さん宅に運び、佐藤さんは一時的に預かっては誰かに譲る、ということをこれから14匹分やることになるらしい。うわあ、超大変だ……。

 となると、それに協力を惜しむ手はない。友人Pの姉の一件のとき飼う気になって一度踏み込んでからふいになっていただけに、もう私は止まりませんよ。

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