11月1日に開催されたこじらせオンラインライブ(ゲスト:千葉雄大)の収録後のおしゃべりです。ライブでは久保みねヒャダの3人によるハワイ旅行の模様がオンエアされたのですが、そこから「旅先で人と知り合えるか」という話になりました。
構成/前田隆弘
人との距離感には「誤インストール」がある
久保 私、名古屋で元No.1キャバ嬢やってたエンリケさんをインスタでフォローしてるんですよ。今はキャバクラを引退してて、日本各地を旅行してうまい飯を食べたり、いいホテルに泊まったりしてるのをストーリーで上げてるんですね。そこで「飛行機で隣の席だった人と仲良くなった。LINEも交換した」みたいなことをめっちゃ書いてるわけですよ。それ見てたら「初めて会った人と『超仲良くなっちゃった』というセリフを交わせるかどうか問題」について考えてしまって。
能町 私は絶対ない。
久保 エンリケさんは相手の懐に入るプロだから、たとえ仕事以外で会ったとしても、きっと気持ちよく話してくれるとは思うんです。でも、ふと「仲がいいということの本質って何だろう?」と思ってしまって。たとえばゲストで来てもらった人に対して「この人と仲良くなれるかも」と気持ちが盛り上がったとしても、それは接待されてそう思っただけで、「この人とプライベートでも仲良くなれるなんて、何いい気になってるんだ私は」と思ったりもするんです。
ヒャダ 今日、僕と千葉さんがやった小芝居(*)のやつですね。
*旅先でたまたま出会った2人が意気投合した感じになるが、別れた後で友人に「あの人キモかった」とこぼすという内容の即興芝居。
久保 そう。ああいう感じ。
ヒャダ 最後、「キモッ」って言われたんですよね。傷つくわー、あれ。
久保 (以前ゲストで登場した)阿佐ヶ谷姉妹は「プライベートでも仲良くなりたい」みたいな気持ちにさせる雰囲気があったじゃないですか。それでオンライン上とはいえ「一緒にカラオケ行きたい」なんて言っちゃって、「私は何を図々しいこと言ってるんだ」って。
ヒャダ でもそれは行ってくれるんじゃないですか?
能町 みんなそこまで接待で言ってるわけじゃないですよ。
久保 そういうこと、本当にあったんだよ。仕事で知り合った人から、そんなに仲良くもしてないのに「今度、他の人たちと一緒に飲みに行きましょう」と言われて。「そうなんだ」と思って、その場にいなかった「他の人」に「あの人がそう言ってたから飲みに行きましょう」と言ったら、乗り気じゃない返事をされて。それを思い出すたびに、「なんであのとき『飲みに行きましょう』という言葉を真に受けてしまったんだ」って思って……。
能町 でも。
久保 怖い。
能町 全員が全員そうでもないし。
久保 人と仲良くなるのが怖い。
能町 私も基本、仲良くなれないと思って動いてますけど。
久保 能町さんはそういうベースがあるから、逆に信用できる。
能町 そういう「飲みに行きましょう」も信用してないし、そもそもあんまり本気にしてないのかもしれない。そういうことのほとんどを。だから本当に仲良くなりたいときにけっこう困るんですよね。「この人は本当に行けるんじゃないか」と思っても、相手がどう思ってるか分からないから。
ヒャダ 僕は「この人と仲良くなりたい」と思ったら、最近は行っちゃいますね。ただそういう人がほとんどいなくて、絶対数は少ないんですけど、いたらちょっと無理してでも行くようにはしてます。
──今までの人生経験から「この人とはウマが合いそう」みたいなセンサーが発動したりはしないんですか?
久保 そういうのはあるんです。それですごく仲良くなった時期もあって、そのときは楽しかったし。でも時がたって後から「あのときは気をつかってくれたんだ」って……相手の優しさの裏側を勝手に勘ぐるのはよくないから、あまり深く考えないようにはしてるけれども、ちょっとおびえるようになった。人と仲良くなるときの距離感を間違えた経験がいろいろあったから。
──たとえばどんなの?
久保 例えばまず奥さんと仲良くなって、その後で旦那さんとも知り合って仲良くなるとしますよね。そうすると、奥さんは旦那さんと「もう、○○ちゃんは!」みたいな感じで仲良く話してるわけじゃないですか。その距離感を自分もうっかりインストールしちゃって、「おう、○○ちゃん!」みたいなノリで旦那さんに話しかけちゃうみたいな。
ヒャダ それは誤インストールですね。
久保 そう。誤インストールをするときがあって。その逆で、友達づてに紹介された相手が、私に対して誤インストールで接してくる場合もあるわけだよ。そのときは「すごく仲良くしてくれるな」と思っていたけど、今にして思うとあれはお互い詰め寄って仲良くなったんじゃなく、誤インストールでのそれだったんだなって。
──ああー、言われてみるとそういうことは思い当たりますね。
ヒャダ 僕は基本、人と飯に行くときはサシなんですけど、たとえばAさんと仲良くなって、僕と一緒にいるときのAさんは好きなんですよ。でもその場に僕の知らないBさんが入ってくるときがあって、そうするとBさんと一緒にいるときのAさんがちょっと変わるじゃないですか。それが嫌いなときが多いんです。「あれっ、こんな人だったの?」みたいなことになって。
能町 そんなことがあったんだ。
ヒャダ あったんですよ。だから僕は基本、グループで人に会わない。「友達紹介するから」というのも嫌。
能町 「友達紹介する」は嫌だね。基本、私も1対1が一番楽なんですよね。
──3人でいても、自分が独りぼっちになることは普通にありますからね。
ヒャダ ありますよ。
40を越えてから友達を作ると面白い
能町 でも最近ちょっと、「40を越えてから友達作るって面白いな」と思ってるんです。学校って強制的に毎日会うから、友達作らないと生きづらいみたいなところあるじゃないですか。会社もたぶんそうですよね。でも今みたいにフリーランスの仕事だと人と会わないんですよ。だからその分、友達っぽいのができるとテンションが上がるんです。何か新しい感じがする。
──実際、友達増えたんですか?
能町 一年前、自分のイベントで水野しずさんを一本釣りしたんです。それまで全然関わりがなかったんですけど、「一回しゃべってみたい」と思って。自ら誘ったのなんて、もしかしたら初めてかもしれない。普段はそういうの、めちゃくちゃ遠慮しちゃうんですけど。
久保 能町さんに自分のことを聞いてもらって分かってもらえるというのは、やっぱりすごくうれしいことだと思うんだよね。私が経験していることでもあるんだけど。
能町 ありがたいですね。でも私も「たぶん自分のことを嫌いじゃないだろうな」という人じゃないとさすがに行けないですけど。ある程度、保証がないと。水野しずさんはツイッターで私のことフォローしてたから、「少なくとも嫌とは思っていないだろう」と思ったんですよね。それがなければ、たぶん行けなかった。
久保 私はこのコロナ時期を経て、「別に私といても人は楽しくないだろう」みたいに懐疑的になっちゃったんだよね。
能町 一人でいるから、なおさらそう思っちゃうんじゃない?
久保 それはそうかもしれない。一人でいると、自分に対してどんどん塩対応になってくるし、そうなると自分と今まで仲良くしてくれた人に対しても懐疑的になってきて、それはよくないなと。
能町 人と定期的に会わないと駄目ですよね。
ヒャダ 本当にそうです。これはお説教です。会わないと駄目ですよ。会わないと精神が参ります。人間は誰かと会う生き物です。
能町 健康維持のためにも必要なんです。
久保 そういうのも何か難しいな……。だから(のびのび楽しんでいた)ハワイ旅行の頃の私にはもう戻れないかもしれない。もうあんなふうに生きられない。
能町 ハワイに行ったら、ああなるんでしょ?
久保 ハワイに行くとね。でもあの生き方、前からやってるわけじゃなかったし。
能町 ハワイじゃなくて沖縄でもきっと大丈夫ですよ。やっぱり湯河原移住(*)は本当に考えてほしい。
*「ご近所付き合い、できますか?」の回を参照。
久保 「友達と会って話すのが大事」って言われるけど、それに時間を割くことによって「(友達と会った分)もっと仕事に集中しなきゃ」という義務感が発生する感じもよくないし。かといって一人で家にいるから集中できるってわけでもないし。そういう駄目なループになってる。
──思うんですけど、40を超えたような大人でも、「誰かとサシでじっくりおしゃべりしたい」という欲求って、実はかなりあるんじゃないですかね。むしろ渇望してるかもしれない。
能町 私、『つけびの村』の高橋ユキさんと最近仲がいいんですよ。一緒にイベントもやったし、この間は特にイベントが控えているわけでもないのに、「ロイホ行きませんか?」って誘われたんです。
ヒャダ いいっすね。
能町 高橋さん、旦那もいれば子供もいて、家事もいろいろやってるはずなんですけど、めちゃくちゃ仕事もしてて。で、なぜかロイホに誘ってきて。最初は「何か用事があるのかな」と思ったんですよ。そしたら何も用事はなくて、純粋にロイホに行って、ご飯とパフェを食べて、昔のどうでもいい思い出話をしゃべっただけだったんです。「これ、めちゃくちゃいいな」と思って。
久保 友達だ。
能町 本当に友達になってて。「何かのためじゃないやつ、超いいな」と思ったんです。しかもしゃべってたら、昔mixiで同じコミュニティに入っていたことが分かって。管理人の承認が必要な狭いコミュニティに。「40越えても友達ってできるんだな」と思いました。
ガバガバでいいんだよ!
久保 私はオタクになりたい。オタクアカウントで触れ合いたい。
能町 将棋オタクとして本当は活動したいんでしょ?
久保 本当はそう。将棋が好きになってめっちゃ心がオタクになっているから、「ファンの人たちで盛り上がっているものに自分もいいねしたい。リツイートしたい」「自分もイラストを描きまくりたい」と思うけれども、今そこに入っていくには、自分は図体がでかすぎる印象があって。
──フォロワー数が多いからですか? たしかに、久保さんがいいねやリツイートしたら、反応がでかいかもしれないですね。「いいねされました!」みたいなスクショもされるかもしれないし。
久保 でも本当は将棋のイラスト描いてる人にめっちゃいいネタを送りまくって、「分かる!」とか「最高です!」とかやりとりしたい。
ヒャダ すりゃいいじゃないですか。
久保 オタクとしての心を開放したい。けど、できない。
能町 すればいいのに。私、相撲に関してはガバガバですよ。
久保 すもガバなんだ。
能町 普通に相撲マニアの人をフォローしてるし、DMも送ったこともあるし、ガバガバです。でも私のことを嫌ってる相撲ファンもいます。それでもいいんです。それはもうしょうがないです。その上でガバガバなんです。
久保 ファンの盛り上がりに参加したいから、「匿名の鍵アカを作ろうか」とかいろいろ考えたんだよ。でも本当に将棋界を盛り上げたいんだったら、(今のアカウントで活動して)「あの人、将棋を見て楽しんでるな」と将棋に興味を持ってくれる人がいたほうがいいと思うんだよね。鍵アカでひっそりやるよりかは。
──好奇心にフタをしないほうがいいですよ。むしろ、うらやましいことです。40を越えて、純粋に好きだと思える趣味ができるというのは。
ヒャダ 本当にそうですよ。
久保 いや、私は快楽に溺れやすいお猿さんだから。
能町 でも仕事に集中するために、将棋流してるんですよね。
久保 でもだんだん仕事に集中できなくなる対局も出てくるわけよ。すごく気になってしまって「いかんいかん、仕事してるのに」となるような。「じゃあお前、全てを遮断した世界なら仕事できるのか?」と言われたら、もうそっちの世界には戻れないという。
能町 ハライチの岩井さんだって、コミケに出てるんですよ。あのネームバリューで。久保さんはマンガ家が本業なわけだし、仕事とのバランスはあるにしても、全然やったほうがいいと思うんだけど。だってここまで(将棋好きであることが)出ちゃったら、もう隠しようがないし。久保さん、ふすまから顔が出ちゃってますよ。オタクが集まってる部屋のふすまが開いて、久保さんの顔が完全に出てる。「ずっと顔見せてるけど、あの人なんでここに来ないんだろう?」という状態になってる。
ヒャダ 天の岩戸だったら、もう開いてますよね。
能町 完全に開いてます。ガバガバです。
じゃマールが今こそ必要だ
──仕事と対立する概念みたいに捉えてるのかもしれないですけど、むしろ趣味にハマることで仕事のエネルギーをもらうみたいなところ、あると思いますよ。
ヒャダ 好きなことがある人生はいいですよ。同じ生きがいをシェアできる人とファミレスに行きましょうよ。
久保 行きたい、行きたい! まだ将棋クラスタの人と直接話した経験がないから。そんな機会があるのか分からないけど。
ヒャダ メン募しましょ、メン募。
能町 じゃマールで(*)。
*1995年にリクルートフロムエーから創刊された、個人が告知情報を掲載する月刊誌。売ります・買いますなどの個人売買や、恋人・友達・メンバー募集などの出会い情報で構成されていた。インターネットの台頭に押され、2000年に休刊。
ヒャダ 消えた日本語だ。
久保 私、じゃマールでサッカーファンの人と知り合ったよ。
能町 あるんだ。
ヒャダ マジっすか。
久保 当時、ベルマーレ平塚に移籍した韓国代表のホン・ミョンボが好きで、「ホン・ミョンボファンとつながりたい」みたいな内容でじゃマールに載せたら、連絡くれた人がいて。その人が仲良くなった韓国の女子4人が日本に遊びに来ることになって、「とてもじゃないけど自分じゃ面倒見れそうにないから助けてほしい」という連絡が来て、その子たちと一緒に遊んだこともあった。ちょっと記憶があやふやだけど、そのときうちに泊めたかもしれない。
能町 すごいことしてるじゃないですか。
ヒャダ じゃマールすごい。
久保 その人とは、他の友達と一緒にサッカーの試合を見に行ったり、少年マガジンで「洪明甫(ホン・ミョンボ)物語」という読み切りが載るときに、資料としてホン・ミョンボのビデオをその人経由で借りて、マンガの作者に貸したりしたこともあった。
能町 じゃマールやるしかないじゃん!
久保 2020年の今、必要なのは令和のじゃマール。「豊島将之竜王のファンの人とつながりたいです」って。
能町 「できれば豊島区に住んでる方」。
久保 「これは豊島ファンという意味の豊島区ではないですよ」って。
ヒャダ (笑)を入れて。
久保 「豊島区の豊島ファンの人、ご連絡ください。豊島区と豊島将之竜王、両方愛している方」。
ヒャダ ダブル豊島でメン募しましょう。この間、『夜の巷を徘徊しない』という番組に呼ばれて、マツコさんと話したんですよ。マツコさんも僕も一人が好きなんですけど、一人が好きな人間が誰かと出会おうと思ったらどうするかという話になって、「私、気付いたの」ってマツコさんに言われたんです。「何かに出会ってる人って、外に出てるのよね。だから一人が好きな私が誰かと出会いたいと思ったら、番組に呼ぶしかないのよね」って。だから久保さんと将棋好きの人を出会わせるには、もはや番組に呼ぶしかないかもしれない。外に出ないんだったら。
久保 出ない。今年の2月にハワイに行った後の悩み、全部家の中で起きてる話だからね。事件は家の中かネットの中でしか起きていない。衝撃的なほどに。
ヒャダ 外に出たほうがいいです。断言します。外に出てください。
能町 出ましょう。
ヒャダ ふすまはもう開いてるんです。
久保 でも。
能町 交差点の角で豊島ファンと食パンくわえながらぶつかってください。
ヒャダ 「あせ、あせ」とか言って。
久保 でもみんな顔出ししてないのに、私だけ面が割れてたら。
ヒャダ そんなのどうでもいいんですって。共通言語があれば。僕、この間知らない人とサウナ行きましたもん。
久保 そのワードだけ聞くといやらしいから、ちょっとフォローをください。
ヒャダ 何年か前に「日本サウナ祭り」というイベントで、同じサウナ室になった人がいたんです。話してみたらサウナブログを書いてる人だったんで、一応ツイッターはフォローしたんですけど。そしたらその人からいきなりDMが来て、「水風呂に飛び込む気持ちでDMしますけど、ルーフトップのサウナを貸し切りできたので、よかったらいらっしゃいませんか」って。
能町 「水風呂に飛び込む気持ちで」。たとえがちゃんとサウナを経由してる。
ヒャダ 前から行きたかったところなので、「行きます」って返事して。正直、その人の顔も全然覚えてないし、「あと3人来ます」と言われたんですけど、その人たちのことも全然知らないし。いまだにその3人の名前すら知らないんですけど、すごく楽しい時間を過ごせて。
能町 「芸能界ってどうなんですか?」みたいな話題をふってくることもない?
ヒャダ 全然。サウナの話しかしないです。サウナを出たら、「僕たちこれから寿司屋に行くんで」「僕はこれから出張なんで」「じゃあさよなら」みたいな感じで別れて。
能町 そういうの、すごくいい。
やる人生と、やらない人生。どっちを取る?
ヒャダ だから。
久保 いや、でもまだ将棋の知識とか本当に浅くて……。
ヒャダ だったら聞けばいいんですよ。
能町 むしろ知識は要らない。持ち過ぎてるほうが厄介ですよ。
ヒャダ みんなで豊島さんの話をする。それだけで最高じゃないですか。
久保 してみたい。そんな日がいつか来たら。
ヒャダ 来るんです。
能町 来ます。
ヒャダ 来るんです。
能町 豊島区のファミレスに行けば、その日は来ます。
ヒャダ T、O、Y、O、S、H、I、M、A……豊島。
能町 長い長い、「Water」が長い。
久保 サリバン先生、そんな日が来るんですか?
ヒャダ 来るんですよ。
久保 でも今、じゃマールの夢が本当にバーッと開けてきた。
──じゃマールで出会った経験があるということは、出会う素質があるということです。
ヒャダ 知らない韓国人を泊めてるんですから。やりましょうよ。待ってても、誰かがセッティングしてくれないですよ。無味乾燥なまま終わらせていいんですか? この現世を。
能町 豊島さんの同人誌を出す人生と、豊島さんの同人誌を出さない人生。どっちを取りますか?
久保 出す人生に……決まってんだろう!
ヒャダ 豊島さんの良さについて、ファミレスで3時間語らう人生と、一人でかみしめる人生。どっちがいいんですか?
久保 ロイホでパフェ食いながら、3時間話してえよ!
ヒャダ でしょ。「やる人生とやらない人生、どっちを選ぶか」って、僕らに最初に言ったのは久保さんですよ。
能町 その性質で、久保さんは今まで成功を収めてきたわけですから。
──そうです。「いいとも」に出る人生(*)を選んだあの日から。
*かつて久保は顔出しのテレビ出演オファーをすべて断っていた。ところが『笑っていいとも!』からオファーがあった際、「タモリさんに会える人生と会えない人生、どちらを選ぶか」と自問自答し、「会える人生」を選択。その出演がめぐりめぐって『久保みねヒャダこじらせナイト』誕生へとつながった。
久保 よし分かった。来年の目標は豊島ファンの人と話をする。
ヒャダ ツイートしてみましょうか。
──そうですね。そうしたほうがいい。
久保 あの……紙がいい。書くよ(愛用のノートを取り出す)。
ヒャダ 書きましょう。
久保 来年の目標。
能町 今年でもいいんだけどね。
ヒャダ 11月の目標にしませんか?
久保 いや、無理無理無理。
能町 じゃ、来年だと長いから。せめて来年3月くらいまでにしましょうよ。今年度。
久保 (書きながら)「今年度の目標」。
一同 (いつの間にか全員立ち上がって、久保を取り囲んでいる)
ヒャダ 「書け、書くんだ!」。
能町 「ほら、書け!」。
──なんか借金の返済みたいになってる(笑)。
久保 「豊島将之竜王のファンの人と、ファミレスで楽しくお話をする」。「久保ミツロウ」まで書いたほうがいいですかね?
能町 書きましょう。久保美津子がいいな。ミツロウではなく美津子として。
久保 「2020年11月1日、久保美津子」。
能町 もう考えるだけで楽しそう。いいな。
久保 これはツイッターにアップしたほうがいいんですか?
ヒャダ しましょう。
──あの出発点から、まさかの着地点。
能町 いい目標ができた。こんな前向きな着地点になるとは。
ヒャダ さあ、行きましょう。
久保 行きますか。
ヒャダ お願いします!
久保 ううう怖い!
能町 押せーっ!
ヒャダ 押せーーっ!!
久保 (万感の思いを込め、送信ボタンを押す)
能町 ……おめでとうございます。ついに一歩を踏み出しましたね。
ヒャダ ささやかだけど、久保さんにとって大いなる一歩ですよ。
──(なんかエヴァンゲリオンの最終回みたいだな……)
今年度の目標が決まりました。 pic.twitter.com/EfI1JEvCD7
— 画 (@kubomitsurou) November 1, 2020
「久保みねヒャダこじらせブロス」連載バックナンバーはこちらから。
【番組情報】
ほぼ月一で不定期放送中
久保みねヒャダこじらせナイト
次回放送日は番組HP/公式ツイッターを参照。
FODプレミアムでこれまでのライブを限定配信中。
【ライブ情報】
テレビでは話せないトーク満載
久保みねヒャダこじらせオンラインライブ
次回開催
ゲスト:ファーストサマーウイカ
配信日:2020年12月13日(日)14:00スタート
配信先:PIA LIVE STREAM
料金:¥2,980(税込み)
チケットはチケットぴあにて発売中
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【プロフィール】
くぼ・みつろう●漫画家。代表作として『モテキ』『アゲイン!!』など。現在は『ユーリ!!! on ICE 劇場版 : ICE ADOLESCENCE』制作中。
のうまち・みねこ●自称漫画家。新刊『そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか』『雑誌の人格3冊目』発売中。『結婚の奴』も売れてます(当社比)。NHK『金曜日のソロたちへ』にレギュラー出演中。「猫のつまらない話」も連載中です。
ひゃだいん●音楽クリエイター。J-POPからアニメソング、ゲーム音楽まで幅広く手掛ける。