ロイヤルホストから違和感をこめて…19/4月号・高橋ユキ連載「公務員の広報活動の遺物! 眠れるゆるキャラを叩き起こす!」

「つけびの村」の著者で「ロイヤルホストを守る市民の会」代表でもあるフリーライターの高橋ユキさんがお届けする、ブロス的社会派連載!
事件や報道を追う中で引っかかった“違和感”を、ロイホでひと息つきながら軽妙に綴ります。

今回の違和感は、裁判員制度関係のゆかいな仲間たち。担当が一番違和感を感じたのは「まこと君!」の頭と胴体の状態です。
(マイブームメニューの紹介つき、みんなもロイヤルホストを堪能しに行こうね!)

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 普段は主に裁判所で、主に刑事裁判を見ていろんな記事を書いている私は、当然ながら頻繁に裁判所に出向く。そんな生活を始めたのは2005年からだ。そして裁判員制度が始まったのは2009年から。いよいよ始まるぞ、という裁判所界隈の盛り上がりも色々と見てきた。

 おそらく当時、裁判所や検察庁などは、裁判員裁判が始まることを広く周知したかったのだろう。そのため、各地であらゆるイベントが開催されてきた。その筆頭が模擬裁判だ。裁判員に選ばれた時、どのようなことをするのか知ってもらうために、模擬裁判を開催し、参加を広く募っていた。それだけでなく、本当の裁判員裁判のように、突然裁判所に呼び出しがかかり、模擬裁判に参加するといったスタイルのイベントもあった。私にも当時、声がかかり、東京地裁の模擬裁判に参加したことがある。あの夢のようなひとときは忘れることができない。

 さて、そんなふうに新たな制度導入に向け、これを広く認知してもらうための活動に精を出していた関係各所は、模擬裁判だけでなく他の取り組みも頑張っていた。それが「ゆるキャラ」による広報活動だ。

 周知のための様々なイベントには、広報ゆるキャラの着ぐるみが登場。記念撮影もできた。しかもイベントにはゆるキャラのグッズも配られたりした。私は当時こうしたイベントをかなり堪能した記憶がある。

 なぜか公務員の広報活動には、ゆるキャラとダジャレがつきものだ。なるべく予算をかけずに皆で頑張って考えた末のアウトプットなのだろう。しかしいわゆるアマチュアの仕事である。手作り感満載なのが愛おしく、私はそこが好きだった。

 しかも、裁判員制度が始まったら、役目を終えたかのように、彼らがフィーチャーされる機会はほぼ、なくなった。あっという間に増殖し、あっという間に消えてしまったのである。すごく残念。なので、今回ちょっと皆様にも改めて裁判員制度がらみのゆるキャラを見てもらいたい。

 まずはなんといっても、裁判員制度の広報キャラクターの筆頭『サイバンインコ』。一瞬でお分かりの通り、裁判員とインコをかけている。この『サイバンインコ』は、当時の広報ゆるキャラたちのなかで最も目立っており、アイドルグループで例えるとセンターにいた。何かのイベントのとき、他のゆるキャラはいなくても、サイバンインコはやってきた。

 さて、そんなサイバンインコ。当然ながら最高裁判所が生み出したキャラクターなのだろう、と思っていたら、なんと全然違ったのである。

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