お笑いとエロは両立するのか!?【連載「清水あいりにツッコミたい!」第8回や団前編】

グラビアアイドル・清水あいりが尊敬するお笑い芸人に、聞いてみたいことやお笑いについての教えを乞う「清水あいりにツッコミたい!」。第8回のゲストは『キングオブコント2022』決勝で第3位となったコント師・や団。コントとイメージDVDの意外な共通点が見つかるなど、お笑いとエロに真摯に向き合う両者ならではの対談となった。

撮影/佐野円香

構成・取材・文/村上由恵(タイムマシンラボ)

<プロフィール>

や団

ロングサイズ伊藤(1981年3月22日生まれ、神奈川県出身)、本間キッド(1982年12月23日生まれ、埼玉県出身)、中嶋 享(1982年6月23日生まれ、埼玉県出身)。2007年結成。『キングオブコント 2022』第3位。YouTube『や団YouTube』配信中。2023年7月13日『高円寺リベンジ』開催。チケットは完売につき配信視聴チケット販売中。 詳細はコチラ

清水あいり
1992年12月17日生まれ、大阪府出身。グラビアのほか「関西弁あいうえお」など、芸人魂を感じさせる芸風で幅広く活動。自身のYouTubeチャンネル『清水あいりのおイタがすぎまんねんTV』配信中。

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ファンの方にもオススメした「バーベキューのネタ」

清水あいり(以下、清水) 去年の『キングオブコント(以下KOC)』で、や団さんを知ったんですけど、YouTubeを観て、こんなにネタをたくさん作ってこられたんだと感動しました。コメント欄に「5分前後のコントがたくさん上がってるから『KOC』用に作ってたんだろうな」って書いてる人がいて。こんなに面白いのに、なんでこの人たち今まで出てなかったんだろう?と不思議でした。

中嶋 亨(以下、中嶋) ありがとうございます。僕たちは第1回の『KOC』(2008年)から出場しているんですけど、準決勝で負け続けてたんです。

本間キッド(以下、本間) 準決勝まで行くネタはいっぱいあったんですよ。

清水 そこまで行けるのがすごいですよね。

中嶋 でも、本当に準決勝のレベルがえげつないんです。去年も全組爆笑だったから誰が決勝にいってもおかしくない状況でした。

清水 『KOC』で披露されていた「バーベキュー」のネタタがすごく好きで、何回も観ました。次の日、ファンの方とお話するイベントがあったので、『KOC』を観たか聞いて、観てない方には「や団さんのバーベキューっていうタイトルの動画観て」って伝えてました。

本間 えー! 嬉しい。おかげさまで再生回数だいぶ伸びましたよ。

清水 私の影響かはわからないですけど…(笑)休憩終わってから「観たー?」って確認してました。でも一番好きなネタはYouTubeにも上がってる「デスゲーム」のネタです。

本間 あら、お目が高い!

中嶋 お笑い好きの人ってあのネタ好きな人多いんですよ。

ミッシェル・ガン・エレファントを観たときと同じ衝撃を受けた清水のピンネタ

ロングサイズ伊藤(以下、伊藤) 僕は清水さんの『チャンスの時間』(ABEMA)でアンジャッシュ渡部さんを前にやられていた空手着を着たピンネタ(「童貞を殺す空手家」)のほうが凄いと思っちゃいます。

本間 どうやって思いつくんですか? 僕らああいうネタが欲しくて。

清水 ピンネタって言えるレベルなのかわからないですけど、ただ空手が特技で、それをセクシーにアレンジしたっていうだけなんです。

本間 構造的に完璧じゃないですか。まず技をかけると思いきや、胸をバッと出す。一度観たら全員「やれ!」って言いたくなるんですよ。ああいう笑いが僕らの理想的なゴールというか、本当に羨ましいです。観てる人全員がツッコミたくなるって、めっちゃ大事だと思うんですよね。

伊藤 あと声がちょうどいいんですよね。「ッハ!」って。「そのキーなの?」っていう。

中嶋 ネタをやる上で声のトーンってめちゃくちゃ大事ですもんね。

本間 初めてミッシェル・ガン・エレファントを観たときと同じ衝撃を受けましたから。ああいうネタをやるとき、僕なんか笑っちゃうんですよね。それを真剣な顔でやれるのはプロですよ。

清水 こんなに褒めてもらえるなんて、今日は眠れないかもしれない! コントをやっていても、笑いそうになることはありますか?

本間 笑いそうになるし、実際笑っちゃって先輩から「ヘラヘラやってんじゃねえ」って怒られたこともあります。ダメなんですけど、スベッたりすると自分たちで笑っちゃうんですよね。

中嶋 最初は新ネタなんで、ネタ自体が面白くて笑っちゃうんですけど、何度もやっていくうちに慣れて笑わなくなります。ロング(伊藤)の演技とか普通に面白いんですよ。

伊藤 僕は、ハプニング的なことが起こると笑っちゃいますね。「組織」というネタは、なかし(中嶋)の喋りから入るコントなんですけど、緊張感を作らなきゃいけないときに「どれぐらい世の中に貢献してるか知んねえけど」っていうセリフを噛んで「ドラキュラのオナニー」って言ったんですよ。

中嶋 言ってないって。お前だけに、そう聞こえてるんだよ。

本間 同じネタで、「どうやってこのアジトを嗅ぎつけた?」ってセリフがあるんですけど、緊迫した雰囲気を出したいから「もっと(テンションを)強めに上げて言ってくれ」って頼んだんです。そしたら本番で「どうやってこのアジトを嗅ぎつけた↑」って、語尾の音を上げちゃって。それが面白くて5分間ずっと俺とロングは笑いを堪えてました。

清水 私も『チャンスの時間』のときは、何回か笑いを堪えきれなくて、後ろを向いてるんです。渡部さんに対してネタを見せるという企画だったので、結構緊迫した空気でした。もともと3人の笑いのツボは一緒なんですか?

本間 結構バラバラだと思います。

中嶋 自分は、正統派な漫才というか『爆笑オンエアバトル』(NHK)が好きだったので、結構ベタだと思います。

本間 僕は……なんですかね。自分たちのネタが好きです。

清水 かっこいい!

中嶋 照れながら、ボケんなよ(笑)。

伊藤 僕は下ネタが好きです。

清水 あー! だからロングサイズ伊藤なんですね。

伊藤 違います(笑)。よく勘違いされて、トイレが一緒になるとすぐ覗き込まれるんですけど、単純に身長が高いからです。

清水 そうだったんですね(笑)。

イメージDVDに笑いは求めていない

本間 清水さんがグラビアのお仕事をやろうと思ったきっかけは、なんだったんですか?

清水 もともと胸が大きいことはものすごいコンプレックスだったんですけど、それを武器に変えたくて。あえて世間に晒すことによって、武器に変えざるを得ない状況を作ろうとグラビアの道を選びました。でも、私は水着を着て砂浜を走るような王道のグラビアにはなれなかったんです。やっぱり関西出身なんで、どこかで笑ってほしいという気持ちがあって。イメージDVDの撮影では、セリフを勝手にアレンジして、ちょっとやりに行ってました。

本間 ウケようと思って(笑)。

清水 そうです(笑)。でも、ディレクターさんに「そういうのは求めてないから。もっとかわいらしいことできないの?」って言われてました。

中嶋 そりゃそうだよ。笑いたいわけじゃないですもん(笑)。

本間 違うものになっちゃいますよね(笑)。イメージDVDの撮影ってどんな感じなんですか? 写真だと気分を上げるためにカメラマンさんが「いいよ!いいよ」とか声を出せますけど、DVDは声を出せないですよね。

清水 そうですね。結構シュールな現場です。だから、私も笑っちゃうんですよ。特に、私がやっていたグラビアは、大きいぬか漬けが用意されて、きゅうりや極太のナスに付いた”ぬか”をとるようなマニアックな撮影が多かったんです。

本間&中嶋&伊藤 いい設定ですね(笑)。

設定が面白ければボケなくても面白い

本間 誰が考えてるんですか? 本当に大人たちが「今回は、ぬか漬けがいいと思う」とか会議をして考えてるわけですよね。「できるだけ先のほうは優しくやってください」とか指示があるんですか?

清水 そこまで具体的には言われないですけど、雰囲気で「わかってるよね?」っていう感じです。

中嶋 コントもそうですけど、その設定自体が面白ければボケなくていいんですよ。普通のことをやってるのがボケになるから、それと一緒ですね。

本間 清水さんに台本がおりてくる前の会議が観たい。ホワイトボードに箇条書きで、ナスとかきゅうりって書いてるんですよね。それで「それは違うだろ!」とか怒られてるヤツもいて。

清水 埼玉の自動車整備工場で、車の下からすっと出てきて、ずっとスパナを撫でるという撮影もありましたね。

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