今年もさらに高みを目指す最高の女たち!【2022年1月 フィロソフィーのダンス「偏愛記」】

フィロソフィーのダンスによる連載「偏愛記」。2021年は、メンバーが偏愛するジャンルの、その道のスペシャリストと対談をしてきました。2022年一発目となる今回は、昨年に引き続き、メンバーによる1年間の振り返りインタビューをお届け! コロナ禍のなかでメジャーデビューを果たし、新しい環境に身を投じた4人が、感じたこと、考えたことを率直な言葉で話してくれました。

取材&文/南波一海 撮影/飯田エリカ

 

●2021年は色んなことがありすぎてほぼ記憶にありません(笑)!

 

――今回は新年一発目ということで、まずは2021年の振り返りができればと思っています。なかなか動けなかった2020年と比べると、シングルを3枚リリースしたり、有観客でツアーができたりとと、トピックはたくさんありました。

 

十束おとは 去年に比べるととても振り返りやすいです(笑)。

 

日向ハル アニメのエンディング(「ダブル・スタンダード」がTVアニメ『魔法科高校の優等生』のEDテーマに起用)と映画の主題歌(「サンフラワー」がオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』の主題歌に起用)という大きなトピックがあって、どちらも私たちにとっては初めての経験でした。アニメのイベントに出させていただいたり、映画の舞台挨拶に出させていただいたり、いままでしたことのない活動ができた1年だったなと思います。

 

奥津マリリ 「カップラーメン・プログラム」が去年の最初のリリースだったと思うと、もうめっちゃ昔のことみたいな感じ。まだライブもそんなにしてなくて、5月くらいにやっと有観客でやり始めて……みたいな。もうあんまり覚えてないよね?

 

佐藤まりあ あれ? BRADIOさんとのツーマンは2月だよね(※2021年2月11日に豊洲PITで開催された「LIVE IGNITION」)。

 

奥津 2月か! 全然5月じゃなかった!

 

佐藤 もう時系列がめちゃくちゃ(笑)。「Cup Ramen Night」は4月?

 

日向 リリースのタイミングじゃない?(※5月1日に無観客配信ライブ「Cup Ramen Night」を開催)

 

――全員の記憶がぼんやりしているのがすごい(笑)。そのくらいたくさん詰まっていたんですね。

 

奥津 1年中なにかしらやってました。

 

日向 ネットサイン会とかオンライン特典会も1年中やってたイメージがあります(笑)。

 

――そんなふうに忙しくしていたなかで、全員がソロ曲をリリースしたのも印象的でした。

 

十束 あ! それもありましたね。本当に色々あったなぁ。

 

佐藤 はすぴょん(十束)のソロ曲はすごい早くから準備してた印象がある。

 

十束 お願いしたいかた(清竜人)が決まっていたので、とりあえず引き受けていただけるかだけでも聞いてもらおうと思って、早い段階で動いてました。

 

――2021年は全員がソロを出すというのは前から決まっていたんですか?

 

日向 計画的なものじゃなくて、流れだよね?

 

十束 そうそう。ハルちゃんが出してくれたから、そのノリで。

 

日向 私もそうで、マリリが出したから、3~4年ぶりに私もやってみたいな、くらいの感じで。うちらってソロ曲を出す子がいない年もあれば、ひとりだけだったりの年もあるんですけど、今年はたまたま揃ったくらいの感じです。

 

奥津 私は別にいいやって子がいてもいいしね。

 

佐藤 私は、はすぴょんの影響が大きかったかも。

 

――そこは自由なんですね。

 

十束 そうなんですよ。でも、ハルちゃんが出したからには、ファンの人たちも推しのソロ曲が聴きたいって思うじゃないですか。だから私もやりたいなと思って。結果的にそれぞれがやりたいことを詰め込んだ4曲ができあがったという。

――スタッフ陣が柔軟なんだなと感じました。

 

十束 いい職場だ(笑)。やらされてる感もなく、楽しんでやれたのはよかった……けど、色んなことがありすぎたのでもう記憶がない。

 

●それぞれの2021年を振り返っていたはずがいつの間にか反省会に!?

 

――(笑)。単に1年間で起こった出来事を振り返っていくと年表みたいになってしまうので、みなさんの個人的な2021年の印象をうかがっていいですか? まずは佐藤さんからうかがえればと。

 

佐藤 シングルを3枚出せたので活動的には順調だったんですけど、やっぱりメジャーデビューして思ったことは、音楽番組に出ることの難しさで。今年は特に感じました。一生懸命作ったかっこいい楽曲たちだったんですけど、ファンのかた以外に見てもらう機会をなかなか作れなかったのは個人的に悔しい点でした。2022年はグループでもっと音楽番組に出たいと思ってます。

 

日向 なかなか難しいよね。

 

佐藤 まわりに素晴らしいアーティストさんが多すぎて、当たり前ですけど、自分たちの出番がいつも回ってくるわけじゃないんですよね。いつチャンスが回ってきても良いように心の準備はしていました。2021年も何回かテレビでパフォーマンスをさせていただきましたが、2022年こそはもっとたくさんの方に見ていただける機会を作りたい、と思ってます。

――個人としてはどうでしたか?

 

佐藤 個人ですか? え、私、なにもしてない(笑)。

 

十束 いやいやいや(笑)。作詞したじゃん!(ソロ曲「Decade」で山崎あおいと共作)

 

日向 髪ピンクにしたじゃん。

 

奥津 おばあちゃんと旅行行ったじゃん。

 

日向 りん(飼い犬)を病院に担いで行ったじゃん!

 

――総ツッコミが(笑)。全部気になります。

 

佐藤 意外とありました(笑)。どの方向性で話しますかね。

 

日向 やっぱり10キロの犬を担いで病院に連れていったことじゃない?

 

――それは相当大変じゃないですか。

 

佐藤 2021年の2月くらいにわんちゃんの病気が見つかって、そこから定期的に病院通いしているんですけど、朝晩決まった時間に薬を与えないといけないんです。なので、2月から今日の今日まで必ず8時前に起きるという生活を続けてます。

 

十束 規則正しい。

 

佐藤 その薬が注射なので、犬に注射できるようになりました。私が朝晩打ってます。

 

日向 偉い!

 

佐藤 最初はめっちゃ嫌がってて。吠えて大暴れするので、テーブルに乗せて首にカラーをつけて打ってます。いまはご飯を食べ終わったらキッチンに来て注射を打つという習慣がついたんですけどね。おりこうさんになったという……なんでりんの話をしてるのかわらないんですけど(笑)。

 

――そういう話こそ聞いておきたいんです。そのことによって生活サイクルも整ったんですね。

 

佐藤 ご飯の時間に起こしてくるので、毎朝7時とかには起きてます。そんな1年でした(笑)。連載ではNICE73(ナイスナナさん)に会うことができました。会いたい人に会わせていただける素敵な機会をありがとうございました。

 

●私たち、準備はもう十分すぎるほど出来ています!!!!!(十束)

 

――十束さんはいかがでしょう。

 

十束 動きのあった1年でした。「魔法科高校の優等生」で好きな作品のエンディングを歌うことができたし、「フラ・フラダンス」ではアニメ映画の主題歌に抜擢していただいて、みんなで試写会を見て、エンドロールに自分たちの歌が流れてくる瞬間の感情とか、久しぶりにお客さんの前でツアーができたときの感情とか、色んな気持ちになれたいい1年だったと思うんですけども。

 

――けども。

 

十束 それと同時に、ある程度のところから上にいくのはすごい難しいなと思った1年で。色んな人に「準備はできてる」みたいなことを毎年言われるから、もう準備芸人みたいなんです(笑)。

 

佐藤 ネクストブレイク芸人みたいな(笑)。

 

佐藤 準備はできてるんですけどね(笑)。

 

十束 一生懸命やってるつもりでも、なかなか結果が見えなくてもどかしい瞬間もたくさんありました。世間はこういうものだよ、とお尻を叩かれた1年だったと思います。

 

――奇しくも佐藤さんが歌番組の話をしてくれましたけど、十束さんも同じくメジャーまで辿り着いた上で新たなハードルを感じている。

 

十束 自分がいちオタク側として、たくさんのアイドルを見てきたのですが、現状打破したくてあれこれ試行錯誤してしまう、その精神状態というのがすごくわかりました。それはもちろんプラスの意味で、です。続けるためにはやっぱり打破しないといけないものがあるから、2022年はそこの壁を越えるくらいの気持ちでいないとダメだなと思ってます。

 

――さすがに大人だなと思う分析だし、その上での意気込みも頼もしい限りです。個人としてはいかがでした?

 

十束 個人的に一番嬉しかったのはTVアニメ「魔法科高校の優等生」のエンディングと、オリジナルアニメ映画「フラ・フラダンス」の主題歌を歌えたことです。あとはゲーミングチーム(魚群)に所属したり、ゲームのイベントの司会をしたりできたのも嬉しかったですね。

 

――メンバー同士でゲーム対決の配信をしたりもしてますが、十束さんは淡々とやっているんだけどいつの間にか勝っているのがさすが本物という感じで。

 

日向 うう、騒がしくしてるのが恥ずかしくなってきた。下手な人の典型的なパターンになっちゃってる(笑)。

 

十束 でも面白いよ。ハルちゃんとチームを組んで『マリオパーティ』をやったことがあって。普段一緒にゲームをやる人たちと反応が全然違うのがすごく楽しいんです。

 

佐藤 チュートリアルで盛り上がってるもんね。

 

日向 そこは飛ばすんだよって言われて、「えっ?」みたいな。

 

十束 ふふ(笑)。ハルちゃんとやるのはいつもおもろいです。

●着実にステップを上がっていけてはいるけど、個人的にはまだまだだなという1年でした(日向)

 

――次は日向さん、いきましょう。

 

日向 まず、よかったことは……。

 

――みなさんよかったことと反省点を話してくれるんですね(笑)。

 

日向 このグループは普段ネガティヴなことを言わないし、私もそうなんですけど、まぁ1年に1度くらいはいいかなと(笑)。よかったことは『THE カラオケ☆バトル』に出られたこと、UAさんのラジオのコメントゲストに呼んでもらえて自分の歌声がUAさんに届いたこと、SANABAGUN.がずっと好きでライブに行ってたんですけど、メンバーの大林亮三さんのソロプロジェクト(RYOZO BAND)でボーカルに呼んでもらえたこと、SHE IS SUMMERのラストアルバムに呼んでもらえたことです。憧れていた人に声が届いたことは自分の歌仕事として本当によかった。グループとしては、いいことばかりだったんですけど、全体的にはまだ満足しているわけではなくて。自分が目指しているアーティスト像があって、そこに到達できなかったという悔しさはあります。ほかのメンバーも感じていることだと思いますね。

 

――みなさん同じ思いを抱いているんですね。

 

日向 いい感じじゃんと言っていただく機会が増えてはきたのですが、あまり実感が無くて。例えば街で話しかけられるとか、フォロワーがめちゃくちゃ伸びるとかすれば、たしかに、と思うのかもしれないんですけど自分の生活は変わってないので。着実にステップを上がっていけてはいるけど、個人的にはまだまだだなという1年でした。

 

――高い壁のようなものは折に触れて感じますか?

 

日向 そうですね。メジャーで音楽をやるということをやっと理解できたというか。インディーズ時代は、そのときにやってた楽曲を好きなファンのかたが応援してくれたから。おかげでここまで来られたと思うんですけど、メジャーでやるというのは、お茶の間にも届くような大きなバズを狙って音楽を作るという構造に所属したんだなと思うようになりました。

 

――なるほど、興味深いです。

 

日向 色んな考えのかたがいるので、メジャーでの楽曲の方向性にモヤモヤしているかたもいらっしゃると思うんですけど、メジャーでやるというのはそういうことなんだって。私たちも覚悟を持って一曲一曲丁寧に作っていると伝えることができたら、なるほどって思ってもらえるんじゃないかなって。アイドルファン以外のかたにも知ってもらいたい、じゃあそのためには、ということで、グループ名よりも先に曲が一人歩きするくらいバズるものを生み出したくて、私たちはメジャーというフィールドで活動しているんです。そういう考えかたのもとでやるのがメジャーなんだというのが、自分のなかで葛藤もありつつ、やっと理解できたところなんです。音楽を仕事にするというのはそういうことだよねと。

 

佐藤 アイドルのインタビューじゃないみたい(笑)。

 

日向 今日はこういうところまで話してもいいかなと。

 

十束 インタビューがアップされたら「すごくいい1年でした!」だけになってたりして(笑)。

 

――相当な覚悟の上でやっているということですよね。

 

日向 こういうフィールドに属して、こういう考えかたで戦うという気持ちを伝えたいなって。私も色々と葛藤した部分があるのですが、この1年をかけて改めて覚悟を固めた部分があるから。応援して支えてくださるファンのかたにも、ちゃんと自分の口から、自分の言葉で伝えたいなって。

 

――とはいえグループの変化はこれまでの延長線上にあるものだし、可能性を拡げようとトライするのはいいことでしかないと思いますよ。しかし、2022年はよりたくさんの人に曲が刺さるようにするというのは必須ですね。

 

日向 はい。全音楽ファンに届けたい。それがやりたくて、この環境にやってきて、この活動を続けてるわけだから。

 

――このハングリーさを考えると、どこまで進んでも満足しない可能性はないですか?

 

日向 武道館に行ったら満足できるかもしれないです。そこに行くまでが大変というのを死ぬほど思い知ってるので。メジャーに行くまでも大変だったけど、メジャーに行ってから大きい舞台に行くのも本当に大変。すぐにバズった人を見ると羨ましくなっちゃうから、長く続けてきたアーティストを見て自分を励ましてます(笑)。

●見たいなと思ったらすぐに行けるくらいにライブの機会を増やしたい。そうしたら沼るチャンスが増えると思うんです(奥津)

 

――最後が奥津さんです。

 

奥津 この流れで私はどうしようかなと思うんですけど(笑)、個人としてはBEYOOOOONDSとツーマンができたことと、サウナにいっぱい行けて気持ちよかったのと、手作り餃子のクオリティがさらに上がってきました。こないだもひとりで15個くらい食べました。

 

佐藤 3皿分だ。

 

日向 大皿じゃん。

 

十束 輪になるやつだ。

 

奥津 グループとしてはみんなと同じくで、色んな活動をできたことがよかったです。あとはレーベルのかたとか、宣伝、営業のスタッフのみなさんとコミュニケーションがとれた1年でした。以前よりも一緒に考えながら作れた感じがします。一昨年はコロナ禍でミーティングとかもオンラインでしかできなかったりというところからスタートしたんですけど、2021年はやっと直接色々なスタッフさんにお会いできたりして、それはいままでと違ったところでした。

 

――2020年はメジャーデビューしたものの、宣伝担当の人だったりに会ったりすることもなかったわけですね。

 

奥津 そうなんです。フィロソフィーのダンスを大きくしていこうと一緒に頑張ってくれている仲間が見えて、その人たちへの感謝の気持ちも大きくなりました。この人たちが頑張ってくれるから私たちはこういう活動ができるんだって気づけたんです。メジャーに行ったらあれに出れるとか、勝手に舞い込んでくるものだと思ってた浅はかな自分が恥ずかしくなるというか。

 

――当たり前ですけど、デビューしたからといって自動的にあちこちのテレビやラジオに出られるものではないわけで。

 

奥津 メジャーにもたくさんのアーティストがいて、そのなかで営業とか宣伝の人とかが推してくれるから出られるところもあるので、推されるアーティストになりたいなというのと、なにかに出られたときに、その方々に対する感謝は忘れずにひとつひとつ大切にしようと思えた1年だったので、お仕事に対する意識はまたひとつ変わりました。それはすごく実りあることだと思います。それから反省点は、もちろん色々あるんですけど、ライブしたい~っていうのはあります。それはまだまだ足りない。

 

――やはりそこですよね。

 

奥津 色んな活動はあるけれど、私たちが一番気持ちを伝えられるのはライブだと思うし、なにかをきっかけに私たちを知ってくれて、その次に来る場所がライブだったらいいなと思うことがすごく多かったんですよね。2022年は会いたいな、見たいなと思ったらすぐに行けるくらいにライブの機会を増やしたい。そうしたら沼るチャンスが増えると思うんです。聴きなじみのなかった曲でもライブで見たらなじむこともあるじゃないですか。

 

――よくありますよね。

 

奥津 それが足りなかったなとは個人的に思ってます。「フィロソフィーのダンスがいいんだよ!」という熱量を高めることにも繋がると思うので、みなさんにお会いする機会が増やせたらいいなと思ってます。

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