猫のつまらない話 第17回【11月号 能町みね子 連載】

文&題字イラスト/能町みね子 写真/サムソン高橋

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『猫のつまらない話』

<お知らせ>
11/25(いいニャンコの日)発売の『ネコブロスvol.2』に、この夏の小町との旅話「猫のつまらない話〜青森避暑番外編〜」を寄稿&撮り下ろし写真の掲載をしています。「ねこつま」(そんな略し方、たった今初めてした)ファンのみなさま必見でございます!

そういえば小町をうちに迎える前にネコニティブルーだった私、ネコニティブルーとなった一因は、猫を病気にしてしまったらどうしよう!? と思い詰めたことにもありました。いよいよ飼いはじめたんだから、早いうちに動物病院に行かなきゃいけません。

小町はすでに避妊手術は受けていると聞いていたけども、ワクチンを受けているかどうかは知りません。渡り歩いてウチに来たけど、元々いた多頭飼いのおうちで接種していたとはとても思えない。定期的な健康診断とワクチン接種、親としてちゃんと連れていきたいという気合満々である。まずは近所の動物病院を調べました。近いところに2軒あるな。いちばん近いところでいいかなー。

一応気になるので、そのいちばん近いところの評判をネットで調べました。

 

☆1「絶対に許しません」

☆1「絶対に行かないでください、あなたのワンちゃんや猫ちゃんを思うなら」

 

おお……?

2軒目も見た。

 

☆1「基本的なことも分かっていない! ひどい目に遭いました」

☆1「ほとんど見ずに帰されました。他の病院に行きました」

 

あれ?

どちらも、評価のほとんどは☆5か4だけど、時おり強烈に否定的な☆1が混じるのでそっちに目が行ってしまいます。そりゃまあ、こんな評価を見たら心配にもなるけれど、もしかして、動物病院ってだいたいこんな感じなんだろうか?

私は周囲の動物病院の評価を片っ端から見た。どの病院も大半が☆5か☆4の評価で、そして、どの病院もそれなりの数の☆1がついていた。

病院に行って不幸なことがあったとき、ショックを受けて、こういうことを他の人にも知らせなきゃという使命を感じる気持ちは理解できます。理解できるから、否定はできません。私もこんな気持ちになるかもしれない。小町だっていつか死んでしまう。私は病院の評価のことよりも、目の前の小さな猫がいつかいなくなるかもしれないことを考えて、つらくなって、つらくなりきらないうちに一旦考えないことにした。健康のためにはやっぱり病院に行かなきゃね、と瞬時に立て直しました。

ということで、私はショッキングな評価については一旦無視して、結局いちばん近いところにしました。

結果から言えば、とても親切に診てくれました。ネットの評価をどのくらい真に受けるかは、大いに経験が左右すると思う。

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