不調の時の気分転換【藤田菜七子 2021年6月号 連載】

 徐々にではありますが、競馬場にもファンの方が戻り始めて、さぁ、頑張るぞ! と思っていたのですが…。
 不調です。体はどこにも悪いところはないし、日常もいつもと変わらないのですが、それがうまく勝利につながりません。
 この前勝ったのが5月23日ですから、1カ月も勝ち星から遠ざかったまま。私も馬も頑張っているのに、結果が出ない…。
勝つよりも負けることの方がはるかに多いのが競馬だし、1つ勝つのがどれだけ大変で難しいか、これまでの経験から、よくわかっているはずなのに、さすがにこれだけ勝てないと、気持ち的には、やっぱり凹みます…。
 こんなときは、どうしていたんだろう? 1年目、2年目のことを振り返ってみると――。思い出すのは、ケータイの電源を切って、ひとりの世界に逃げ込んでいたことです。
「あれ!? 菜七子はまた留守電だ」。そう思われた方も多かったと思います。いまさらですが、ごめんなさい、ですね。
 ジョッキーになって今年で6年目。精神的にはかなり鍛えられたいま(と言ってもまだまだですが)、もうあの頃のように、ケータイの電源を切ったりはしていません(笑)。
 勝っても負けても冷静に、淡々と――。
心がけているのは、何があっても揺るがない心。精神的にもタフさを身につけることです。
 とはいえ、負ければやっぱり悔しいし、負け続ければ凹みます。そんなときは、録画していたドラマを観て気分転換するようにしています。最近、ハマッているのは――落ちこぼれと呼ばれる生徒たちが、東京大学を目指す『ドラゴン桜』。比較的早い時期に競馬学校を目指した私は、高校受験もしていないし、中学のテストもそれほど真面目にやった記憶がありません(苦笑)。でも…いや、だからなんですかね、すごく新鮮で、面白い。6月27日(日曜)に放送される最終話も、すでにしっかりと録画予約。今から、楽しみにしています。
 この『ドラゴン桜』効果かもしれません。6月19日に東京競馬場で行われた最終12Rで、忘れかけた勝利への手応えを感じることができました。

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