プロの世界でのミスの重み【藤田菜七子 2021年5月号 連載】

 

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新緑の季節…風薫る5月。気持ちも新たに臨んだ新潟競馬で、今年初となる土、日連続勝利を挙げ、JRAの通算勝利数を134に伸ばすことができました。勝ちたかったレース、勝てたかもしれないレースもあったので、胸を張ることはできませんが、この日のためにネット予約で入場してくださったファンの前で、少しだけ、いいところを見せられたような気がします。
レースを振り返ってみます。まず、2回新潟3日目土曜の5レース(3歳未勝利・芝2400m)から。パートナーは、芦毛の男の子。わたしが所属する根本康弘厩舎のネイチャーシップです。
手綱を取ったのは、昨年11月23日のデビュー戦(8着)以来ですが、調教にもたくさん乗せていただき、馬のクセや性格、どんな走りを得意とするのかなど、わたしなりに掴んでいました。
スタートは上手じゃないし、ダッシュ力もそれほどじゃない。性格がよく、乗りやすい。根性があって、長くいい脚を使える。
このことから導き出した答えは…最初のコーナーまでが長く、距離2400mで行われるこのレースは、ベストに近い条件かもしれない…というものでした。
結果は、読みがドンピャリです。1枠1番から、前半は後方2番手で追走し、3コーナー手前から徐々に進出。最後の直線で外に進路を変えると、前を走る馬を全て抜き去り、1着でゴール板を駆け抜けてくれました。しかも、です。途中、フラフラしていてこの結果ですから、次のレース、その次のレースが、楽しみになりました。
次は、翌日曜日の6レース(3歳未勝利・ダート1800m)。パートナーは、今回が初めてのコンビとなる鹿毛の男の子、イントゥザワールドでした。
「スタートは上手そうだから、前に付けよう」。
これが、頭の中で繰り返しシミュレーションした結果の戦法です。しかし…。ゲートが開いた瞬間、ダッシュが利きません。あれっ!? まさか…そんな…。首を傾げたのは、時間にしてゼロコンマ1秒。覚悟を決め、後半勝負に賭けることにしました。
結果的にはこれが良かったのだと思います。前半、ジタバタせず、力を溜めたおかげで、後半、じわじわと伸び、パートナーに待望の初勝利をプレゼントすることができました。
この2つの勝利とは反対に、今思い出しても悔しいのが、土曜新潟の6レース。ロケットペンダントをパートナーに挑んだ芝直線1000mの3歳未勝利戦です。
枠は千直のレースに有利な7枠13番。毛ヅヤもよく、体調は文句ナシ。フツーにゲートを出れば、十二分に勝ち負けになるレースのはずでした。ところが、です。ゲートの中で馬が首を振った瞬間にゲートが開き、その勢いで馬が立ち上がりかけるという最悪のアクシデントが起きてしまいました。

 

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